注目女優小野花梨が天才アニメーター役に

直木賞作家・辻村深月さんの小説「ハケンアニメ!」が吉岡里帆さん主演で実写映画化されます。同作は“アニメ業界”の舞台裏を描くお仕事ムービーです。天才アニメーター役を演じた若手女優の小野花梨(23)さんに映画の見所と、仕事への取り組み方について聞きました。

小野さんはNHK連続テレビ小説でのヒロインの幼なじみ役・きぬちゃんや、「新聞記者」(2022年・Netflix)では、就活に励む新聞販売店で働く大学生・横川繭役など話題作への出演が続き、子役時代から演技の経験を積んだ確かな演技力で、“ネクストブレイク女優として注目を集めています。

小野花梨さん

本作は、土曜夕方に放送されるアニメ作品という設定で、新人監督・斎藤瞳役(吉岡)と天才監督・王子千晴役(中村倫也)が、“アニメ界の頂点けんを目指してし烈な争いを繰り広げます。作画スタジオ「ファインガーデン」所属のアニメーター・並澤和奈役の小野さんは、若手ながらも “天才アニメーターとして業界では一目を置かれる存在を演じます。

街中でも役名で呼ばれる

――子役時代に、ドラマ「嫌われ松子の一生」(06年・TBS系)などに出演されていたそうですね。お芝居の世界に入ったきっかけは?

NHKの「おかあさんといっしょ」に出演したくて、劇団に入ったのですが結局年齢制限があって出演できませんでした。その後、子役のお仕事をしてきました。

――朝ドラのヒロインの幼なじみ役で、ネクストブレイク女優の登竜門として、注目されました。世間の反応はいかがですか?

街中でも役名の「きぬちゃん!」と呼ばれることもありました。すごく反響が大きくて、ちゃんとしなくちゃなと、身が引き締まる思いです。

アニメは日常の一部

――「ハケンアニメ!」の出演がきまってどうでしたか?

小野花梨さん

小説を読むのが好きで、高校生の時に学校の図書室で「ハケンアニメ!」を読んだことがあります。まさか、実写映画に自分が参加できるなんて、お話をいただいたときはとてもうれしかったです。

――今回の天才アニメーター・並澤和奈はどんな役ですか?

覇権を争う2作に関わるアニメーターですが、天才といっても仕事を一生懸命がんばって時間を作りデートをするなど、若いのに仕事はできるけど、プライベートも充実させたいという普通の女の子っぽいところも持ったかわいらしい女性です。

――デート中にもかかわらず、仕事で呼び出されてしまいましたね。

プライベートを充実させるために、ものすごく一生懸命に仕事をして終わらせたのに、また、仕事に呼び戻されちゃうのがすごく切ないんですよ。残業してせっかくデートに行ったのに、頼まれると断れない性格なんです。面倒見のよさというか、責任感というかそんなところがすてきです。頼まれると結局断れなくてやっちゃうのは、自分と重なって、共感できました。

――例えばどんな頼まれごとですか?

映画のワンシーン
天才アニメーター・並澤和奈演じる小野花梨さん ©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

家族に「帰りにスーパーによって牛乳を買ってきて」と言われて、本当は直帰したかったのに……とか。面倒くさいのにって思います。ちっちゃいことですけどね。

――和奈は、さーっと、ペンを走らせて絵に命を吹き込むような天才ぶりでした。ご自身は絵心はありますか?

子どものころからいつもアニメに接していましたが、美術の成績は全然ダメでした。和奈はすごいなっていう尊敬の対象です。

――アニメは好きですか?

オタクとかマニアというほどではなくて、娯楽として「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」といった話題作は見ています。

――子どものころ一生懸命に見ていたアニメは?

「ふたりはプリキュア」と「おジャ魔女どれみ」です。「クレヨンしんちゃん」とか「サザエさん」も毎週欠かさず観ていました。どれも日常の一部でした。

自分へのごほうびは

――「ハケンアニメ!」というタイトルから派遣契約で働くアニメーターのお話かと思いきや、アニメ業界の覇権争いのお話だったんですね。

そうなんです。ひとつの作品にかかわるたくさんの人たちの苦労が描かれています。

――そんな中でヒロインの吉岡さんや、ライバルアニメのプロデューサー・有科香屋子役の尾野真千子さんら、仕事に奮闘する女性の活躍が目立ちました。劇中で自分へのごほうびや、ストレス解消法、リフレッシュ法のシーンが多数ありましたが、ご自身はいかがですか?

私は高級チョコレートです。バレンタインデーの季節は、普段手に入らないチョコを専門店で買います。高いので、ちまちま食べます。私はインドア派なのでリフレッシュ法は、ひたすら家にこもって静かに過ごすことです。いろんな人に会う仕事だからなのかもしれませんが、スマホもオフにしてSNSとかも遮断して、それこそアニメだけを観て、社会から疑似的に孤立するというのを頻繁にやります。

――吉岡さんとはお話する機会はありましたか?

初共演でした。1、2シーンだけでほんの数時間の共演でしたが、それでも気さくに話しかけてくださってうれしかったです。吉岡さんはアニメ好きで、おすすめのアニメを紹介してくださいました。

――同じ事務所の柄本佑さんが、吉岡さんの監督作品の敏腕プロデューサー・行城理役として出演されていましたが、とてもかっこいい役でしたね。

私の最終撮影日にワンシーンだけご一緒しました。柄本さんの行城役、イケメンで、仕事もできるし、気遣いもできるしすごくすてきでした。柄本さん、スーツがすごく似合うんですよ! 脚もきれいでスタイルもいいし!

――本作はお仕事ムービーでしたが、小野さん自身、女優になっていなかったら、どんな職業に就きたかったですか?

お医者さんや弁護士、警察官のような人のためになる仕事は尊敬できるしあこがれます。でも、気軽に転職もできませんし、すごく努力や勉強が必要ですね。

――でも、女優さんだったら、全部の職業の役ができますね。

そうですね。楽しみです。

お母さん役をやりたい

――今後やってみたい役柄は?

お母さん役です。年齢的にまだ母親役はないですが、一人の女性として生きて、それでも家族という守る対象があって、すてきだなと思います。

――今まで共演したお母さん役で理想の女優さんはいますか?

子役の時に出演した映画「南極料理人」(09年)で母親役が西田尚美さんだったんですけれど、西田さんに優しくしていただき、楽しく現場でいろいろと面倒をみてもらったのを今でもすごく覚えています。最近も朝ドラでご一緒しました。舞台を観に行って偶然お会いすると「大きくなったね」と、まるで親戚のように今も変わらず見守ってくださいます。子役にとって、お母さん役の女優さんって、大人になってもずっと印象に残るんです。私もいつかお母さん役をやって、そんな存在になりたいです。今から楽しみにしています。

――最後に映画の見所を

普段は見ることができないアニメ制作の裏側をすごくリアルに描いています。アニメを作っている方がいて、こういう過程をへて作られていくんだというのを知っていただけるんじゃないかと思っていて、そこがおすすめポイントです。アニメ作品同士のVS構図だけじゃなくて、人と人とのつながりが大切です。あとは、劇中アニメのCGもすばらしくて、スクリーンで観るのを楽しみにしています。みなさんそれぞれ何かに打ち込んでいて、魂を込めて関わっていることがあると思います。大変なこともあるけれど、私だけじゃないんだというか、みんなで力を合わせてひとつの作品を作っているところを見ていただいて、前向きになれる作品になっていると思います。ちょっと疲れているとき、イライラしているときにぜひ、観ていただけるとうれしいです。

(聞き手、撮影:読売新聞メディア局・遠山留美)

©️2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

【公開情報】公開2022年5月20日(金)
「ハケンアニメ!」原作:辻村深月「ハケンアニメ!」(マガジンハウス刊)
監督:吉野耕平(『水曜日が消えた』)
出演:吉岡里帆 中村倫也 工藤阿須加 小野花梨 高野麻里佳 六角精児 柄本佑 尾野真千子
配給:東映
直木賞作家・辻村深月による、アニメ業界で奮闘する者たちを描いた熱いお仕事ドラマが、人気豪華キャストで待望の映画化。

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