上川隆也「遺留捜査」、なぜ風変わりな刑事は長年愛されるのか?

遺留捜査(テレビ朝日系)木曜後8:00 (7月14日スタート)
京都府警「特別捜査対策室」の糸村聡(上川隆也)は、「遺留品」から真実を見いだす“ブレない”刑事。神崎莉緒(栗山千明)、雨宮宏(永井大)ら個性豊かな「特対」メンバーと、殺人事件の捜査に向かう。

現場に残された証拠品(遺留品)を手がかりに、超マイペースな刑事・糸村聡が事件の真相に迫る人気シリーズが再び始まる。事件解決の一歩先にある、声なき遺体の思いを代弁し、遺族や関係者の心をも救う男の役を演じ続けてきた。

上川隆也さん

すぐに捜査の輪から外れ、自転車で独自の行動に走る。「3分だけ時間を」と言って遺留品に込められたメッセージを解き明かす。なぜこの風変わりな主人公は長年愛されてきたのか。そう問うと、宙を見上げ「うーん」とうなった後、穏やかに語り始めた。

「彼のやっていることは、もしかしたら皆さんのやりたいことだからかもしれません。心が傷ついてる人がいたら癒やしてあげたい。それを彼は周りの目を気にせず、そのためだけに動き回ります」

そんな糸村に文句を言いながらも実力を認める上司役の戸田恵子や、糸村から鑑定を頼まれては振り回される科捜研研究員役の甲本雅裕らとの息の合った演技も見どころだ。「あうんの呼吸。ゆるぎないものですね」とチームワークに自信をみせる。

「例え話で恐縮ですが、車は乗り続けることで運転者の練度が上がり、同乗者にとっても安全で心地よくなる。『遺留捜査』という乗り物自体は変わりませんが、キャストやスタッフが1作ごとに理解を深め、皆様に一層楽しんでいただける作品へと“深化”していると感じています」

この作品は「後悔の物語」でもあるという。あの時、ああしておけばよかった、もっと話しておけばよかった――。誰もが抱える思いを糸村は優しくくみ取る。そんな「つかみどころのない唯一無二の役」を今年も楽しむつもりだ。

モデルガンを没収!

Q 上川さんの「遺留品」エピソードは。

A 20代半ば、仕事で初めて飛行機に乗った時、荷物に趣味のモデルガンを入れてしまい、当然のごとく検査で召し上げられました。後に戻ってきましたが、喪失感は忘れられません。お恥ずかしい!

Q 作品の舞台である京都の好きなところを教えてください。

A 四季の美しさです。今回は春の撮影で、木々が芽吹いて一斉に桜が咲き、新緑が山を飾る過程を目の当たりにでき、ロケに行く時、心躍るようでした。

(文・読売新聞文化部・若林圭輔 写真・和田康司)

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上川 隆也(かみかわ・たかや)

1965年5月7日生まれ。東京都出身。演劇集団キャラメルボックスに在籍していた95年、NHK「大地の子」で主役を演じ、脚光を浴びた。2006年の同大河ドラマ「功名が辻」で主演。舞台作品は10年「ヘンリー六世」など。

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