すき間時間の在宅ワーク、始める時の注意点は?

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 パソコンやインターネットを使い、個人で請け負った仕事に自宅で取り組む「在宅ワーク」が注目を集めている。利点や注意すべき点などをまとめた。 

非雇用型のテレワーク、行政側も支援

 在宅ワークのメリットは、家事や子育ての合間の時間など、自分の好きなタイミングで仕事をできること。オフィスから離れた場所で、ICT(情報通信技術)を活用して働くことを「テレワーク」と呼ぶが、会社員が自宅で仕事をする「雇用型」と、個人が仕事を受注して働く「非雇用型」に分類されている。在宅ワークは、非雇用型のテレワークにあたる。

 国や地方自治体も在宅ワーカーに対する支援に乗り出している。厚生労働省は在宅ワークが子育てなどと両立できる働き方だとして注目。支援サイト「ホームワーカーズウェブ」で、仕事の流れや注意点などをまとめたハンドブックや、セミナー情報などを提供している。
 埼玉県はさいたま市の女性キャリアセンターで無料相談を実施。キャリアカウンセラーらが隔週水曜日に事前予約制で相談に応じている。研修や発注者となる企業側との交流会も開催している。
 同県上尾市の主婦(25)は設計を学び、リフォーム会社や建築会社に勤務していた経験を生かし、在宅ワークで建築設計図のチェックなどの仕事をできないか、相談に訪れた。長男(1)の出産をきっかけに仕事を辞めたが、在宅ワークなら子育てや家事と両立できると考えた。「(復職まで)間が空くとスキルが下がる。少しでも家計の足しにもなれば」という。

法的保護が手薄、自ら交渉する必要あり

 在宅ワーカーは、個人として仕事を請け負ういわば「個人事業主」になる。このため会社員など雇われて働く人を守る法令が適用されにくい。
 例えば、企業などに直接、雇われて働く人に関しては、時給の最低ラインとなる最低賃金が地域ごとに決められている。パートやアルバイトなど非正規で働く人も対象だ。最低賃金を払わなければ、罰則を設けている最低賃金法に抵触することになる。
 個人事業主は原則的に労働者として扱われないため、法的な保護が手薄だ。在宅ワーカーは、自営業者と同様に、発注者側と報酬の額や支払時期などについて自ら交渉しなければならない。
 企業がネットを通じて仕事を発注する仕組みをクラウドソーシングと呼ぶ。連合が昨年12月に実施した調査では、こうした働き方をした人の半数以上がトラブルを経験していた。「報酬の支払い遅延」「報酬の不払い、過少払い」「仕事内容の一方的な変更」「作業開始前の一方的な仕事の取り消し」などのトラブルが目立った。

リスクに備えた保険も

 在宅ワークのリスクに備えたサービスも生まれつつある。
 一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」(東京都品川区)は今夏、個人で働く人が業務上のトラブルに備えるための保険制度をスタートさせる。情報漏えいや納期の遅れなどの問題が起きて、発注者から損害賠償を求められるケースなどを想定。大手損保と契約し、万一の場合に会員が保険給付を受けられるようにする。健康診断などの福利厚生サービスも組み合わせる考えだ。(中村剛)