バラをアイスで食べる「エディブルフラワー」の魅力

花のある暮らし

 食べられる花「エディブルフラワー」を使った料理やお菓子が増えてきました。エディブルフラワーは、“インスタ映え”する彩りを皿に添えるだけでなく、実は香りや風味にも魅力があるのだそう。エディブルフラワーを扱う専門サイト「EDIBLE GARDEN(エディブルガーデン)」で食用花の世界について聞きました。

飛び抜けて香り成分が強いバラ

 昨年スタートしたエディブルガーデンでは、無農薬のバラなど10種類以上の食用花を扱っています。業務用が中心ですが、個人でも購入することができます。

 サイトを開設した小澤亮さん(32)は、IT業界から転身し、自分が応援したい食品を探して、全国の生産者約200人に会ったと言います。その中でも心に響いたのが食用花。神奈川県でバラを自然栽培している横田敬一さん(52)と出会って、「農薬や肥料を使わずに栽培するため、1日に300匹のテントウムシを捕まえてアブラムシを撃退すると聞きました。そこまでする手間と情熱がすごい」と感激したそうです。

 さらに、横田さんのバラを島根大学で分析してもらったところ、香りの成分が通常のバラより3000倍以上もあったという驚きの結果も出て、このバラをもっと広く伝えたいと思ったそうです。「エディブルフラワーというと、彩りを加えるパセリのような役割のものと思っている人も多いのですが、実は食材としての魅力もある」と小澤さんは話します。

バラの香りを食べるアイス

 サイトでは、横田さんの「YOKOTA ROSE」を始め、NPO法人「歩実」(茨城県筑西市)の障害者福祉多機能型事業所で栽培している最高級の食用花「AYUMI」などを販売しています。東京都港区のフレンチレストラン「TIRPSE(ティルプス)」のシェフ、田村浩二さんと連携し、今年からはバラを使ったアイスクリーム「FRAGLACE(フレグラス)」(6カップ5400円税込み)の販売も始めました。

 田村さんによると、食用花には香りや栄養分が凝縮されていて、「調理や使い方次第でもっとおいしく食べられる」とか。

 そこで、「FRAGLACE」では、バラの花とココナツなどで作った甘さ控えめのアイスクリームの上に、バラの香りと味わいを濃縮したジャム「コンフィチュール」をかける食べ方を提案しています。食べると、バラの香りがふわりと口に広がり、甘さの中にかすかなほろ苦さのある風味が、まるでバラの花そのものを食べているよう。シャンパンなどお酒と一緒に楽しんでもロマンチックな気持ちになれそう。

 田村さんは「食用花の本当の価値を生かし、もっと日常的に花を食べるという文化が広まっていけばいい」。華やかな香りと味を楽しむ新しい花の食べ方を提案しています。