「北斎とジャポニスム展」コラボレーションメニューのフレンチ
美術館に行った後に食事やお茶をするなら、アートにちなんだものを食べたくなりませんか。国立西洋美術館(東京・上野)で開催中の「北斎とジャポニスム展」を見た後にぴったりの料理やスイーツを紹介します。
東京・汐留のホテル「コンラッド東京」にあるモダンフレンチレストラン「コラージュ」では、展覧会の会期中に、本展にちなんだ特別コラボレーションメニューを提供しています。
モネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガンなど、西洋美術の巨匠たちが北斎に影響を受けたように、今回の特別メニューでは、北斎作品の「自然への親密な視点」をフランス料理に盛り込んでみたとか。ユニークな名前がついた気になる夜のディナーコースのメニューを見てみましょう。

まずは、「【ドガが刺激を受けた“ポーズ”】 蛤のポッシェ カブとトリュフ」。ポッシェとは「含め煮」のことで、ドガが「北斎漫画」に影響を受けて描いたといわれる《踊り子たち、ピンクと緑》の絵がヒントになっています。料理担当のシェフ・ド・キュイジーヌの松永晋太郎さんは「旬のカブを、ピューレにして固めてブラマンジェにしたり、表面を軽く焼いて香ばしさを加えたり、様々な形にして、蛤のうま味や春菊の苦味、そしてトリュフの香りと一緒にお楽しみいただくようにつくりました」。枯山水の雰囲気も感じさせる美しい一皿です。

「【モネが学んだ“リズム”】金華豚のローストとブレゼ 安納芋と落花生」は、北斎の描いた松並木にインスピレーションを得てモネが描いたと言われる《陽を浴びるポプラ並木》をモチーフにしています。金華豚の特徴は、皮が薄く脂肪が少ないこと。茶殻などの発酵飼料で育てられるから。「脂がおいしい肩ロースをローストし、バラ肉をとろけるようなブレゼ(蒸し煮)に仕上げています」と、松永さん。これに、甘い「安納芋」のピューレや落花生をあわせ、シェリービネガーの酸味とスターアニス(八角)の香りを加えたバランスの良い一品です。
特別コースは、ランチ(9500円、税・サービス料別)、ディナーは(1万1100円、同) 予約は、レストラン公式サイトから。
国立西洋美術館内のカフェでも特別メニュー
「北斎とジャポニスム展」では、期間中に、3回のスペシャルウィークがあります。その期間は、限定メニューを同美術館内のカフェ「すいれん」で食べられます。
モネ・ウィーク(11月7日(火)~11月19日(日))

モネの「印象・日の出」をイメージしたプレート。目玉焼きで日の出を表しているようです。一口サイズで、食べやすい一皿です。
クリスマス・ウィーク(12月5日(火)~12月24日(日))

「Xmasデザートプレートセット」(ソフトドリンク付き) は、マロンクリームで仕上げたブッシュ・ド・ノエルを多彩なベリーで仕立てました。甘さと甘酸っぱさが絶妙なハーモニーです。
セザンヌ・ウィーク(1月10日(水)~1月21日(日))

セザンヌの「台所のテーブル」をイメージしたものです。テーブルにあふれんばかりの食材が並んでいる絵のように、ボリューミーな一皿です。美術館を歩き回って疲れた後、ハンバーガーを食べておなかを満足させるのもいいですね。
帰り道にぜひ寄ってほしい エキュート上野

「エキュート上野」でも、限定コラボメニューがあり、食でも東洋と西洋が出合ったジャポニスムを感じることができます。おすすめは、「シーズカフェ」の「トリュフ香る海苔とツナのラップガレット(1食600円 ドリンクセット810円・税込み・提供は11月30日まで)」。フランス北西部ブルターニュ地方発祥の郷土料理のガレットに、とろけるモッツァレラチーズと海苔の佃煮にトリュフオイルをプラス。どんな味か食べてみたくなる意外な組み合わせです。
この秋、皆さんも目と口で、HOKUSAIを満喫してみませんか。