「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」荒ぶる恐竜、史上最大の危機

恐竜たちを現代世界によみがえらせたシリーズが、大団円を迎えた。今作で描かれるのは、恐竜と人類が混在する世界だ。これまで以上に多くの恐竜がスクリーン中を暴れ回る。見せ場の連続で、ファミリーで楽しめる娯楽大作であることは間違いない。

前作で米国に解き放たれた恐竜たちは4年後、世界に広がった。見上げるばかりの巨大なものから、ペットのような小ぶりのものまで、人間の社会に入り込んでいた。

オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、前作で出会った少女メイジー(イザベラ・サーモン)と共に、山奥でひっそり暮らしていた。近くの森には恐竜ヴェロキラプトルのブルーと、その子のベータもいたが、密猟者にベータが奪われ、メイジーも連れ去られてしまう。両者を救出するため、オーウェンたちは恐竜の闇取引が行われるマルタ島に向かう。

スティーブン・スピルバーグが監督した1993年の「ジュラシック・パーク」から作品を重ね、恐竜の見せ方は心得ている。ヌーッと顔を近づけてきた恐竜が、一転牙をむく。身を縮める恐怖から逃走劇へ、静から動への転換は緊張感を高める。

街中をバイクで逃げるオーウェンと恐竜とのチェイスはスピード感たっぷりで、これまでにないスペクタクル。水中に逃げ込んだ人間と恐竜が、水面を境に向き合う場面も面白かった。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」
(c) 2022 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

今作には、「ジュラシック・パーク」でローラ・ダーンやサム・ニールらが演じた博士たちが再び登場した。ファン心をくすぐるが、どうしても第1作のことを思い出させる。雨の中、森に取り残された車に恐竜が迫る。その恐怖を、次第に大きくなる恐竜の足音、ダッシュボードに置いたコップの水が揺れる映像で、スピルバーグ監督は表現した。恐竜の姿を見せない演出が際立っていた。

コンピューターグラフィックス(CG)で恐竜のどんな姿も見せられるようになると、動きにリアリティーは加わり、アトラクションのような映像を楽しめる。反面、もしかしたら恐竜が現実世界にも出てくるのではと錯覚させる恐怖感、現実感は薄まった。だからこそ、子供も安心して楽しめるのだが、物足りなさも感じてしまう。

今作でも恐竜の力を利用しようと人間は試みるが、破綻する。愚行を戒め、恐竜は人知を超えていると訴え続けたシリーズだった。コリン・トレボロウ監督。

(読売新聞文化部・大木隆士)

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(米)2時間27分。TOHOシネマズ日比谷など。公開中。

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