厚切りジェイソン「Why?」と3人の娘にも尋ねる理由

米国出身のお笑い芸人、厚切りジェイソンさんは、日本人の妻とともに10歳の長女、7歳の次女、5歳の三女を育てている。

子どもたちと積極的に会話し、「なぜそう思うの?」「なぜそうしたの?」と頻繁に尋ねる。自分で考え、意見を言えるようになってほしいからだ。

親子でボードゲームで遊ぶのがお気に入り。「年齢を問わず一緒に楽しめて、自然にコミュニケーションがとれるのが良いところ」とほほ笑む。自宅には国内外のボードゲームが約50種類もある。3姉妹は日本育ちで、学校や幼稚園では日本語を使う。その分、国際的な感覚を身につけてほしいと考え、家庭での会話は英語だ。

厚切りジェイソンさん
提供写真

米国の大学で日本語を学び、妻と結婚。2011年の東日本大震災の直前、IT企業の役員として来日した。日本語の勉強のため、お笑い番組を見たことが芸人を目指すきっかけに。養成所を経て14年にデビューし、日本文化への疑問を「Why Japanese people!?」(なぜなんだ、日本人)と絶叫する芸風で人気を集めた。

IT企業役員の傍ら、投資を長年続け、その利益だけで安定した生活を送れるようになった。おかげで家族と夕飯を囲む時間も増えたという。

「お金」一緒に考える

無駄遣いはしない。「節約家なのは両親の影響が大きい」と話す。エンジニアの父、割引クーポンも活用して買い物上手な専業主婦の母の下、幼いころからよくお金の話をした。自身も「うちの1か月の電気料金知ってる?」「クレジットカードってどんな仕組みだと思う?」などと子どもたちに話す。

おもちゃやゲームソフトなどを欲しがった時は、「買ってもいいけれど、本当に必要?」「ほかを探したり、もう少し待てば同じものが安く買えるかもしれないよ」などと話して考えさせる。本当に欲しい物は、複数の店舗から安い店を探したり、インターネットで安く買える方法を調べたり、セールになるのを待ったり。最も良い買い方を一緒に考える。

「パパだって新しいスマートフォン買ってるじゃない」と姉妹から指摘されれば、「仕事に必要で、型落ちの商品を手頃な価格で買っている」などと、子どもも納得するよう説明する。「自分にとって本当に価値があるものを判断する力を身につけてほしい」からだ。

子どもたちには、おこづかい帳を持たせ、祖父母からもらったお年玉の額などを記入させている。投資の感覚や仕組みを理解できるよう、年末には残高の10%が利子として増える仕組みにしている。

ケンカに口出さず

姉妹を年長だから、年下だからと特別扱いしたり、対応を変えたりしない。「親の方針が変わらないことも大事」と笑顔で語る。子どもたちがケンカをしても、なるべく口を出さない。「親が解決してしまうと、自分で解決できなくなる。人と接する方法は、探りながら学んでいってほしい」と話す。

「将来どんな職業に就こうとも、本人が幸せで、自分の考えで人生を歩んでいければそれでいい」。親の役目は自立した大人になるためのスキルを身につけさせることという。これからも、ぶれずに子どもたちに寄り添うつもりだ。(読売新聞生活部・谷本陽子)

厚切りジェイソン (あつぎりじぇいそん)

1986年、米国ミシガン州生まれ。17歳でミシガン州立大学に飛び級で入学。お笑い芸人として活躍し、現在はNHKの子ども向け英語番組に出演中。昨年11月、「ジェイソン流お金の増やし方」(ぴあ)を出版した。

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