Q. PMS(月経前症候群)によるメンタル不調があり、ピルを服用していますが、 全然効きません。 やめてしまってもいいですか?
A. 低用量ピルにも種類があり、悩みに合ったものを服用しないと効果がありません。
低用量ピルには種類があり、PMSのなかでもメンタル症状が強いPMDD(月経前不快気分障害)にはドロスピレノン配合のピルが効果があるとされています。それぞれの悩みに合ったものを服用しなければ効果が得られませんが、産婦人科以外の診療科では、ピルの種類と特徴について正しく認知されていない可能性も。効かないと言って当院を受診された患者さんが、海外から個人輸入したピルを服用していたことも。まず、現在処方されているピルの服用を継続しながら、産婦人科で相談してみてください。
PMSや生理痛の治療に使われる低用量ピルは欧米ではごく一般的ですが、日本の服用率はわずか3%程度。排卵を抑える低用量ピルは、服用して生涯の生理回数を減らすことで卵巣がんのリスクを下げるほか、子宮体がんや大腸がんのリスクを抑えられるというメリットが。また、30代前後に飲み始め、服用可能限度である49歳11か月まで継続すれば、更年期症状が軽く済む可能性が高いです。40代以降は血栓症のリスクがありますが、「肥満でない」「高血圧でない」「喫煙者ではない」などの条件をクリアすれば服用可能です。専門医に相談してみてください。
(読売新聞メディア局 深井恵)