働きやすく歩きやすく…オフィスに「置き靴」していますか?

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足元の快適さ 印象を自在に

 オフィスに「置き靴」をしている女性は少なくない。どんな靴で出勤し、社内ではどんな靴に履き替えるのか――。足元からも、働く女性の一日が見えてくる。

 メットライフ生命保険(東京)に勤める鄭春香さん(30)は、朝はパンプスで家を出る。この日はラメ入りのベージュ色でヒールは5センチの高さ。「きょうも頑張ろうと気合が入ります」

 会社に着くと、机の下の「置き靴」に履き替える。お気に入りの黒のフラットシューズだ。通勤時のパンプスとは違って、こちらは軟らかい。「社内では履きやすさが優先です。置き靴を始めたのは4月から。一日中パンプスを履いていた頃は足がむくんで大変でした」。夜、会社を出る時はまたパンプスに戻る。外で仕事のミーティングをすることもある。

 一方、同僚の竹内絵里子さん(41)は、通勤時にフラットシューズを履いている。朝は小学4年生の息子の支度を手伝って、一緒に家を出る。駅には小走りで向かうこともあり、動きやすさ重視の選択だ。

 職場で履き替える靴は、ヒール高7センチの黒のパンプス。竹内さんは、広報の仕事をしている。「社外の方に会うことが多く、きちんとした印象のパンプスは欠かせません」

 置き靴をしている女性は多い。ファッション誌「ステディ.」(宝島社)の編集部が、30歳前後の読者1000人に調査したところ、72%が職場に置き靴をし、うち62%が毎日履き替えていた。通勤する靴は、〈1〉パンプス53%〈2〉フラットシューズ29%〈3〉スニーカー13%の順。これに対し、置き靴にしているのは、〈1〉フラットシューズ37%〈2〉サンダル28%〈3〉パンプス20%〈4〉スリッパ10%の順だった。

 編集長の橋爪尚子さんは「ハイヒールなどお気に入りのパンプスで通勤し、社内では足に負担をかけないフラットシューズに替えるパターンが多いようですが、履き替え方は一人一人違う」という。

 京王百貨店新宿店(東京)はこの春、パンプスの美しさと、フラットシューズの履きやすさを両方取り入れた婦人靴「才色兼備シリーズ パンプス・バレエシューズタイプ」(1万800円税込み)を発売した。ヒールは2センチの高さ。4か月で1400足も売れる人気となった。婦人靴バイヤーの塚越孝樹さんは、「通勤靴のニーズにも置き靴のニーズにも応えようとした婦人靴。多彩な履き方ができるのが人気の理由では」と説明する。オフィスでもかっこいい置き靴として楽しめそうだ。

 オフィス街では、パンプスやフラットシューズの女性たちに交じってスニーカー通勤の女性も見かける。職場では「置き靴」に履き替えているのだろう。スニーカーで帰宅するなら、1駅手前で降りてウォーキングを楽しむこともできそうだ。

 履き替えて、働きやすく歩きやすく――。「置き靴」はもう欠かせない?

置きジャケット 汚れ対策を

 オフィスに置いておくのは靴だけではない。「置きジャケット」をすることもある。都内の女性会社員は「暑い時期に毎日持ってくるのは面倒だが、急な来客で必要になることも。ロッカーに黒のジャケットを1着置いています」と話す。

 ファッションジャーナリストの宮田理江さんは「置きジャケットにするなら、テーラードなどベーシックなデザインを選んで。色は黒や紺系が合わせやすい」と勧める。「ポリエステル素材なら丈夫でしわになりにくい」

 置いたままにするので、形崩れや汚れへの対策が欠かせない。ハンガーは適度な厚みがあるタイプを選ぶ。細いハンガーは形崩れしやすい。ブラシを常備し、お手入れするのも忘れずに。「置きジャケットとはいえ、『同じものばかり着ている』と思われるのは残念。時々、別のジャケットと入れ替えましょう」(宮沢輝夫)