ズボラでもスッキリ! 「収納王子」が片づけのコツ教えます

かしこく新生活

 春先は「片づけの季節」。部屋を片づけ、身の回りを整えて、新たな気持ちでスタートしたくなりませんか? でも、「忙しくて片づけの時間がない」「片づけが苦手」「片づけてもすぐ散らかる」という人も多いのでは。そこで、片づけが苦手な人でもすっきり片づけられる「コツ」を、テレビや雑誌でもおなじみの「収納王子コジマジック」(一般社団法人日本収納検定協会 代表理事)さんに聞きました。

一番使う場所から片づけて、効果を実感する

 散らかりすぎていて、どこから手を付けていいのかわからない……。そんな声がよく聞かれます。「片づけよう」と決心したら、どこから始めればいいのでしょう。

 「一番よく使う場所から始めましょう。頻繁に目にする場所が片づけば、効果が実感できるからです。例えば、お客さんが多い家ならリビング、料理好きならキッチン、着る物にこだわるならクローゼットといったようにです。

 天袋や納戸など、年に1、2回しか使わないところを片づけても、目にするのは年数回です。『ああ、片づけてよかった!』という満足感をちょっぴりしか味わえません。

収納王子コジマジックこと、小島弘章さん

 片づける場所を決めたら、取りかかるのは、引き出し1個から。キッチンなら調理台の下の引き出しがいいでしょう。
 毎日、開ける引き出しがスッキリしていたら、ほかの場所も片づけようかな……という気持ちになります。引き出し一つから、人生が変わるかもしれませんよ」

「片づけ=捨てる」ではない

 片づけ=物を捨てる。そう思っていませんか? コジマジックさんは、「捨てる」という考えを「捨てる」ことをオススメするそうです。片づけが苦手な人の多くは、捨てることが苦手なのだそう。だから、最初のハードルを“捨てること”にしたら、飛び越えられなくて挫折してしまいます。「何も捨てなくていいんだ」と思えば、肩の荷が下りて気が楽になるそうです。

 また、「収納する=使わない物をしまう」と思っている人も多いと、コジマジックさんは指摘します。

 「ほとんどの人が“いらない物”を収納スペースに押し込みます。そして、いつも使っている物が机の上や床にごちゃごちゃ置いてある。これ、おかしいですよね? 収納スペースは、いま使っている物をしまう場所です。使わない物を隠す場所ではありません。

 片づけが苦手な人ほど、天袋や押し入れに『使わない物』を隠す傾向にあります。そんなところに押し込んだら、物が増える一方で、ちっとも片付きません。片付かないから棚などを買って収納スペースを作る。そこも使わない物でいっぱいになる。収納スペースが多過ぎて片づかないという、本末転倒なことになりかねません」

 では、どうすればいいのでしょう。

片づけは「出す」「分ける」「しまう」の3ステップ

 コジマジック流片づけの極意は「出す→分ける→しまう」の3ステップ。この順番通りにやれば、誰にでも片づけられるそうです。例えば、ぎゅうぎゅうに服が詰まったクローゼットの場合。

「片づけの基本は『出す→分ける→しまう』の3ステップ」とコジマジックさん

<出す>……収納場所から服をすべて出しましょう。山のように積み上げてください。「こんなに持っていたんだ」と思うはず。収納しているときより、物の多さが実感できます。「同じ物がいっぱいある」とか「ここにあったんだ」とか、新たな発見もあるはずです。

<分ける>…片っ端から、「いま使っている服」と「使っていない服」に分けてください。このとき、「いる」「いらない」で分けないことが重要。頭の中で「いらない物=捨てる物」に変換されて、もったいないと思ってしまうからです。いつか使うかもと思ったら、「使っていない」に分けましょう。「いつか使うは、一生使わない」だと思ってください。

<しまう>…「いま使っている服」を収納スペースにしまいましょう。ほら、スッキリしたでしょう? あなたが必要な服は、それで十分なのです。

 「使っていない服は段ボールなどにまとめて、家の中で一番目につく場所に置いてください。例えば、玄関がいいでしょう。玄関を通るたびに段ボールを眺めていると、“いつか使うかもしれない物”は、だんだん“邪魔な物”になっていきます。

 そのときがチャンスです。邪魔になった使わない物を、手放す方法を考えましょう。遊びに来た友人に『使わないんだけど、欲しい物ない?』と聞いてみる。喜んでもらってくれたら、あなたもうれしいはず。フリーマーケットに出したり、ネットで譲ってもいい。ちょっと楽しいし、お金になったら得した気分になります。大切なのは“納得して手放すこと”です」

 コジマジックさんの経験では、最初に思い切って捨てた人は、「捨てなきゃよかった」と後悔するそうです。そして、同じ物を買いに行く人もいるといいます。物は納得して手放さないと、リバウンドを起こすそうです。

使う場所の近くに収納する

 「100均などに行くと、収納グッズがたくさんあります。『これ、便利そう』と思って、つい買い込んでしまう。いざ、使おうとしたら、何を収納するのかわからない。結局、使い道がなくて、しまい込む……。片づけが苦手な人ほど、なぜか収納グッズをたくさん持っています。買ったことで満足して、使いこなせていないからでしょう。しまいたい物ができてから、それに合う収納グッズを買いに行きましょう。収納グッズを買ってから、収納物を探すのは順番が逆です。

100均で安く、簡単に手に入る突っ張り棒やワイヤーネットを使った収納術。上・棚がなくても突っ張り棒とカゴを使えば、スッキリ収納。左下・げた箱の扉の内側にタオルかけを付け、スリッパを「隠す収納」。右下・ワイヤーネットを結束バンドで組み合わせ、S字フックにアクセサリーや小物をかけて、「見せる収納」

 収納グッズを収納スペースにしまい込む。収納本が床に積み上げてある。そんな、本末転倒な家をたくさん見てきました。収納グッズはシンプルに。そして、物は使う場所に収納すること。リビングで使う物をウォークインクローゼットにしまっては、効率が悪い。例えば、マスクなら玄関の靴箱の上に置いておく。出かけるときに、さっと持っていけるからです。ライフスタイルに合わせて、収納グッズや置き場所を工夫するのも、片づけ上手になるための一歩です」

「片づけなさい!」と叱ると、子どもは片づけ嫌いになる

 コジマジックさんは、子どもが片づけ上手になる“収育”に取り組んでいます。子どもに片づけをどう教えていけばいいのか、アドバイスをもらいました。

 「子どもが『片づけ嫌い』になるのは、お母さんが『片づけなさい!』と怒るからです。子どもの中で『片づけ=お母さんが怒る』に変換されてしまい、ネガティブな記憶が残ります。お母さんが怒るから片づける――では、片づけ上手にはなりません。また、オモチャが散らかっているとイライラして、『片づけないなら、オモチャを捨てるよ!』と言ってしまうお母さんも多いのでは。お母さんが、『片づける』ことは『捨てる』ことだと子どもに刷り込んでいるのです。

 子どもには、怒ったり脅したりしないで、片づけの楽しさを教えましょう。例えば、カゴを二つ用意して、お母さんと子どもが、それぞれのカゴにオモチャを入れていきます。よーいドンで競争すれば、子どもはゲーム感覚になります。○○ちゃん、早いねえ、ママはかなわないよ……。そうほめてあげてください。次からは一生懸命オモチャを片づけてくれます。

 オモチャを整理したいと思っても、『捨てる』とか『誰かにあげる』と言うと、子どもは嫌がります。もう遊ばなくなったオモチャでも、急に惜しくなるのです。そんなときは、『好きなオモチャ、ベスト5を教えて』と子どもに聞いてみましょう。子どもは一生懸命考えて、好きな物を五つ教えてくれます。『じゃあ、ほかのオモチャは分けておこうね。イトコの○○ちゃんに使ってもらおうか?』とほかの使い道を提案してもいいでしょう。大人と同じで、子どもも納得すれば手放してくれます。

 いらない物じゃなくて、好きな物を選ばせる。これってポジティブでしょう? 片づけは家の中が整理整頓されて、きれいになる。きれいになれば、気持ちよく暮らせる。本来、ポジティブなことなんです。それを、子どもと一緒に大人も学んでいくのが、“収育”だと考えています」

 部屋が片づくと毎日の掃除もラクになり、スッキリした生活が送れるようになります。暮らしが整えば、心に余裕も生まれます。使いやすくなった台所で少し凝った料理を作ってみたり、きれいな部屋に花を飾ってティータイムを楽しんだり、ゆとりある生活が手に入るかもしれません。

(写真提供/ケイスタイル株式会社)

収納王子コジマジック
収納王子コジマジック(小島弘章 こじま・ひろあき)
一般社団法人日本収納検定協会 代表理事

 1972年、岡山県生まれ。片づけ・収納・住まいに関するプロが集まって今年設立した一般社団法人「日本片づけ整理収納協議会(JCO)」代表理事。松竹芸能で25年の芸歴を積んだ、男性ライフスタイル系タレントのパイオニア的存在。収納に“笑い”を取り入れたセミナーが話題となり、年間講演依頼数は200本以上、著書・監修本は累計35万部超。“収育”を理念として掲げる日本収納検定協会も設立し、お片づけを楽しむ「収納検定」をスタートさせる。

日本収納検定協会

 収育の心得を説いた、収納王子コジマジック監修「収育ガイドブック」。子どもの年代を8段階に分けて収育方法(親がすること・子どもがすること)を紹介。

一般社団法人日本収納検定協会発行(800円・税抜き)。