コロッケは「おやつ」か「おかず」か問題 あなたはどっち?

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 安くておいしい庶民の食べ物・コロッケ。揚げたてでホクホクなら、その味はまた格別です。そんなコロッケについて、「皆様のお宅ではおかずですか」と問いかける女性の投稿が、掲示板の「発言小町」に寄せられました。

 夫の実家で「コロッケはおかずにならない」と言われ、ショックを受けたという投稿主の「男爵夫人」さん。夫の実家では、コロッケとは「他の揚げ物のついで」に揚げるものであり、「お酒のおつまみ、子供のおやつであって、おかずではない」のだそうです。もっとも、夫自身が「コロッケをおかずにしても嬉しそうにしている」のが、「男爵夫人」さんにとっては救いなのだとか。

  これに対し、発言小町では「コロッケはおかず」とする意見が多数寄せられています。「コロッケは万能。ごはんにもあうし、パンにもあう。うどんやラーメンにもあう」「こどもの頃から、コロッケがおかずの日は嬉しかったな」。なかでも「コロッケにソース+千切りキャベツ+白いご飯」を「最高の取り合わせ」とする声が目立ちました。

  一方で、「ジャガイモがそのほとんどを占めるコロッケで、同じ糖質であるご飯を食べる事自体に無理がある」「ラーメンライスのように炭水化物の過剰摂取になりがち。我が家では、おかず用の揚げ物はカツやカキフライを選んでます」といったように、コロッケを「おかず」とすることに否定的な声もありました。

 昔は「ごちそう」、今は関東で「おかず」、関西で「おやつ」

  コロッケ市場拡大のためのイベント開催などに取り組んでいる一般社団法人「日本コロッケ協会」(東京都港区)などによると、明治時代、ヨーロッパから「クロケット」と呼ばれるクリームコロッケのような揚げ物料理が伝わり、日本流にアレンジされたのが、コロッケの始まりとされます。大正時代には、カツレツ(トンカツ)、カレーライスと並ぶ「大正の3大洋食」と称されるほどの人気を博しました。

  同協会の藤井幸大会長は「コロッケは3大洋食の中で最も値段が高かったのです。当時の日本は、まだパンを食べる文化が広まっていなかったので、洋食店では、メイン料理であるコロッケの付け合わせとしてご飯が出されていました。その名残として、今でもコロッケを『ごちそう』としてご飯と一緒に食べる人が少なくないんです」と解説します。

  ところが今は、食習慣でのコロッケの位置づけが地域によって異なっていると、藤井会長は指摘します。例えば、関西にはコロッケを「ごちそう」とする食文化は残っていないそうです。「関西では、揚げたてのコロッケをお肉屋さんで買い、ソースを付けて歩きながら食べるのが一般的で、いわば『おやつ』の位置づけです」と藤井さん。

  一方、関東などでは、肉屋やスーパーなどで夕食の材料を買う際に、総菜として売られているコロッケを買って帰り、ご飯のおかずの一つとして食べるのが一般的だといいます。「食シーンを選ばず、いつでもどこでも食べられるのがコロッケ。そういう意味では、ハンバーガーに限りなく近いのではないでしょうか」と藤井会長は話しています。

  冷凍食品メーカーの業界団体「日本冷凍食品協会」(東京都中央区)の調べでは、2016年の冷凍コロッケの国内生産量は約18万4000トンで、うどん(約16万3000トン)やチャーハン(約7万6000トン)を抑えてトップ。発言小町に寄せられた意見を見ても、「おかず派」も「おかずにならない派」も、コロッケが大好きなことは同じようです。「おかずか否か」が大きな議論を呼ぶコロッケは、やはり「国民食」の一つと言っていいかもしれません。

 ■紹介した発言小町のトピはこちら→「コロッケをおかずにごはん(駄)