バレーボール元日本代表・大山加奈さん…双子の子育て、周りの助けに感謝

バレーボール日本代表として活躍した大山加奈さん(37)は、スポーツトレーナーの夫と1歳の双子の姉妹を育てている。日増しにパワフルになる2人と過ごすと、「自分で抱え込まず、他人に頼ることの大切さを感じます」と笑う。

大山加奈さん
ATEYAKA提供

2月は2人の1歳の誕生日。自身のブログに「元気に1歳を迎えられてほっとしています」と率直な気持ちをつづった。

2人とのお出かけは周囲への気配りなどで疲労 困憊こんぱい するが、近くに住む妹や、近所の人が「孫も大きくなったから」と言って面倒を見てくれることも。「助けてくれる人がいるから笑顔で子育てできる」と感謝する。

大変さ共感し合う場

小学2年で始めたバレーボールで、主将やエースとして世代のトップを走り続けた。「私が下を向いてはいけない」といった考えが自然と身につき、弱音を吐いたり、人を頼ったりすることは苦手だった。

1人で抱え込みすぎたのか、2004年アテネ五輪に出場した頃、人前に出ると 動悸どうき がするなど心身に不調を抱えるようになった。「私はバレーボールをやっていなければ、何の価値もない」と思い詰めることもあったという。

現役を引退すると、症状は落ち着き、健康を取り戻した。ただ、結婚して不妊治療後に双子の妊娠が分かった時は、家族らからまた心身が不調になるのではと心配された。

「1人も育てたことがないのに、同時に2人も産んで育てられるのか」という不安から、双子を持つ先輩ママにアドバイスを求めると、「抱っこでないと寝ないので、夜通しソファで抱っこしたよ」「4日間全く寝られなかったこともあるの」など、想像以上に大変な話を聞いた。「夫婦だけでは無理。周りの人にも一緒に子育てしてもらおうと決めた」と振り返る。

低月齢の頃は文字通り「一日中」母乳をあげるなど大変だったが、近所の人らが2人の入浴のサポートや犬の散歩をするなどしてくれた。あまり表に出ない、そんな双子の子育ての日常をメディアで積極的に発信している。昨年12月、LINEのオープンチャット「大山加奈とふたごママのへや」を開設。「つらい」といった愚痴をこぼし、共感し合える場にするつもりだ。

「元アスリートの私が発信することで、同じ境遇の母親が周囲に助けを求められる環境づくりに貢献できたらうれしい」

努力する過程ほめる

活発な2人は最近ボールで遊ぶようになった。「長女はコロコロと転がせるし、次女は持って運んで、キックも上手にするんですよ」と目を細める。

2人ができたことをほめることももちろんだが、大きくなったら過程を認めたいと思う。自分自身、高校時代のバレーボール部監督から努力を認められてうれしかったからだ。監督は指示した方が早いことも、答えを教えるのではなく、考えて動くのを待ってくれた。「監督のように待てる親になりたい。なかなか難しいけれど」と笑う。

自分の弱さと向き合えなかった苦い経験も生かしたい。「2人には他人を認めるだけでなく、どんな自分でもすてきだと受け入れてほしい」と話していた。(読売新聞生活部 山田朋代)

大山加奈(おおやま・かな)

1984年、東京都生まれ。成徳学園高(現・下北沢成徳高)卒業後、Vリーグでも活躍。「パワフルカナ」の愛称で親しまれた。2010年に現役を引退、後進の指導にあたる。

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