夏の帰省、泊まるのはホテル?実家? 夫婦円満に過ごすには

夏休み。新型コロナウイルスの感染拡大は気になるものの、「今年こそ遠出を!」と計画している家族は少なくないでしょう。でも、夫や妻の実家への帰省となると、どこに泊まるか、どんな態度でいればいいのか、と戸惑いを覚えてしまう人もいるようです。帰省シーズンの嫁しゅうとめ問題。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」からリアルな声をピックアップしてみました。

突然、新品の布団が送られてきた

「義実家から我が家に布団が送られてきましたが・・・」のタイトルで投稿してきたのは、トピ主「マカロニシェフ」さん。夏に新幹線を使って義理の両親が若夫婦の家に遊びに来ると聞いてはいたものの、突然、新品の布団が送り付けられてきて面食らったそう。

「これ(布団を送るという行動)は、今後も我が家に泊まりに来るという宣言も含まれているのでしょうか。布団を送りかえして、こちらに遊びにきた時には近くのビジネスホテルをご利用くださいと伝えたいのですが、うまい言い方あるでしょうか」と「発言小町」で問いかけました。

このトピには、40件余りの反響(レス)がありました。

「ごめんなさい、置くところはありませんと、謝罪しまくりで返送。こちらにくる時はホテルでお願いしますね。すみません!と言いまくる。でも、ご主人も、それで、良いんですよね? 大事なのは夫婦の足並みがそろってるかだから」と書いたのは、「フレンチラベンダー」さん。

「前触れもなしに送ってきたのですか? 強行突破で何としても泊まりたいのですね。怖すぎる。送り返すにしろ、今後家に泊めるかどうかは旦那さんと相談して決めるしかないですよ」とコメントしたのは、「まるる」さん。

「うちも布団を置いていかれたことがあります」と書いたのは、「猫派」さん。結婚当初、「転勤族だし収納もない。布団もないから」と断り文句のつもりで言ったら、義実家にあった布団を持ってこられたそう。翌週、その布団を車で運んでお返しし、代わりに新品の布団を購入したものの、それから二十数年間、義理の両親や弟が、月に何回も連泊。今でもその布団が押し入れを圧迫しているそうです。「覚悟してはっきり泊めるつもりはないというしかないと思います」と自らの体験をもとにアドバイスします。

その後、トピ主さんが実際に布団を送り返したかどうかは不明ですが、親の“お泊まり”をめぐって、早くも前哨戦が始まったのでしょう。

「寝る部屋もないからホテルを」で夫婦ゲンカに

一家そろって記念撮影
写真はイメージです

「帰省時にホテルをとることについて」という投稿もありました。この夏、生後7か月の赤ちゃんを連れて、新幹線と電車を使って5時間離れた夫の実家に帰省する予定の「ゆう」さんです。

夫の実家は中型犬2匹と猫を室内で飼っていて、部屋も3部屋しかないそう。夫も含め親子3人が泊まるとなると、義理の父親の書斎も兼ねたリビングに布団を敷いて寝ることになります。夜更かしの多い家で、赤ちゃんの生活リズムが心配。そのうえ、以前訪問したとき、犬がうなって威嚇してきたことがあるため、ホテル泊まりを主張したところ、夫は「俺だって、君の実家に泊まって気を使っている」と反対され、ケンカになってしまいました。

「ホテルに泊まりたいってのはやはり私のワガママですかね?? 何かアドバイスいただけるとうれしいです」と書き込んだところ、同情する声が多く寄せられています。

「生後7か月というと、授乳やミルク、おむつ替えなど気を使いますよね。そのあたり、男はなぜ分からないのか? 私なら自分と子どもの分だけホテルを取り、夫は義実家へ泊まってもらう、じゃないと行かないと伝えると思います」(「みゆマロン」さん)

「犬や猫は、可愛くても動物です。やはり何をするかわかりません。絶対赤ちゃんから目を離してはダメです」(「Usako」さん)

「だんらん奪っていいの?」「周りの目が」

ただ、夫と妻、両方の実家のバランスを考えたほうがいい、という意見もあります。

「あなたが義実家に泊まりたくないのであれば、それは旦那さんに対して親との家族だんらんを我慢させることでしょうからあなたも同じように我慢しなくてはいけないのでは。自分は親子でゆっくり実家で過ごして、旦那には我慢させるのは良くないですね。旦那の実家に泊まれば、私の家の実家にも泊まる。実家に泊まらなければ、自分の実家にも泊まらない。うちは平等にしています」(「まま」さん)。

ホテル泊まりは肯定するけれど、姑世代の女性からはこんな意見も。「息子夫妻が帰省する立場なら、ホテルに泊まってくれたら楽だなぁと思います。そうしてくれれば、夕飯は皆で集まって食べて宿泊はそれぞれで、がいいですね。でも、田舎だと『周りの目』というものがあるんです」(「ぽこん」さん)

ホテルで過ごす女性
写真はイメージです

義理の両親を迎えるにしても、久しぶりに子連れで訪問するにしても、思ったようにならず、ハラハラしているお嫁さんたちの本音。どうやって“夫の実家”との関係を調整したらいいのでしょうか。マナーコンサルタントの西出ひろ子さんは、「まず相手の立場で考えてみることです。家族だから当然、という思い込みを一度捨ててみれば、案外、夫婦で解決策を見つけることはできるかもしれません」と話します。

布団を送り付けられてきた家の場合、まずは、夫から連絡をしてもらい、親の意向や事実を確認してみます。そのうえで、親の気持ちは理解しつつも現実問題として泊まってもらうことについては負担に感じていることも、夫の口から率直に話してもらうと良いと言います。また、ホテル利用をめぐって、夫婦ゲンカになってしまったケースについても、「『私が正しくて、相手が間違っている』という前提で話をすると、話し合いの余地はなくなってしまいます。『あなたの考え方もわかるけど、こういう理由で、私はこうした方がいいと思う』という言い方で、優しくにこやかに、お願いをする姿勢で切り出してみたらどうでしょうか」と西出さんは言います。

「親や夫に限らず、自分の考えを理解してもらいたいときには、頭ごなしに相手の言い分を否定しないこと。まずは相手を肯定した上で、相手が納得する理由を伝えて、自分の意見をいう、という3ステップの言い方で伝えてみましょう。このときの表情や態度も大切です」と西出さん。

「発言小町」には、「結婚した息子の帰省」という投稿も寄せられています。今年5月に結婚したばかりの息子夫婦がこの夏、帰省してくるとわかって、自宅の畳替えや襖(ふすま)の張り替え、大掃除をして迎える準備をしていたのに、息子から「テーマパークの近くにホテルを取ったから」と言われ、がっかりしてしまった女性からの投稿です。「私が子離れできないだけなんでしょうか。本当に打ちのめされた気分です」とコメントしています。

西出さんは「帰省の主な目的は、どこに泊まるかよりも、ふだん会えない人と楽しい時間を過ごせるかどうかが大切なのでは。ホテル宿泊のほうが気を使わないというのであれば、それも選択肢の一つでしょう。マナーは互いに相手の立場に立ち、明日は我が身とお互いさまの気持ちを持つことで成り立ちます。顔を見せに来てくれるだけでもありがたいと思って、明るくお迎えしてみてはいかがでしょう。まして、新型コロナの感染がまた拡大している今、感染リスクをどうしたら低く抑えることができるかも考えなくてはいけません。親御さんの側でも、相手の要望を聞いた上で、今まで常識だと思い続けてきたことに固執することなく、初めてのスタイルにワクワクとチャレンジする気持ちで、再会を楽しんでいただければと思います」と話します。

ふだん行き来があまりない義理の親との交流。多少戸惑うことがあっても、楽しい思い出になるといいですね。

(読売新聞メディア局 永原香代子)

【紹介したトピ】
▽義実家から我が家に布団が送られてきましたが・・・
▽帰省時にホテルをとることについて。
▽結婚した息子の帰省
 
 

西出  ひろ子(にしで・ひろこ)
マナーコンサルタント

美道家。ヒロコマナーグループ 代表。人材育成やマナー研修、コンサルティングなどを行い、NHK大河ドラマ「龍馬伝」などをはじめ、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのマナー指導・監修も務める。近著に『誰からも愛され、信頼される人になる!気くばりにいいこと超大全』『ビジネスの基本とマナー』『知らないと恥をかく50歳からのマナー』『さりげないのに品がある 気くばり美人のきほん』など国内外でマナー本100冊。累計100万部以上の著書がある。HPは、http://www.hirokomanner-group.com

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