ネットの怖さを子どもにどう伝える? 親が試されること

子どもに携帯電話やスマートフォンをいつから与えたらいいのか。多くの親が悩んでいます。持たせ始める時期が低年齢化する一方で、親の知らないうちに友達同士でSNSをしてしまったり、ゲームをする時間が長くなったりするなどの弊害もあるためです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、子どもがSNSで友達とのツーショット写真を掲載してしまい、学校の先生から注意を受けたという投稿が寄せられています。この問題、どう考えればいいのでしょうか。

トピ主「あかりんご」さんは、習い事で夜遅くなったときの連絡ツールとして子どもに携帯を持たせ始めた親の一人です。時々、本人が友達とショートメールをしていることは知っていましたが、携帯に何をダウンロードしているかまではチェックせず、本人に任せていました。

学校の先生に謝罪を求められ…

ある日、学校の担任の先生から電話がかかってきました。「お宅のお子さんがSNSをやっていて、そのアプリの中で、友達とのツーショット写真を1枚載せてしまっています。その子の保護者に謝罪をしてほしい」と言われました。先生によると、学校で「〇〇ちゃん、こんなアプリしているんだよ」と子どもの友達から言われて、調べたところ、その写真を発見したそうです。

子どもがSNSをしているのを初めて知ったトピ主さん。確認したところ、わが子のSNSにはそのツーショット写真が載っていましたが、友達の名前を載せたわけではなく、「自分は右側です」とコメントしていました。そこで、そのアプリを削除し、本人から携帯も取り上げました。

担任の先生に言われた通り、その友達の親に謝罪しようとも思いましたが、「たまたま学校側に見つけられた子どもは謝罪を求められ、学校側に見つからない子は謝罪をしなくて済むような扱いに思えて、素直に謝ろうと思えず、二の足を踏んでいます」「もう削除し、何があったわけでもないので、謝らなくてもいいのではないかと迷いもあるのですが、それは世間から見れば間違っている対応なのかもしれないと不安もあります。みなさんならどうしますか?」と発言小町で問いかけました。

自撮り棒で写真を撮る子どもたち
イメージです

この投稿には、40件余りの反響(レス)が寄せられています。

トピ主さんの危機意識の薄さを指摘する声が多かったです。

「携帯を持たせる際にきちんとお子さんと取り決めや約束もさせなかったのですか?削除したから良いですって?いったんSNSで出回った写真はスクショされたり拡散されたりで、出回っている可能性もあるんですよ?」(「baron」さん)

「過去に閲覧した第三者に画像保存されていて悪用されるリスクは残っています。それにその子の親には別ルートで知られる可能性が高い。学校側から通知と被害者へ謝罪するよう連絡をうけておきながら、放置したとなると、もっと立場は悪くなると思います」(「匿名」さん)

「二度と同じことを繰り返さないためにどうすれば良いかを、親子で話し合うことが大切です。お子さんの年齢はわかりませんが、軽率な行動だったと認識できるように分かりやすく教えてあげてください。お子さんが理解できたら一緒に謝りに行くことで、お友達もその子の親御さんも学べます」(「雅」さん)

フィルタリングサービス・スマホ制限アプリも

親が子どもにスマホを与えるとき、家庭内のルール作りが大切とよく言われますが、思い通りにいかず、苦心している親も多いのではないでしょうか。スマホグッズの商品開発や通販サイトを運営するHamee(神奈川県小田原市)が2021年11月に行った「小学生の親子におけるスマホ利用実態調査」からも、その様子がうかがえます。

全国550人に行ったこの調査では、小学生のわが子にスマホを与えていて親が心配と思っていることを聞いています。「スマホの長時間利用やスマホ依存」(61.8%)、「視力低下」(55.5%)、「学力・成績の低下」(42.5%)、「犯罪に巻き込まれないか」(36.0%)などをあげる人が多かったです。

このため、家庭でスマホ利用のルールを作り、フィルタリングサービスやスマホ制限アプリの利用などの対策を講じている親が多いのですが、実際は、「取り上げスマホ」を経験した親が60.7%もいました。どんなに家庭内で対策していても、実際に管理しようとするとなかなかうまくいかないのが実態なのでしょう。

標語を使って、親子で学び合う工夫も

警備会社のALSOKは、ホームページ上で「SNSには危険がいっぱい!ネットトラブルからの小学生の守り方を考えよう」というページを設け、小学生の身の回りにあるインターネットトラブルについて教師が心配していることをとりあげ、インターネットリテラシー教育の必要性を訴えています。

子どもたちが気づかないまま、巻き込まれることがないように、とくに、情報を書き込む前には、次の「か・き・く・け・こ」を確認しようと呼びかけています。

《か》 顔がはっきり写っていないか
悪意を持った人に狙われるきっかけになる。また、肖像を勝手に使用されるリスクがある。

《き》 禁止されていることではないか
著作権、肖像権等のルールについて知り、違反しないよう注意する。親と交わした約束を破るのもいけない。

《く》 暮らしている場所が知られてしまわないか
住所はもちろん、自分の生活圏が知られてしまう情報を載せない。写真に写りこんだ背景にも注意。

《け》 ケータイ番号など連絡先を教えても大丈夫か
自分の連絡先を知らない人に教えたり、公開したりしてはいけない。これらを騙し取ろうとする罠もあるので注意。

《こ》 困らせたり、迷惑がかかったりしないか
書き込むことで、誰かを困らせたり、迷惑がかかってしまったりしないかよく考える。場合によっては炎上などのトラブルに発展する危険もある。

ALSOKのホームページから
ALSOKのホームページから

同社では、2004年から社会貢献活動の一つとして、小学校への防犯出前授業「ALSOKあんしん教室」をスタート。順次対象地域を全国に拡大し、のべ5万4439回、170万1753人の子どもたちに実施してきました(2022年3月末までの累計)。2019年からはインターネットの安全な利用をテーマとした授業も展開。「か・き・く・け・こ」は、子どもたちに要点を絞って合言葉風にまとめることで、記憶として子どもたちに定着しやすくなることを狙って、授業に出向いた有志の社員が考案したものです。

このページでは、「か・き・く・け・こ」と合わせて、メールやメッセージを受けたときの注意点をまとめた「あ・く・ま・が・で・た」もあります。

ALSOKホームページから
ALSOKホームページから

あ・く・ま・が・で・た」ときは、相手にしないで、おうちの人に相談しようと呼びかけています。さらに、情報を発信したり受け取ったりしたときの注意点について、意味がどの程度わかるようになったか、クイズ形式でチェックできるワークシートも公表しています。

携帯やスマホを与えるのも親なら、取り上げるのも親。どうしてそういう使い方をしてほしくないか、子どもと一緒になって学び続けることができれば、落とし穴にはまらずに済むかもしれませんね。

(読売新聞メディア局 永原香代子)

【紹介したトピ】
▽子供がSNSに友達との2ショット写真を投稿

【参考サイト】
▽小学生の親子におけるスマホ利用実態調査
▽ALSOKあんしん教室 

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