働く女性の“温活”、カラダを冷やす三つのNG行動

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 日を追うごとに寒さが増し、冷え症に悩む女性にはつらい季節です。「やせる、不調が消える 読む 冷えとり」(主婦の友社)など、カラダを温める“温活”に関する著書を出版し、東洋医学にも詳しい内科医の石原新菜さん(イシハラクリニック副院長)に、冷えがもたらす影響や、カラダを上手に温めるコツについて聞きました。

冷え症って病気なの?

――そもそも「冷え症」とは病気なのですか?

 「冷え症」と「冷え性」がありますが、冷え性だと単に「冷えるタイプ」ということ。冷え症は冷えによって困っている症状がいろいろあるということですね。冷え症は女性に多く、冷えから来る肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、生理痛、生理不順などのほか、膀胱ぼうこう炎になりやすい、むくみやすいといった症状があります。でも、病院で検査をしても別に異常がないんですよね。それを東洋医学では「未病」といいます。「未病」は病気の一歩手前の状態。それを放っておくと、「軽病」「重病」と進んでしまいます。

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ショウガって冷え症にいいの?

――よく、カラダを温めるにはショウガがいいと聞きます。

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 ショウガは漢方薬の約75%に使われています。胃が不調だったら、西洋医学では薬で胃酸をブロックするなどの治療法がありますが、東洋医学だと、カラダを温めて血流を改善し、胃の働きを元に戻します。生のショウガに多く含まれる辛味成分「ジンゲロール」は、手足などカラダの末端を温める効果があるといわれていますが、加熱すると、「ショウガオール」に変化し、カラダの内部から温めるといわれています。すり下ろした生のショウガを紅茶に入れてもいいですし、鍋や麺類、みそ汁に入れて、カラダの中から温めるのがオススメです。ランチにお弁当を食べる方は、コンビニでインスタントのみそ汁でも、スープでもいいので、ショウガをプラスして飲んでみてください。みそには免疫力もアップさせる効果があるといわれていますし、カラダを温めるので、女性には本当にいいです。

「頭寒足熱」ファッションで下半身を温める

――外側から内臓を温めるには?

 機能性下着もいいですが、私は一年中、腹巻きを欠かしません。今日は特に寒いので、腹巻きに使い捨てカイロを貼っています。

――手足が冷たい「末端冷え症」はどうしたらいいですか?

 冷え症には大きく分けて「末端冷え症」、下半身が冷えるけど顔がのぼせる「下半身型冷え症」、それに「内蔵型冷え症」の3種類があります。「末端冷え症」は、内臓が冷えないように熱をカラダの中心に保とうとして、手足から熱を発散するため、手足の血行が悪くなるのです。その場合は、手袋、靴下、レッグウォーマーで温めます。30代から40代に多い「下半身型冷え症」は、腹巻きにレギンス、オフィスではひざ掛けをします。東洋医学では「頭寒足熱ずかんそくねつ」といって、とにかく下半身をしっかり温めます。デスクワークなら見えないように湯たんぽを置くのもいいですね。上半身はのぼせないようにカーディガンなど着脱しやすい上着を羽織って調節するのがベストです。

 さらに、「内蔵型冷え症」の人は、自分で体温を上げられなくて、34~35度台になってしまいます。年齢を重ねるにつれて症状が進みますが、中には10代でも「内蔵型冷え症」になる方もいます。

――カラダを温めるポイントは?

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 首、手首、足首と「首」がつく部位を温めます。「首」がつくところは、脂肪や筋肉がつきにくく、特に手首は表面に血管が見えてきていますし、熱が逃げやすいんです。だから「三首」を温めるといいです。首はストール、ネックウォーマー、タートルネック、足首はレッグウォーマーで温めます。

――手首はどうやって温めるといいですか?

 リストウォーマーというものがあります。あと、スポーツで使うリストバンドとか長めの手袋でも構いません。夏場に冷房が利いたオフィスでデスクワークをしていると、寒さで手がしびれるという人もいるのでは? そういったときにもいいですね。

カラダを冷やす三つのNG行動

――逆にやってはいけないことはありますか?

 白湯、グリーンスムージー、半身浴です。

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――どれも、多くのモデルさんや女優さんが美容のためにやっていますよね?

 美容のためならいいのですが、白湯は冷めるとただの水になってしまうので、一瞬は温まりますが、カラダの中までは温まりません。もし、白湯を飲むときには、ショウガやシナモンをプラスして「スパイス白湯」を飲みます。シナモンも「桂皮けいひ」といって、血行を改善する漢方薬のひとつなんです。唐辛子もいいですね。

 また、冷え症の人が38度ぐらいのお湯で半身浴をすると、逆にカラダを冷やしてしまいます。カラダの中まで温めたいのであれば、全然ダメ! もし半身浴をするのであれば、40度ぐらいのお湯に10分から15分間、漬かります。顔にうっすら汗をかくぐらいの温度が良いでしょう。

 それから、グリーンスムージーが若い女性の間ではやっていますが、スムージーに入っている葉物野菜は夏野菜中心です。栄養的にはいいのかもしれませんが、温活的には、カラダを冷やすのでNG。しかも、氷も入っているし最悪です。逆に、土の中で育つ根菜はカラダを温めるといわれています。東洋医学では、暑い土地が原産で、カラダを冷やす食べ物を「陰性食品」、寒い土地で生まれ、カラダを温める食べ物を「陽性食品」と呼んでいます。パイナップルやキウイ、バナナジュースといった南国原産のフルーツのジュースよりも、リンゴやニンジンのジュースがオススメです。

 飲み物は、コーヒーや緑茶よりも、茶葉を発酵させて作られている紅茶や、ココアがオススメ。ココアのカカオポリフェノールも、カラダを温める効果があるといわれて、ホットでもアイスでもOKです。もし、コーヒーを飲むなら、シナモンをプラスしましょう。シナモンパウダーが置いてあるコーヒーショップがありますよね?

自分で熱を作るには?

――女性は特に体温が低く、基礎代謝が悪い人が多いのですが、どうしたらいいですか?

 男性より女性に冷え症が多いのは、筋肉量の差なんです。体温の4割が筋肉から作られるといわれています。外から温めるのも重要ですが、基礎代謝をアップして、自分から熱を作ること。基礎代謝をアップするには、筋肉をつけて“発熱ボディー”を作ることです。

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――運動をしても、なかなか筋肉がつきにくいのですが。

 大きな筋肉は、お尻や太ももなど下半身に集まっているので、1日30回スクワットをしたり、つま先立ちをしてから、かかとを床に下ろして、ふくらはぎの筋肉を動かしたりする運動をしましょう。ジムに行かなくてもいいし、時間もあまりかかりません。血流改善になり効果的です。「筋肉量=代謝=体温」ですから。スクワットは1回2秒かける30回ですから、たった1分ですよ。

――冷えから寝つきが悪いのですが。

 湯たんぽもいいですが、寝る前の足浴(足湯)も効果的です。人間は体温が下がりかけたときに、寝付きやすくなります。足浴で深部体温を0.5度上げると、1時間半ぐらいで元の体温に戻ります。寝る時間を逆算して足を温めるといいですね。

――血流と代謝は大事ですね。

 生理不順や不妊など、血流が滞るために起こる症状があります。健康もダイエットも美容も血流が大事です。温活では、腹巻きなどの「頭寒足熱」ファッションと、ショウガやみそ汁の摂取、下半身の筋肉量アップを心がけてください。

石原新菜(いしはら・にいな)
内科医

 1980年、長崎県生まれ。内科医。イシハラクリニック副院長。東洋医学、漢方薬を中心に治療。健康ソムリエ講師。著書に「体は冷えるから太る」(青萠堂)「やせる、不調が消える 読む 冷えとり」( 主婦の友社)など。
ママと大人女子のための温活相談、「Dr.石原ニーナの温めサロン」をやってます!

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