テッパチ!(フジテレビ系)水曜午後10:00
フラフラ暮らしていた国生宙(町田啓太)は、ある男との出会いから陸上自衛官候補生となる。最初は「生活のため」と生半可な気持ちだった国生だが、仲間とぶつかったり、助け合ったりする中で、大切なものを見つけて成長していく。
背筋をピンと伸ばし、顔つきも精悍そのもの。誠実な受け答えからは、心からわき上がる情熱が伝わってくる。接していて気持ちのいい人だ。
今回の役は自衛官候補生。訓練シーンも多いだけに、「食事も睡眠も含めて、こんなにも一生懸命にしたことがなかった」というほど体を作り込んだ。心身ともに律しているからこそ醸し出される雰囲気なのだろう。
演じる主人公・国生は、高校ラグビーの名選手だったが、協調性のなさが災いしてケガを負い、卒業後は自堕落な生活を送る。そして足を踏み入れた自衛隊で、人のために何が出来るかに向き合っていく。「国生が、人間くさい、不格好なヒーローに近づけるよう大切に演じたい」と撮影に臨んだという。
舞台は自衛隊。所作などは現役の自衛官から教わった。実は高校時代、規律正しい寮生活を送った経験があり、「点呼とか基本動作とか、懐かしさを感じた」という。
一方、団体行動が苦手な面もあるといい、国生と似たものを感じるそうだ。だからなのか、「エネルギーをもてあまして、居場所を探している男が、仲間とぶつかり合って変わっていくさまを見てほしい」と力がこもる。
描かれるのは、友情や対立といった男たちの人間模様。「ドラマを通じて、一歩踏み出そう、何かやろうという力を受け取ってもらえれば最高。熱い人ばかりが登場するけれど、逆にこっちは涼しいなって思って、選択肢から外さずに見てほしい」と笑う。
最後に、今年の夏にやりたいことは?と問うと、「夏はすべてこのドラマです。出演者たちと青春しますよ」。どこまでも熱量が高かった。
漢字が苦手、台本にふりがな
Q 「テッパチ」は自衛官の鉄帽を意味していますが、愛用の帽子はありますか。
A 特にこだわりはなくて、もらったキャップなどを私生活で大事に使っています。
Q 自分の筋肉で好きな部位は?
A 剣道をやっていたので腕に筋肉がつきやすくて。昔はコンプレックスでした。
Q 何か弱点はありますか。
A 恥ずかしいですがたくさん。漢字が苦手で台本もまずふりがなをふります。
Q 守りたいものは?
A 仕事を楽しむことは忘れずにいたいな。
(文・読売新聞文化部・道下航 写真・今利幸)