ぷっくりかわいい多肉植物、飾って楽しむアレンジ法

花のある暮らし

紅葉して赤や黄色に色付いた多肉植物のリース。暖かくなると緑色に戻る=萩本朋子撮影

 葉や茎などがぷっくりと膨らんだ多肉植物がブームとなっている。見た目がユニークで、大小様々な形があるのが魅力だ。複数の多肉植物を組み合わせてアレンジすれば、花の寄せ植えのような華やかな作品に仕上がる。

 多肉植物などのアレンジを手がけるグリーンスタイリスト、近藤義展さんのギャラリーで目に留まったのは、多肉植物だけのリース。緑色だけでなく、赤や黄色など様々な色合いのみずみずしい多肉植物がギュッと集まって、美しい輪をつくっている。

 「多肉植物も紅葉するんです。今の時期だけ楽しめる美しさです」と近藤さんは話す。リースの土台は金網で包んだ水ゴケと土で、植えられた植物はすべて生きている。暖かくなると、紅葉した葉は、だんだんと緑色に戻っていくという。

 多肉植物は、中南米や南アフリカの砂漠や乾燥地帯が原産地。日中は照りつける太陽で乾燥し、夜は急激に気温が下がる。厳しい環境を生き抜くために葉や茎、根などに水や栄養分を蓄え、独特の姿になった。近藤さんたちがよくアレンジに使うのは、ベンケイソウ科やユリ科、キク科などの、葉に蓄えるタイプだ。バラの花のように葉を広げるもの、地をうように広がるもの、伸びたり垂れたりするものなど様々な形状がある。

豆のような形の器に寄せ植えしたアレンジ。生命の力強さが感じられる

 ホームセンターなどでは種類ごと別々に売られていることが多い。好みのものを手に入れたら、株分けして違う種類を複数合わせ、寄せ植えにする。「絵を描くようにできあがりをイメージしながら植えてください」と近藤さん。伸びるもの、広がるもの、色の濃いもの、薄いもの、個性の違いがぶつかりあい、不思議な世界が作られる。

寄せ植えして3年が経過したプランター。それぞれの植物の成長で形は変わっていく

 植えたら水やりをせずに日の当たる屋外に置き、1週間後にたっぷり水をやる。その後は、置かれた状態にもよるが、葉の弾力感などをチェックしながら、大体2週間おきに水をやればいい。室内で楽しむ観葉植物だと思われがちだが、日照不足で弱ってしまうので、冬場でも基本的に屋外で育てるとよいという。

株分けして小さな鉢に寄せ植えしたアレンジ。個性の違う多肉植物が集まり、それぞれ違った世界をつくり出している

 アレンジは数か月たつと、成長して形が変わっていく。近藤さんは「変化の過程も作品の一つとして楽しんでほしい」と話す。多肉植物の魅力であるユニークな形は、過酷な環境を生き残るため長い歴史の中で身につけた「生きるすべ」でもある。「置かれた環境をありのままに受け入れ育つ強さに触れると、環境を壊している人間の愚かさに気付かされる。アレンジを楽しみながら、そんなことも感じてもらえたらうれしい」

落ちた葉も再生できる

 多肉植物をアレンジするために株分けや寄せ植えをしていると、葉がポロポロと落ちてしまうことがある。

 だが、その落ちた葉にも生命が宿っている。乾いた土の上に置いておくと、数か月後にそこから根や芽が出てくる。「多肉植物を育てていると、たくさんの感動と発見があります」と近藤さん。種類によっては、葉を土に挿すだけで株が増やせるものもあるという。(生活部 宮木優美)

近藤義展さん
近藤義展(こんどう・よしのぶ)
グリーンスタイリスト

 1969年、新潟県生まれ。妻の友美さんとの2人組ユニット「TOKIIRO(トキイロ)」として、国内外で作品展やワークショップを開いている。2009年から千葉県浦安市にアトリエを設け、リースや壁掛けなどの様々なアレンジを提案する。TOKIIROとしての著書に「多肉植物生活のすすめ」(主婦と生活社)。