時短でもきれいに 朝の化粧で自分と向き合う

吉川康雄さんにつや肌メイクを習う

  ニューヨークを拠点にするメイクアップアーティストの吉川康雄さん。雑誌の表紙撮影などでさまざまなセレブを担当し、化粧品「CHICCA(キッカ)」のブランドクリエイターでもあります。来日した吉川さんに、朝の忙しい時間の中でもできる働く女性の化粧のコツを聞きました。

数々のセレブの化粧を担当してきた吉川康雄さん

ベースメイクの土台があれば、時短でもきれい

  時間がない朝なのに、鏡に映る顔に前夜の疲れが残ってる!そんな時は焦りますよね。 そんな時には、まずベースメイクでカバーしましょう。

 吉川さんによると、ベースメイクのトレンドは、「粉をはたいてマットに作りこむ」肌から、「れたようにいきいきとつやめく」肌へ変わったそう。「作りこんで乾いた肌は、女性を疲れて見せる。全体的にほどよく皮脂があって濡れたような肌が、働く女性を輝かせます」と吉川さん。

 素肌は美しいのが理想ですが、数多くのモデルや女優を担当してきた吉川さんは「どんな人にもトラブルや欠点がある。それをうまく隠して素肌そっくりにいきいきと透明感のある肌に仕上げるんです」と話します。

 本来の肌色を探して。理想と現実は違う

  肌美人への第一歩は「色合わせ」。日本の女性は、本来の肌色とは違う色のファンデーションをつけている人が多いとか。「人は自分がなりたい肌の色を選ぶ癖があると意識して、お店の人などに見てもらった方がいいかもしれませんね」。顔ではなく、首や胸元の色や質感に色を合わせるのが基本です。

 

ファンデーションの色合わせは胸元やのどで

 ファンデーションが決まったら、次は塗り方。吉川さんはスポンジを使います。スポンジの表面にファンデーションをしっかりつけて、ポンポンと顔の上で軽く弾ませます。「肌全体に軽く色をのせる感じ。ファンデーションを肌の上で伸ばしたり、ごしごし押し付けたりするのはNG」。肌に当たるか当たらないかというほどの、弱い力加減で十分です。

ファンデーションを含ませたスポンジは、軽く弾ませるようなタッチで押しつけない

 チークは必須 ほんわりと上気した肌に

  「チークはかわいく見せるためのものではなく、体温の温かみを加えて、肌に命を与えるもの」と吉川さん。ファンデーションだけだと色味が足りず、「死んだような肌」に見えてしまうとか。

ここから下にチークをのせます

  目の下からほうれい線の下あたりまで、チークを広い範囲にうっすらとムラなくつけるのが吉川流。目指すは「上気したようにほわっと赤く」。ほお紅と思わず、ファンデーション感覚で足していくと、顔色が明るくなって見えます。

自分と向き合った人だけが美しくなれる

 「化粧次第で、人はきれいにも、ブスにもなれる。自分がどうなりたいのかを考えないと美しくなれません」と吉川さん。大事なのは、自分の顔の形や肌の色、なりたい姿と向き合って、楽しんで挑戦する心を持つことだそう。

 「ピンクの口紅は似合わない、などと決め付けている人が多いけれど、ブランドによって発色も違えば、自分の唇の色と合わせたときの見え方も違う。昔のイメージにとらわれず、今の自分らしい美しさを自分のために探すつもりで挑戦して」

化粧をする前(左)と後(右)。艶やかな肌が輝く顔を作ります

  忙しく働く女性に多いのが、化粧を覚えたてのころの化粧法を引きずっていること。肌の柔らかさも流行も10代のころとは違うのに、アップデートされていないことも多いと指摘します。「生まれ持ったものを大切に、自分らしい美しさをどう見せるのか。きれいになることは自分を見つめること」と話す吉川さん。

 毎朝の化粧は、日々新たな自分と向き合う時間。そう思えば、化粧がもっと楽しくなるかもしれません。

 

吉川康雄(よしかわ・やすお)
メイクアップアーティスト

 1959年、新潟県生まれ。NYを拠点にVOGUEなどファッション雑誌の表紙をはじめ、ヒラリー・クリントンやカトリーヌ・ドヌーブら有名セレブのメイクを担当。2008年から「CHICCA」のブランドクリエイターを務める。著書に「生まれつき美人に見せる」(ダイヤモンド社)や「褒められて嬉しくなる キレイの引き出し方」(宝島社)