花びら揺らぐインテリア ハーバリウムに注目

花のある暮らし

鮮やかな彩りの中に優雅さもあるハーバリウム。花の揺らぎと透明感に心を奪われる(東京都内で)=萩本朋子撮影

 花をオイルとともに瓶の中に入れたハーバリウムは、揺らぐ花びらの姿など、まるで美しさが詰まった小宇宙のよう。家庭や職場などに飾れば、日々の様々な場面で花がある暮らしを満喫できそうだ。

 花の美しさを長持ちさせる方法としては、プリザーブドフラワーやドライフラワーが知られているが、ハーバリウムはそれらをガラス瓶に入れ、専用のオイルを注いで蓋をしたものだ。

 東京都内で製作教室「LOABELロアベル」を開く岡田理央さんは「もともとは『植物標本の集積物』を指す英単語でしたが、ここ2、3年ほどで、インテリアとしてのハーバリウムという言葉が注目されるようになりました」と話す。

瓶の形は様々。ドライフルーツを加えることもできる

 完成品を販売していることもあるが、それぞれの感性をいかした作品を自作するのも大きな魅力だ。世界に二つとない、こだわりの一品を飾ってみたい。

 まず、プリザーブドフラワーやドライフラワーに加工された、アジサイやカスミソウ、センニチコウなどの花から、好みの素材を選ぶ。少しでも水気があるとカビの原因となるため、生花は使わない。

 選んだ花材をハサミで切って形を整える。それをピンセットでつまみ、花びらを正面に向けるなど、方向を考えながらガラス瓶の中へと入れていく。「押し込みすぎると、花がふんわりとする感じがなくなってしまうので気をつけて」と岡田さん。

 花材を入れ終わったら、形が崩れないよう、オイルを瓶にたっぷりと注ぐ。オイルは無色透明だが、保存液の役割を果たすため、品質にこだわることは重要。粗悪品を使うと、花やオイル自体が変色してしまうこともある。「道具や材料はしっかりしたものを選んでください」。岡田さんが使用するシリコーン系のオイルは、化粧品などにも使われており、手についても肌に問題はないという。

 完成までに要する時間は人それぞれ。初心者なら1時間半以上かかることもある。花材選びからこだわり、何時間もかけて完成させる人も。「作り手それぞれの個性が出るのが楽しい」と岡田さん。完成後は、直射日光を避けて飾れば、1年以上、色味が変化しないこともあるという。

リボンを付ければ、しゃれた贈り物にも

 女性だけでなく、男性も大切な妻や交際相手へのプレゼントにと挑戦するなど、年齢や性別に関係なく様々な人が教室を訪れるという。岡田さんは「不器用な人でも、丁寧に取り組めばきれいに作れます。ハーバリウム作りをきっかけに、花を身近に感じてくれる人が増えるとうれしいですね」と話す。

余った花材 有効利用

 ハーバリウムの花材の中には、色落ちしやすかったり、大きすぎて瓶に入らなかったりして、製作には適さないものもある。花の形を整える際にハサミで切り取った部分も含め、捨てずに、造花をアレンジする時のアクセントなどとして活用することもできる。例えば、バラの造花に白やピンクの花びらを挿せば、彩りも豊かになる。岡田さんは「花は生き物で、どれもが大切。ぜひ有効利用してほしい」と話す。(生活部 及川昭夫)

岡田理央さん
岡田理央(おかだ・りお)
ハーバリウムデザイナー

 1983年、東京都生まれ。会社員などを経て、フラワーアレンジメントの技術をいかし、2017年にハーバリウム製作教室「LOABEL」を、東京・赤羽にオープン。ガラス瓶や専用オイルなどの販売も手がける。教室や取扱商品の詳細は、ホームページで。