睡眠時間の男女格差、日本の女は眠れない(上)

 9月3日は「睡眠の日」。「ぐっすり」に引っ掛けたゴロ合わせだそうです。夏の疲れが出やすい時期、ぐっすりと質の良い眠りのために知っておきたいことを医療専門記者が掘り下げます。

 28か国で男女比較、もっとも差が大きいのは……

 日本の女性、特に働いている女性は、主要国でもっとも睡眠時間が短いようです。下の図に示したのは、睡眠時間の男女差。「0」から右に棒が伸びているのが、男性に比べて女性の睡眠時間が長い国、左側に伸びているのが女性の方が短い国です。

 主要国のほとんどは女性の方がよく眠っていて、特に北欧では女性が眠りやすい環境があるようです。この28か国で女性の睡眠時間が短いのは、日本、メキシコ、韓国、インドだけ。とりわけ日本の働く女性の短さが際立ちます。この結果、みなさんはどう思いますか?

図=睡眠時間の男女差(OECDと総務省データから三島和夫さんが作成) (イラスト・小牧真子)

家庭内の共同参画が睡眠時間に影響? 

 男女共同参画社会基本法などで女性が働きやすい社会を作ろうと国は旗を振っていますが、家庭内での「男女共同参画」となるとどうでしょうか。女性が早く起きて朝食を準備し子どもを保育園に送り、夜は子どもを寝かしつけ、片付けを済ませてから寝るということになっていませんか。女性の睡眠時間が短い国を見ると、男女の役割分担に偏りがあると考えた方がいいかもしれません。

 必要な睡眠時間、男女差なし

 男女で生理的に必要な睡眠時間に違いはあるのでしょうか。睡眠学が専門の国立精神神経研究センターの精神生理部長、三島和夫さんは「必要な睡眠時間には個人差があり、9時間以上必要な人から6時間程度で問題がない人もいます。しかし、睡眠学の観点からは必要な睡眠時間に男女差を示す根拠はありません」と言います。女性の方が男性よりも長く眠っている国の方が多いのは、社会的な関係が理由のようです。

 

国立精神神経研究センターの精神生理部長、三島和夫さん

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