花を美しく飾るスタイリングを習う

花のある暮らし

 テーブルや洗面台などにさりげなく花を飾ってある家に憧れます。でも、この「さりげなく」が難しい。自分で飾ると、今ひとつステキに見えない……。自宅に花を飾る時の技をフラワースクール「hana-kichi」(東京・南青山)で習ってきました。 

バラを一輪、ステキにいける

 「hana-kichi」は、日常遣いの花を提案している生花店「青山フラワーマーケット」のフラワースクール。季節の花や植物がふんだんに飾られ、すがすがしい香りもします。

 講師の松葉麻由さんに、初心者でも飾りやすい花を尋ねると、「まずは、バラの一輪ざしはどうでしょう。葉の形や茎の姿も美しいので、それだけで、さまになります」。

バラの葉や茎の表情をきりりといかした一輪挿し

 花を選ぶ時に、つい花の「顔」だけを見がちですが、葉のつき加減や茎の曲がり具合など、少し引いて「全体のバランス」を見るのがコツだそう。茎がピンと直立して、まっすぐなものより、やや曲がってしなやかな風情のある方が「おしゃれに見えます」。

 家にステキな花瓶がなくても、かわいいデザインの空き瓶や、ペットボトルなどでも代用できます。「口径が狭いものの方が初心者でもいけやすいですよ」と松葉さん。花瓶を買うなら、透明なガラスや緑色のものがどんな花にも合いやすいのでおすすめです。 

飲料水やジャムの空き瓶なども使えます

長さの基本は花瓶の高さで

 いざ、花を生ける時に迷うのが、茎の長さ。長すぎると間延びするし、短いとなんだか寸足らずな感じに……。「基本は花瓶の高さ1に対して、花瓶から出ている部分が1.2か0.8。花瓶の高さを倍にして、それより、ちょっとだけ高いか低いかと覚えておきます」。花が大きく、顔にボリュームがある場合は0.8以下に。

 お店で買った花には、茎の断面に水持ちを良くするゼリー状の保水剤がついている場合があるので、軽く水で洗い流してから切ります。茎の断面を斜めに切ると、吸水面が広くなります。茎の表皮の内側には水を吸い上げる「導管」があり、キレ味の鈍ったハサミで切ると導管をグニャッとつぶしてしまいます。だから、よく切れるハサミかナイフで切るのが大事。ハサミの刃先で切るとつぶしてしまうので、刃の真ん中より奧でスパッと。花持ちに影響します。

ブーケの色あわせ、緑をいれると自然に

 「青山フラワーマーケット」には、コップなど小さな器に飾る「グラスブーケ」や、台所に飾る「キッチンブーケ」、食卓に飾る「ダイニングブーケ」など、暮らしのシーンにあわせた様々な大きさのブーケが用意されています。

 「ブーケは、旬の花とグリーンを合わせて、そのまま飾っていただけるように作っています」と松葉さん。葉の緑を入れると、花が引き立ち、おしゃれで自然な感じに。花同士が「けんかしないよう」、顔の大きな花の間に小花を配するなど工夫もされているとか。

 食卓に飾るなら「料理の香りを邪魔せず、花粉やお花が落ちないものを。赤やオレンジなどビタミンカラーを選べば食欲も増します」。反対に寝室には「眠りを誘う好みの香りの花」を、人を迎える玄関には「季節や旬を感じさせる花」が似合うそう。

 花束をいける際には、花瓶の直径と花瓶より上に出る花の高さのバランスを見ます。花瓶の直径分より、やや長いぐらいの高さにすると美しいそうです。花がばらばらにならないよう、ひもで軽く縛るといいかもしれません。

天井が高い場所なら、空間を大胆に使ったスタイリングも

 松葉さんは「花を手にしたら、360度ぐるっと回して眺めてみましょう。どの角度が一番好きか、どこを正面にするかを見てみて。花にはそれぞれ表情があり、いろいろ見比べることでセンスが磨かれて、花を美しく飾れるようになります」と教えてくれました。

 春には、チューリップやラナンキュラスなど優しい色合いの花が店頭に並びます。春の花を買ってみようかなという気持ちになりました。(大森亜紀)