簡単、エコな「Tシャツヤーン」、SNS映えするおしゃれ編み物

小田さんが作ったバッグやチャーム

Tシャツの余り布からできた新顔素材

 Tシャツの製造過程で余った布から作った糸「Tシャツヤーン」が、手編みバッグなどの素材として注目されている。「ひも」と呼べるほど太く、編み目が大きく仕上がる。おしゃれなアイテムが手軽に作れると人気を集めている。

 Tシャツヤーンは、Tシャツやカットソーなどを作る際に出る余り布を、細長く裁断したもの。柔らかく伸縮性があるのが特徴で、1点ごとに色の濃淡などが微妙に異なる。「ヤーン」は英語で糸の意味。オランダの「フックドゥ ズパゲッティ」という製品が代表的で、オランダ人女性が廃棄される布を再利用しようと2008年に起業したのが始まりという。

広げると、布であることがわかる

  ユザワヤ銀座店(東京)では、店頭の最も目立つ場所にコーナーを設けている。「ズパゲッティ」(約120メートル、税抜き1600円)のほか、オリジナル商品の「クラフト・ティー」(約70メートル、同1200円)「フリージー」(約45メートル、同1000円)など計3種類のTシャツヤーンを扱っている。涼しげな青系やグレー系などの売れ行きが好調という。

Tシャツヤーンでバッグ作りに取り組む女性たち(東京都内で)

 東京都内の編み物教室を訪れると、女性たちが、幅1センチほどのカラフルな糸を、極太のかぎ針で編み進めていた。ひと編みが大きいため、みるみる形ができていく。
 子ども用のポシェットを編んでいた東京都内の会社員(38)は「初心者の自分でも4、5時間で完成する。達成感があり次を作りたくなる」と話す。
 講師で「ズパゲッティで編むおそろいのバッグ&小物」の著書もある小田晶子さんは「『こま編み』『引き抜き編み』など基本的な編み方を覚えれば誰でも作れる。糸自体に個性があるので、魅力的に仕上がる」と話す。
 日本ホビー協会(東京)などによると、Tシャツヤーンは13年頃から店頭に並び始め、インターネットの動画サイトやテレビ、雑誌で相次いで紹介され人気が広がった。今では、複数のメーカーがTシャツヤーンを販売し、関連本の出版も相次ぐ。3月に出版された「初心者でもすぐ編めるMartズパゲッティバッグBOOK」(光文社)は7万部売れたという。
 カラフルなTシャツヤーンで作った雑貨の写真を、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿する人も多い。担当編集者の小川学さんは「投稿が人気を呼び、副業に発展したり作家として活動したりする人もいます」と話す。日本ホビー協会事務局長の横山泉さんは「『簡単』『エコ』『おしゃれ』といった要素に引かれる人も多いのではないか」と分析している。(谷本陽子)