家事と育児は計2時間以下…夫を「取るだけ育休」にさせない方法

男性の育児休業(育休)の取得が進まない中で、取っても家事や育児をせずに休んでいるだけの「取るだけ育休」になっているという妻の不満の声が聞かれる。専門家は夫婦で子どもが生まれる前に育児を学び、子育て方針や分担などを話し合うことが大切という。

夫の家事・育児「2時間以下」2割強

東京都内の女性(32)は長男(5)を出産後に夫婦で大げんかをした。

産後すぐに約1週間の有給休暇を取った夫(39)が友人らとサッカーの練習や飲み会に出かけ、育児や家事をほとんどしなかったからだ。女性は「精神的、体力的につらく、夫に助けてほしかったのに行動が理解できず、怒りが込み上げた」と振り返る。

男性の育休を取りやすくする改正育児・介護休業法が4月に施行された。男性の育休取得率の向上とともに、家事や育児の分担への期待も大きい。子育て情報サイトを運営する「コネヒト」(東京)が2021年、夫が育休を取得した女性約800人に調査したところ、育休中の夫の家事・育児時間が「1日8時間を超える」が31・0%だったが、「4時間以下」は20・4%、「2時間以下」は22・7%だった。

一般社団法人「日本ファミリーナビゲーター協会」(京都)代表理事の田中美賀子さんは「子どもが生まれる前から夫婦で短時間でも家庭のことを話し合う習慣をつけましょう」と助言する。夫の「取るだけ育休」を防ぐためには、育休中の育児や家事の分担は希望や価値観などを伝え合って決めるのがいいようだ。

子供間に挟み、手を握って散歩する若い夫婦のイメージ映像
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生まれる前に、夫婦で情報共有

田中さんによると、夫婦で家事を分担するために男性ができる家事を増やした方がいいという。子どもが生まれる前に家事の種類を書き出し、実際に男性がやってみる。自信がなければ何度か挑戦し、できるように努力したい。

清水建設(東京)の武田知秀さん(28)は今年1月から4か月間、初めて育休を取った。

昨年10月に生まれた長女の入浴、長男(3)の寝かしつけなどをした。妻と相談し、長男と公園で遊ぶなどの世話や掃除、洗濯を中心に担当。「育休中にやるべきことが分かっていたので専念できた。夫婦で子どもを育てようと心を新たにした」と話す。

初めての育児は誰もが不安を抱えるものだ。産院などで両親学級を開く「アイナロハ」(埼玉)代表の渡辺大地さんは「自治体などの両親学級には、夫婦で参加して情報を共有してほしい」と語る。一緒に育児を学ぶ時間を作ると、自然と育児に関する会話も増えるからだ。

コロナ禍で中止のところもあるが、自治体の情報やユーチューブ動画、育児アプリなども活用できる。埼玉県のホームページで提供する「パパの育休取得ガイド」は家事・育児の分担シートなどがある。父親向け育児アプリ「パパninaru(ニナル)」は胎児の成長の様子などの情報が無料で得られる。

渡辺さんは「男性には、妻の心身の不調が出やすい産後すぐに少なくとも1か月間、育休を取ってほしい。育児や家事を担う中で、親としての自覚も出てくる。悩みは抱え込まず、家事サービスの活用や保健センターへの相談などもしてほしい」と話す。(読売新聞生活部 矢子奈穂、山田朋代)

男性の育休期間を夫婦で有意義に過ごすためのポイントを図と表で紹介

 

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