あなたのお財布は、レシートや小銭、カード類などでパンパンに膨れ上がっていませんか? 財布は、一番身近なお金の出入り口。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは「お財布を見ると、あなたがお金をためられない理由がわかります」と話します。では、お金がためられるお財布って? 整理術を習ってきました。
たまらない財布3パターン、あなたはどれ?
山口さんは、株主優待で暮らすお金持ちから働く女性まで、さまざまな人のお財布を見てきました。その経験から、お金がたまらないお財布のパターンがあると指摘します。

①レシートとお札が重なった「ミルフィーユ財布」
買い物するたびにレシートがたまっていくのは自然なことですが、そのレシートをお財布に入れっぱなしにしていませんか。レシートをよく見ずに、お釣りと一緒にぐちゃっと押し込む。山口さんによると、お金に無頓着な人やお金と“向き合いたくない”人は、だいたい「ミルフィーユ財布」なのだそうです。
まずは、レシートをお財布から出しましょう。「ただ、すぐに捨てるのではなく、捨てる前に一度レシートを見ることが大事」と山口さん。自分が購入したものと金額を再確認することで、「本当に必要な出費だったのか」を考えるきっかけになり、浪費癖を直すことにもつながると勧めます。
②さまざまなカードがぎっちり詰まった「カードホルダー財布」
クレジットカードやスタンプカード、ポイントカード……何枚入っているでしょうか。レジの前でスタンプカードが見つからず、お財布の中を必死に探していませんか。
「スタンプカードやポイントカードを持つことは、そのお店とちぎりを結ぶこと。たとえ他の店の方が安くても、ポイントが付くからとお店に足を運んで、つい、いらないものまで買ってしまう。トータルで考えたら損をしている可能性もあるのです」
不要なクレジットカードは、会費分がムダになることも。「普段使うカードを決め、それ以外は“お留守番”カードとして家に置いておく方がいいと思います。お財布はカードホルダーではないのですから」と提案します。
③衝動買いを誘う「多額の現金入り財布」
「お財布に入れる現金は最低限でいいのではないか」と山口さんはキッパリ言います。あまり多額の現金を入れておくと、衝動的に買い物をしようとした時に、心のストッパーが働かないかもしれないからです。
「金額は人それぞれだと思います。まずは1か月で銀行口座から引き出すトータルの金額と回数を決めることがポイントです。その金額でやりくりをしましょう。1か月いくら引き出すのか決めていなかったり、現金がお財布からなくなった都度、口座から下ろしたりすると、お金はたまりません」と指摘します。
財布を見直すと、お金の使い方が見えてくる
山口さんによると、お財布の整理は「やらなければいけないことだとは分かっていて、一番身近にできることですが、実は見落としがち」。
お金をためるというと、保険や住宅ローンの見直しなど“大きな”ものから取り組もうとしがちです。しかし、「時間がかかるだけでなく、手間や気力も使うので、なかなかハードルが高い。けれど、お財布の見直しは5分でできます。やることによって、使っていない銀行口座を解約した方がいいとか、昔作ったクレジットカードを今の自分の生活に合わせたものに変えた方がいいとか、いろいろ思いつくことがあります」と山口さん。

このように整理をすると、大きいお財布をわざわざ持たなくてもよくなる、とのことで、山口さん自身のお財布は手のひらに乗るサイズです。
自分の“お金習慣”を決めて、身に付けていかないと、お金はたまらないと山口さんは断言します。「自分で感じないと、習慣は変わらないものです。そしてお財布を整理し、見直すことがその習慣を決める最短の近道になります」と山口さん。
まずは自分のお財布を見て、お金習慣を振り返ってみてはいかがでしょうか。
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