「ミントデザインズ大百科」展で知る、着るだけじゃない服の楽しみ

「長く楽しめる服」「息の長い服」ってどんな服? 20周年を迎えた日本のファッションブランド「ミントデザインズ」が東京都内で開催している展覧会「ミントデザインズ大百科」で、その問いの答えを見つけられるかもしれません。

【写真】「ミントデザインズ大百科」展のポップでかわいい世界観

ファッション業界では、大量生産や大量廃棄を見直し、環境に配慮した取り組みが必須となり、「サステナブルファッション」という言葉も生まれていますが、ミントデザインズデザイナーの勝井北斗さん(49)と八木奈央さん(49)は、ブランドを始めた20年前から「息の長い服作り」を掲げて「ファッション」と向き合ってきました。ブランドコンセプトは「プロダクトデザインとしての衣服」。シーズンごとに移り変わる流行と一線を画し、日常の暮らしを豊かにする「製品」として服を作ってきたといいます。

40シーズンのコレクション一望

20年の歩みを振り返る展示の最大の見所は「ランドスケープとしての衣服」と名付けられた空間。衣服は景観の一つになるのではないか、というデザイナーの考えを体感できます。「私たちの服を着た人が並んだ街って、どんな景色になるのだろうとイメージしたのがこの空間です」と八木さんは話します。らせん状のスロープが設置された吹き抜けの空間に、40シーズンのコレクションで発表した57着の服が平置きで並ぶ景色は圧巻です。国籍や年齢、性別、体形を問わずに着られることを大切にしてきたブランドらしく、実ににぎやかな景色を見ることができます。

ミントデザインズの20周年記念展覧会の会場
「ランドスケープとしての衣服」と題したスペースでは40シーズン分のコレクションで発表した服を一望できる

色柄が異なるプリントドレス54着がずらりと並ぶ展示スペースもお勧めです。人形、自転車、イス、唇にジグザグ模様など、見ているだけで楽しくなる多様な柄は、ブランドの真骨頂。服って眺めているだけでウキウキした気持ちになるんだという気付きが新鮮で、「着る」だけにとどまらない服の楽しみ方を見つけられるはずです。

ミントデザインズの20周年記念展覧会の展示
シーズンごとに制作してきたプリントドレス。着た時に最も美しく見えるよう、色柄の配置、余白の取り方にもこだわった

今回の展覧会は「博物館の陳列をイメージした」(勝井さん)といいます。デザインスケッチやショーの招待状、さらには服につけるタグやブランドの代名詞である紙製のボタンまで、ブランドを形作るものが一つ一つ標本のように並んでいます。

ブランド開始当初から使っている紙製のボタンは、デザイナー2人も思い入れが強いといいます。特殊な紙を使い、あまりにも硬いので金属加工の工場で型抜きをしているそう。その丈夫さはファンの間でも有名です。元々紙ものが好きな八木さんは「使い続けていると縁が白っぽくなってきて、それがいい味になる。経年変化の良さを出すことも、息の長い服には必要なことですよね」と話します。

「次の20年は『衣』だけでなく、『食』『住』やライフスタイルについても積極的にデザインしていきたい」とデザイナー2人は語ります。カラフルでポップな色柄に元気をもらえるだけでなく、日々の生活にデザインが溶け込む良さを感じることもできるはずです。アフターコロナの暮らしを見据えている今だからこそ、見ておきたい展覧会ではないでしょうか。

(読売新聞メディア局 野倉早奈恵)

ミントデザインズのデザイナー勝井北斗さん、八木奈央さん
「ミントデザインズ」デザイナーの勝井北斗さん(右)と八木奈央さん(東京都港区で、読売新聞写真部・米田育広撮影)

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ミントデザインズ20周年記念展覧会
「ミントデザインズ大百科:Mintpedia」展

会場 スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23)
会期 2022年6月19日(日)まで
開場 午前11時~午後8時
入場料 無料
詳しくは公式サイト

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