家計を節約、断然お得な「○○放題」サービス活用術

かしこく新生活

 「スイーツを食べ放題」「動画が見放題」といった「放題」サービスが人気を呼んでいます。こうしたサービスを活用して家計を節約するノウハウについて、消費生活アドバイザーの和田由貴さんに聞きました。

「放題」のはしりは「バイキング」

 今、世の中では「○○放題」のサービスが盛んです。おなじみの「食べ放題」をはじめ、定額で音楽が聴き放題、動画やマンガが見放題、電話がかけ放題など様々あり、こうしたサービスを利用する人が増えてきています。

 ちなみに「○○放題」のはしりは、食べ放題の代名詞「バイキング」だと言われています。今から60年ほど前、帝国ホテル(東京)が日本で初めてビュッフェ形式のレストランをオープンさせました。これは、好きな料理を選んで好きなだけ食べるという北欧デンマークの伝統スタイルを参考にしたものだそうです。開業当時、「バイキング」という海賊映画が巷の話題になっていて、海賊の豪快なイメージとピッタリという理由で店名を「インペリアルバイキング」とし、以来、「バイキング」は「食べ放題」のお店を指す言葉として日本国内に広がったのだとか。

クルマの乗り換え、カフェ利用の「放題」も

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 最近では、ちょっとユニークな「○○放題」も登場しています。

 まずは「クルマの乗り換え放題」。中古車販売のIDOM(旧ガリバーインターナショナル)が実施している「NOREL(ノレル)」では、毎月定額料金(1万9800円から)を支払えば、軽自動車からSUV(スポーツ用多目的車)まで好きな車種のクルマを選んで乗れるサービスです。

 クルマの種類にもよりますが、最短で90日間乗れば次の車に乗り換えられる仕組みで、子どもの夏休みにはSUVでキャンプに行き、その次は高級スポーツカーに乗ってみるといったように、シーンに合わせてクルマを乗り換えられるのです。クルマを維持するには、税金や自動車保険料、車検費用など、ランニングコストが意外にかかるもの。しかし、このサービスの会員になれば、こうしたコストはかからず、駐車場代やガソリン代だけなのでお得といえます。

 最近、店舗数が増えているのが「カフェの使い放題」。会員制カフェの「ゼロcafé」は、月額3980円を払えば、コーヒーが飲み放題、電源やWi-Fiも使い放題です。「カフェに入ってインターネットを使おうと思ったのに、ネット環境のない店に入ってしまった」といったことがなく、頻繁にカフェを利用する人にはお得なサービスです。

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 また、「定額制コンタクトレンズ」サービスも注目です。メニコンの「メルスプラン」など、メーカーや販売業者などがサービスを提供しています。コンタクトレンズを使っているうちに汚れや傷が付いたり、紛失したりすることがよくあります。このサービスを利用すれば、そのようなトラブルの時にはいつでも新しいレンズと交換できるうえ、レンズの度数や種類を変更する場合にも追加料金なしで交換することができます。

12万作品の中から映画やドラマが見放題

 次に、「○○放題」サービスでどれぐらい家計を節約できるのか、具体例で説明しましょう。

 映画やテレビドラマが好きな人なら、レンタルDVDショップで作品を借りることが多いのではないでしょうか。例えば、毎週末にDVDを2本、月に計8枚のDVDを借りるとします。レンタル料金を1枚300円とすれば、月に2400円かかることになります。

 一方、最近増えているのが映像配信サービスの「見放題」。例えば、NTTドコモの「dTV」の場合、月額500円で映画やドラマなど12万作品をいくつでも見ることができます。今年1月に登場した海外ドラマやアニメ、エンタメなどの有料専門放送「dTVチャンネル」と合わせて契約することもでき(月額980円。ドコモ以外のキャリア利用者は1480円)、ドコモユーザーならDVDレンタルと比べて月に約1400円の節約になり、加えてリアルタイム配信の「dTVチャンネル」の番組も楽しめることになります。

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 コストパフォーマンスの良い「放題」サービスは他にもあります。

 ファッションレンタルとも呼ばれる「洋服借り放題」サービスは、数千円の月額料金で洋服を借りられます。回数に制限がなく何度でも借りられたり、気に入ったら長く借りることもできます。もし、ちょっとした春物の洋服を5着も買えば、3万~4万円はかかるでしょうから、洋服代を大幅に節約できることになります。借りた服が気に入らなければ返却すればいいし、気に入った場合は割引価格で購入することも可能です。「洋服借り放題」サービスはいろんな業者が参入しているので、自分の年齢や好みに合ったサービスを探してみることをお勧めします。

「青春18きっぷ」で2万円得するケースも

 「宅配クリーニングの詰め放題」もコスパの良いサービスの一つです。50リットル入り程度の袋に衣服を詰めて業者に発送すると、クリーニングされて戻ってきます。料金は6000円程度が相場。ダウンコートなどはクリーニング料金が2000円以上かかるものが多いので、冬物の衣服をまとめてクリーニング店に持っていくよりも、詰め放題サービスを利用した方がお得なはずです。

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 「放題」サービスの“定番”とも言える「青春18きっぷ」もコスパに優れています。5枚つづり(1万1850円)で、1枚(2370円)でJR全線の普通・快速列車に「1日乗り放題」できます。東京駅を起点とした場合、小田原(神奈川)、大月(山梨)、高崎(群馬)、木更津(千葉)辺りまで往復すれば、通常運賃よりも割安になります。ある「乗り鉄」マニアは、東京から小倉(福岡)まで「青春18きっぷ」1枚で行くことができたそうです。東京-小倉間の新幹線普通車指定席の料金は2万2310円ですから、「青春18きっぷ」の方が約2万円、お得ということになります。

 日帰り旅行などで利用する場合、「5枚つづりは不要」という人もいると思います。そんな時には、金券ショップで未使用分のきっぷを買うか、5枚つづりで買い、未使用分を金券ショップで売るのがいいでしょう。

利用しなければ会費のムダに

 このように「○○放題」をうまく活用すれば、家計を節約することができます。一方で、節約に役立たないケースもあります。

 例えば、「スポーツクラブの通い放題」や「英会話レッスンの受け放題」サービスに入会したのに、全然行かなくなってしまったら、会費のムダになります。自分のライフスタイルに合ったサービスを選び、使ってみて良かったら積極的に生活に取り入れること。それが節約につながるのです。

和田由貴展さん
和田 由貴(わだ・ゆうき)
消費生活アドバイザー

 消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザー。日本女子大学家政学部卒。幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。著書に「和田由貴のシンプル節約術」(あさ出版)、「年間50万円は貯まる チリ積も節約術」(青春出版社)、「暮らしを見直す 夏の節電対策」(NHK出版)、「快適エコのライフスタイル 冬の省エネ生活」(同)ほか。