映画「極主夫道」、玉木宏と川口春奈に聞く夫婦の役割分担

おおのこうすけの同名コミックを原作とする人気テレビドラマ「極主夫道」(2020年、日本テレビ系)が映画化、「極主夫道 ザ・シネマ」が6月日に公開されます。メンバー、スタッフはドラマ版と同じですが、個性あふれる豪華なゲストも加わります。主演の玉木宏さんと、デザイナーとして働くキャリアウーマンの妻・美久役の川口春奈さんに見所を聞きました。

ストーリー…かつて「不死身のたつ」として恐れられていた、元極道・龍(玉木宏)は、結婚を機に足を洗い、“専業主夫”として平穏に暮らしています。家事を極め、時にはご近所トラブルに奮闘する龍でしたが、今回も最大のピンチに直面。

豪華ゲストと、アクションシーンでスケールアップ

――映画化の話を聞いたときの感想は?

玉木宏:映画化されるとは思っていなかったので、「まさか!」という感じでした。テレビドラマはいわゆるホームコメディー的な要素があったので、映画のスクリーンでは「どのようになるんだろう?」と思いましたが、スケールも大きくなっていて、アクションシーンも多いし、吉田鋼太郎さん、安達祐実さん、松本まりかさんらの、ゲスト俳優も豪華ですし、映画版は強いになると想像していました。

川口春奈:私も単純に驚いたのと、ドラマ版と同じスタッフ、キャストと一緒に作品を作れる喜びがありました。ドラマでは本当に楽しく仕事をさせていただいたので、同じチームで、同じ世界観で映画として皆さんに見ていただけることが純粋にうれしかったです。

――ドラマと映画で現場の違いは?

川口春奈さんと玉木宏さん
大手小町のインタビューに答える川口春奈さん(左)と玉木宏さん

玉木:スタッフは一緒なので、あまり違いはないかと思います。僕自身は映画だからこうしようというのは、ありませんでした。ただ、画的えてきにカーアクションなど派手な物がちりばめられていたので、そんなに心配することなく現場に臨みました。

――役作りはどのように?

玉木:ドラマが終わってから映画の撮影まで約1年間あったのですが、ドラマの時と同じように体を作って準備して撮影に臨みました。

川口:私は全くないです。いつでも美久になれます(笑)。私はドラマの時も映画の時も特に何もやっていません(笑)。いつ撮影が始まっても準備万端です! 1年の間、他のお仕事もしていたので、ドラマが終わって、あっという間に映画に来たという感じでした。ドラマと同じチームで、ゲストの方もいらっしゃいましたが、キャストも一緒だったので、自然体で美久を演じることができました。

玉木:スタッフが一緒だったので安心感はありました。ただ、映画ではアクションや自治会のイベントごとが多いなという感じでした(笑)。一難去ってまた一難という感じで、思っていたよりもハードでした。

――コミックが原作ですが、それぞれのキャラクターを演じる上でこころがけたことは?

玉木:ドラマもそうでしたが、原作の龍を忠実に演じるようにしていました。

川口:私もそうですが、元々美久はぶっとんだキャラクターです。それにも増して共演者のキャラクターがものすごく濃いので、もっとデフォルメしてもいいのかなと。お料理や家事を失敗するシーンはリアリティーがありませんが、楽しく思い切ってオーバーにしていくのを意識しながら演じていました。

雑なワイヤーアクションに不満の女性キャスト

――カーアクションのシーンはいかがでしたか?

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

玉木:安全第一の下、きっちりとカット割りもありますし、ワイヤーアクションも別で撮らなければならない。こうした条件の中、日中しか撮影できないので、カーアクションの撮影だけで3日間かかりました。カーアクションに限らず、アクションシーンも絶対に事故があってはならないので、緊張感を持ちつつ丁寧に行いました。

たぶん監督が意図するのは、純粋にかっこいいアクションも求められていると思いますが、ジャッキー・チェンの映画のようにかっこよく派手に見えるアクションではありながら、金的をくらって痛そうなど、笑ってしまうようなコメディー要素も取り入れたいということでした。きれいなアクションだけではなく、がむしゃらに戦っている感じを出そうということです。

川口:私もワイヤーアクションがありましたが、シュールでした。(CGを使うための)グリーンバックの前に低い位置でつるされた状態で1人10分ぐらいの撮影でした。ワイヤーアクションに関しては、「私たち、結構雑な扱いだったよね」と、MEGUMIさん、松本さんたちと話していました(笑)。実際に映像になったらどうなるのかなと思いながら、女性陣はがんばりました。

1年の間に娘が大人になっていてびっくり

――ドラマのオリジナルキャラクターで、小学生だった娘・向日葵ひまわり役の白鳥玉季ちゃんは、5月に放送されたスペシャルドラマでは中学生になり、彼氏らしき人を連れてくるシーンもありましたね。

玉木:すっかり大人っぽくなっていてびっくりしました。背も大きくなっていたけど、マスクをしていると大人の女性にしか見えませんでした。

川口:向日葵ちゃんは、元々すごくしっかりした子でしたが、さらに大人っぽくなっていました。「キャー」とはしゃぐ感じではありませんでした。服のサイズも変わったって言っていましたし、この年頃の女の子の1年ってすごく変わるんだなと思いました。

玉木:家族の中では唯一“まとも”で、性格もしっかりしていて、向日葵がぐっとまとめてくれる存在でした。

志尊淳さんへのビンタは手加減なし

――武器ショップでの野性爆弾・くっきー!さんとのシーンは、玉木さんが素で笑いをこらえているように見えました。台本にはなんと?

玉木:一応台本にはト書きと1、2行セリフがあるだけなのですが、監督のカットがかかるまで7、8分ずーっとカメラを長回していたんです。武器ショップにある物で、くっきー!さんがまるで大喜利のように次から次へとボケてくるので、僕らは受け芝居でしたが、完全にフリーで演技をしていました。

――川口さんが雅役の志尊淳さんを思いっきりビンタするシーンでは、志尊さんが「うそでしょ!?」って演技なのか素なのかわからないようなリアクションがおもしろかったです。

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

川口:お芝居じゃないと思いますね。私が気を使って手加減しているのが見えたら、それは寒いじゃないですか。だから一気に思いっきり行くべきだと思って、やらせていただきました。でも、志尊さんはめちゃくちゃ痛かったと思います。

――お二人は、映画「幕末高校生」での共演がありますが、改めて今回共演した印象は?

玉木:「極主夫道」のドラマで会った時に「すごい大人になったなぁ」と感じました。ドラマから映画はそこまで期間が空いたわけではないので、大きく印象が変わったことはないですが、どんどん話しやすくなっている感覚はあります。

大きな舞台も経験されているし、NHKの大河ドラマに出て、紅白歌合戦の司会もやって。僕が紅白の司会をやりたいと言っても、一生できないことだし。どんどん度胸がついたというか、成長されたなと思いました。

川口:玉木さんは、今まで共演させていただいた俳優さん史上、いちばん大らかで面倒見のいい方です。本当に良い人で、大好きです。「幕末高校生」でご一緒した時には、まだそこまでお話をできなかったんですが、ドラマの「極主夫道」で改めてお会いしてそう感じました。

玉木さんって一見怖いじゃないですか()。だけど、そんなこと全くない。たくさん話を聞いていただいて、いろいろと教えていただきました。怒ったところを見たことがないし、何でも受け入れてくださる。だからこそ、現場は円滑に、穏やかになっています。それが作品の世界観にも必ずつながっていると思うので、この作品は本当に楽しくできましたし、玉木さんには本当に感謝しています。

――今回、龍の家の前に男の子・リュウ(渡辺雄大)が捨てられていたことで“隠し子騒動”に発展します。小さいお子さんがいる現場はいかがでしたか?

玉木:「動物と子どもには気を付けろ」とよく言われますが、撮影当時3歳で、父親の目線で見ると、よくここまでがんばってくれたと思いました。テストでできなかったことが本番でできてしまう、すごく純粋にがんばって演じていたことがうれしかったです。「動物と子どもには気を付けろ」というのは、当然大変だし、なかなか大人の思うようにはいかないということですが、だからこそ、意図していないすばらしい物がうまれたこともありました。彼自身も楽しんで演じていたのかもしれないし、ちゃんと彼自身の記憶に残っていたらいいなと思います。

父親目線で見ると、リュウくんは、本当にこの年齢でこの仕事を引き受けてくれてがんばってくれました。自分や自分の子どものことを想像すると、こんな演技ができるなんて絶対ありえないと思いました。

――もし、ご自身のお子さんが将来俳優を目指したいといったら?

川口春奈さんと玉木宏さん
玉木宏さん(左)と川口春奈さん

玉木:基本的に勧めません。やりたければやればいいと思いますけど、この仕事は一見派手な世界に見えますが、撮影は、コツコツと地道な作業を続けなければいけないこともあります。かつ、みなさんに名前が知られるようになるのは、宝くじに当たるような確率で、自分が今ここにいられるのは偶然が重なったからで、子どももそうなれるとは限りません。この世界は大変だとわかった上で俳優を目指すならいいと思います。

――川口さんは母親役ですが、家庭へのあこがれはありますか?

川口:うーん。まだ想像ができないですね。自分自身が子どもだと思っているので、「わたしなんかが」って思います。

玉木:でも、はたから見ると母性があるように見えます。子役の子どもたちと遊んでいるのを客観的に見ると、すごくいい母親になれると思っていました。

川口:子どもは大好きですし、かわいいですよね。リュウくんと空き時間はずっといっしょにいて、お母さんに「おうちではどんな子ですか?」とか聞いていました。本人はなんでここにいるんだろう?と思っているかもしれませんが、出番も多かったですし、1本の作品を全うしてくれて、がんばってくれた姿を見られたことがうれしいです。

夫婦間は「あうんの呼吸」

――玉木さん演じる龍は“専業主夫”という設定ですが、共働きにおける家事分担はどうお考えですか?

川口:だんなさんに家庭に入ってもらおうとは思いません。どちらが何をやると細かく決めることは、性格的に合わないと思うので、家事はできる方がやればいいし、やることを見つけちゃったらやります。何も決めずにやって、なにかトラブルがあったら話し合って、ひとつひとつ解決していきます。

――得意な家事、好きな家事はありますか?

川口:いや~。得意ではないですが、料理と洗濯以外ならやります。犬の世話とか……(笑)。

――玉木さんのご家庭ではいかがですか?

玉木:料理はがんがんやりますよ。子どもの食事とか。妻が仕事で家を空けるときは、ひとりで家事をこなしています。やらないとどうしようもないというか、やらざるを得ないという感じです。

――パートナーへこれはやってほしい、これはやってほしくないなどの要望はありますか?

川口:私は、言いたいことがあれば言い合います。お互いに思いやりがあればOKです。

――発言小町でも話題になったのですが、仕事で疲れて帰ってきたのに、「夕飯は、簡単に揚げ物でいいよ」と言われたらどう思いますか?

川口:揚げ物が楽だと思っているのがおかしい。「あなたが揚げなさいよ」って。

玉木:夜遅くのリクエストが揚げ物だというのが横暴だと思います。だったら、冷凍の揚げ物でいいと思います。

――最後に映画の見所をお願いします。

玉木:全体を通して笑っていただける作品になっています。この数年間世界的にもこのようなコメディー作品が忘れられていた感じがします。映画館で見ていただいて、笑って帰っていただき、幸せな気持ちになってもらえたらと思います。

川口:「極主夫道」のアニメやドラマを見ていた方も、全然前情報がない方もこの世界観にどっぷりつかっていただいて、笑って元気になっていただけるのではないかと思います。何も考えずに楽しんでください。(取材・読売新聞メディア局・遠山留美)

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

【公開情報】「極主夫道 ザ・シネマ」6月3日(金)から全国公開
出演:玉木宏、川口春奈、志尊淳、松本まりか、滝藤賢一、吉田鋼太郎、稲森いずみ、竹中直人ほか
原作:おおのこうすけ「極主夫道」(新潮社バンチコミックス刊)
監督:瑠東東一郎
脚本:宇田学、瑠東東一郎
音楽:瀬川英史
主題歌:Creepy Nuts「2way nice guy」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あわせて読みたい

Keywords 関連キーワードから探す