プロカメラマンの出張撮影サービスが人気

 スマートフォンで自分の写真を撮る「自撮り」が増える中、カメラマンに好きな場所に来てもらって撮影する「出張撮影サービス」が人気となっている。自撮りやスタジオでの撮影に加え、家族や友人との自然な姿を思い出の1枚として残すのもいい。

 「アイドルみたい」

 「カメラの方を見なくていいので、いつも通りにしていてね」。3月中旬、横浜市の幼稚園で卒園式を終えたばかりの尾田栞夢りむちゃん(6)と母親の萌さん(32)にカメラマンの男性が声をかける。

 登り棒で遊ぶ姿や公園でくつろぐ様子を撮ってもらった栞夢ちゃんは「たくさん撮ってくれてアイドルみたい」とご機嫌だ。萌さんも「表情や景色の入れ方がまるで違う」と喜んでいた。

 2人が利用したのは出張撮影サービスの「fotowa(フォトワ)」。平日なら2万1384円(税込み)で60分撮影してもらえる。サイトには各カメラマンの作品が紹介されている。一律の料金で好きなカメラマンを選べるのが特徴だ。

 撮影した写真家の林直幸さん(31)は「好きな構図で撮れるのでやりがいがある」と話す。この日は300枚以上を撮影。写真のデータはサイトを通じて依頼者に渡す仕組みだ。

最高の構図で

 出張撮影サービスは、プロやセミプロのカメラマンに登録してもらい、撮影してもらいたい人とカメラマンをネット上で橋渡しするサービス。2015年頃に登場した。カメラの腕に覚えのある人の間でも、新たな収入源として注目されている。

 スマホでネット上に写真を投稿したり、プロの写真を見たりする機会が増えたことも人気の背景にある。「特別な場所や最高の構図で、自分たちも撮ってほしいという人が増えた」(運営会社)という。

 家族向けや結婚式向け、恋人同士向けなど様々なサービスが登場し、価格や受け取れる枚数などで利用者の選択肢も広がっている。

家族やカップルで

 「OurPhoto(アワーフォト)」は家族層が中心で「日常の何げない写真に力を入れている」(平野歩社長)。50分の撮影時間で30枚の写真データが受け取れる。価格はカメラマンごとに異なり、サイトにそれぞれの作品やプロフィルが詳細に紹介されているので、イメージに近い写真家を選びやすい。

 「Famarry(ファマリー)」はウェディング向けだ。ヘアメイクやレンタルドレス付きのプラン、チャペルでの撮影プランなど多彩なプランがあり、海外での撮影にも応じている。3万円程度からが中心だが、50万円のプランもある。4月中には家族向けの新サービス「emily(エミリィ)」も始める予定だ。

 「Lovegraph(ラブグラフ)」は「自然な笑顔や好きな人の前でしか見せない表情を形にしたい」(村田あつみ取締役)というカップルや若い家族連れ中心のサービス。希望すると撮影した写真をサイトで公開してくれるため、自分たちの思い出をサイトに残したり、別の利用者が写真のイメージをつかんだりできるのも人気だ。(佐俣勝敏)