SMAPも…迎えた「人生の転機」潔い転職は是か非か?

スパイス小町

 先日、元SMAPの香取慎吾さん、稲垣吾郎さん、草なぎ※剛さんがジャニーズ事務所をやめることが発表されました。20年以上にわたってトップアイドルとして芸能界に君臨してきたSMAPの皆さんにも、それぞれに人生の転機が訪れているようです。昨年、SMAPの解散騒動が巻き起こって以来、マスメディアなどではメンバー間の確執が取り沙汰されてきました。しかし、ファンの多くは、外野の声には耳を貸さず、自分たちが見てきた、応援してきた、一緒にいくつもの季節を過ごしてきた「SMAPのことばしか信じない」という姿勢です。そしてメンバーたちは沈黙を守っています(※「なぎ」は「弓」へんに「剪」)。

 アイドルも兼業・副業アリ?

  アイドルの「転機」と言えばこのほかにも、人気アイドルグループ・乃木坂46の橋本奈々未さん(24)が今年2月、グループを卒業するだけでなく、芸能界からも引退。同じくアイドルグループのBerryz工房の主力メンバーだった「ももち」こと嗣永つぐなが桃子さん(25)も、6月末をもって芸能界から卒業し、幼児教育の道へ進むことを表明しています。嗣永さんは、幼稚園の先生などに「転職」するのでしょうか? ピンのバラエティータレントとしても活躍していただけに、芸能界引退には「もったいない」という声も多いようです。

  芸能人にとって有名であるということは、一つのスキルであり、価値でもあります。一般層の認知度が25%を超えると、有名人の証しとされます。すれ違ったら4人に1人が「あ」と気付くレベルということです。認知度25%超えの芸能人は、有名であるというスキルに加えて、別のスキルを発揮することで、仕事の幅が広がるとされています。

 橋本さんや嗣永さんに対しては「潔い引退」という声もありますが、最近は一般の企業社会でも副業・兼業が一種の流行になっていますから、あえて引退したりせず、「有名人×〇〇」で兼業すればいいのに……などと思わなくもありません。

 「スキルのかけ算」が必要な時代

  例えば、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣あきひろさんは、今や絵本作家として有名です。しかし、最近の彼の対談記事を見たら、肩書きは「芸人」となっています。彼の描いた絵本はすごく売れていますが、彼はネット上で本を公開していて、インタビューで「本として売れたのではなくて、グッズとして売れたのです」と言っています。有名人が作家としてのスキルを発揮し、「グッズ販売」という兼業に成功した例、と言えるかもしれません。

  これからは、有名人でなくても「〇〇×△△」というスキルのかけ算が必要になるでしょうね。例えば、英語ができるだけじゃなく、「英語×何ができるの?」という時代。外国人と仕事で張り合うようになれば、英語は「できて当たり前」のスキルになるだろうし、将来、完璧な英語通訳アプリができたら、言語の壁もなくなってしまうでしょう。

転職前に興味のある仕事の「お試し」を

  さて、掲示板「発言小町」にも転職の相談が多く寄せられます。ここ最近のものだけを検索しても驚くほど……。

  その一つに「転職するか悩んでいます。後悔しない、転職成功のコツは?」というトピがありました。トピ主さんは「今の会社に入って数年、自分のやりたい仕事は本当にこれだったのか」と悩み、「思い切って転職し、新しい自分を見つけたいと思っています。後悔しないためにはどのように転職活動を行えばいいですか?」とアドバイスを求めています。

  これに対し、「貯金はありますか? 即戦力となれる資格や実績はありますか?」と転職に必要なスキルなどを問う厳しい声や、どこに転職しても多かれ少なかれ不満は出るので、とにかく「年収を上げる(最低限下げない)事が大事です」という現実的なアドバイスも。

 私がもしアドバイスするなら、「潔く」転職する前に、ちょっと興味のある仕事があったら、副業や兼業、あるいはボランティアでもいいので、その仕事を“お試し”してみることをお勧めします。ちょうど政府も、副業・兼業の原則自由化といった「働き方改革」を進めていますから、決して難しいことではなくなるはずです。

  日本人の美徳とされる「一所懸命」という言葉は、中世の武士が1か所の領地を命懸けで守り抜くことが語源とされます。でもこれからは、「一所」に決めず、あちこちに首を突っこんでもいいのではないでしょうか。そのうちに「自分がやりたいこと」が見つかるかもしれないし、「やりたくないこと」が分かるかもしれない。ひょっとしたら、複数のことを同時にちょこちょこやるのが、自分の「好きなスタイル」だと気付くかもしれないのです。

 発言小町のトピはこちら↓
「転職するか悩んでいます。後悔しない、転職成功のコツは?」

白河桃子
白河桃子(しらかわ・とうこ)
少子化ジャーナリスト・作家

 少子化ジャーナリスト・作家。相模女子大学客員教授、昭和女子大学女性文化研究所客員研究員。内閣官房「働き方改革実現会議」「一億総活躍国民会議」の民間議員も務める。東京生まれ、慶応義塾大学卒。住友商事、リーマンブラザーズなどでの勤務を経てジャーナリストに。女性のキャリア、働き方改革などをテーマに発信している。「『婚活』時代」(山田昌弘共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)で「婚活ブーム」の火付け役となった。著書に「妊活バイブル」(講談社新書)「女子と就活」(中公新書ラクレ)「産むと働くの教科書」(齊藤英和共著、講談社)、「格付けしあう女たち」「専業主婦になりたい女たち」(ともにポプラ新書)など。「仕事、出産、結婚、学生のためのライフプラン講座」を大学等で行っている。

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