「トップガン」36年ぶりの帰還、続編でトム・クルーズが見せた奇跡

米海軍パイロットの成長を描き、社会現象を巻き起こした前作から36年。トム・クルーズ演じる「マーヴェリック(一匹 おおかみ )」が帰ってきた。「トップガン マーヴェリック」は日本の映画館にとって久々となるハリウッドのアクション大作。二重の“帰還”が呼ぶ興奮はただ事ではない。スリリングな空中戦に、相次ぐ絶体絶命の危機。友情、ロマンス、悔恨と 贖罪しょくざい  。過去と現在のあらゆるピースが収まるべき場所へ小気味良くはまっていく。まさに痛快作だ。

米海軍のエリート・パイロットチーム、通称トップガンに「生還可能性ゼロ」の危険な極秘任務が与えられる。未熟な若者たちへ秘策を授ける教官として、急きょ古巣へ招かれたのは、マーヴェリックことピート・ミッチェル大佐(クルーズ)。数々の戦績を上げながら、昇進を拒否。テストパイロットになる道を選び、無人機が主流となりつつある現在も一人、飛び続けるアウトサイダーだ。

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選抜メンバーの中には、かつての相棒グースの忘れ形見、ルースター(マイルズ・テラー)がいた。グースは、マーヴェリックが操縦する戦闘機で訓練飛行中、不慮の事故で命を落とした。ルースターはマーヴェリックへの反発心をあらわにする。

前作の監督トニー・スコットは10年前に死去。そのスピリットを受け継ぐように、今作を手がけたジョセフ・コシンスキー監督は、象徴的な場面を再現した。カワサキのバイクを駆るマーヴェリックが、夕日を背に戦闘機と並んで疾走する、あのシーン。ほかにも、「変わらない」あれこれが懐かしさをかき立てる。

映画「トップガン マーヴェリック」
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

一方で、長い年月を経た故の変化もまた鮮やかだ。トップガンには女性パイロットがいる。さらに、「本物」を求めてCGを極力排した空中戦のリアルさ。俳優たちは、クルーズの指揮のもと5か月間の飛行訓練を受けた上で、実際の海軍パイロットが操縦する戦闘機に搭乗、演技する離れ業に挑戦している。コックピット内に据えたIMAXカメラ6台が、G(重力加速度)にゆがむ顔や、苦しげな息づかいを克明に伝える。臨場感は胸苦しいほどだ。

だが、最も「変わった」のはマーヴェリックその人だろう。「誰も死なせない」という強い思いに突き動かされた彼は、もう孤独ではない。その 変貌 へんぼう ぶりが、見る者の胸を熱くする。腐れ縁の恋人ペニー(ジェニファー・コネリー)と繰り広げるラブシーンはちょっと面はゆいが、還暦を前にしたトムのチャーミングさは、もはや奇跡。ノスタルジーには終わらない、新鮮な感動を味わわせてくれる。

読売新聞文化部 山田恵美)

トップガン マーヴェリック(米) 2時間11分。TOHOシネマズ日比谷など、公開中。

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