朝食より出勤時間ギリギリまで寝ていたい!そんな気持ちになりがちですが、朝食には体を活動モードにする役割もあります。
女子栄養大教授の蒲池桂子さんは、時間栄養学の観点から、朝食で体内時計を調節することを薦めています。同じカロリーの食事をしても朝と夜では、体内での吸収や利用効率が違うなど、体内時計と栄養との関係を調べるのが時間栄養学。「朝食を抜く人も多いのですが、時計遺伝子は内臓にもあり、食べることで時計がリセットしやすくなる」と蒲池さん。「夜間に絶食して、飢餓状態から最初に食べる朝食に体内時計は大きな影響を受けます」と話します。
そんな朝食で不足がちなのが「たんぱく質」。筋肉を作るたんぱく質を朝にとることで、代謝も上がることが期待できます。例えば、グリーンスムージーに牛乳や豆乳などを加えるだけで、タンパク質を補えるそう。和食なら、納豆かけご飯にしたり、卵料理を加えたりしても。起きてから2時間以内に食べた方が効果的だそうです。
たんぱく質は、体重1kgあたり1~1.2gを1日にとるのが基本。つまり体重50kgの人なら50g。卵1個(約55g)あたりにたんぱく質は6g前後、納豆1パック(約40g)あたり6.6g前後、ヨーグルトや牛乳には100gあたり3.2g前後が含まれているので、それを目安に。でも、「正確な量をはかるというより、意識してたんぱく質をとることを心がける程度でかまわない」とアドバイスしています。
自分の体内時計が合っているかどうかの目安として、蒲池さんは、
◆めざまし時計がないと起きられない
◆一定の時間にきちんとお腹がすかない
◆夜にぐっすり眠れない
◆下腹部が太めになり、運動をしても痩せない
というサインをあげます。
女性の場合、下腹部が太くなるのには、運動不足や女性ホルモンの乱れが影響することもありますが、夕食をとる時間が遅い「夜型生活」が体形に悪影響を与えていることもあります。朝すっきり起きられないなら「生活を見直して」と体がシグナルを発しているのかもしれませんね。