写真だけの結婚式で友達を招待?失敗しないフォトウェディング新常識

コロナ禍に大勢を招待する結婚式や披露宴をためらうカップルに、写真だけの結婚式「フォトウェディング」が注目を集めています。従来は「式は挙げないけれど思い出を残しておきたい」「大げさなことはしたくない」という新郎新婦が、2人だけで写真に収まるのが一般的でしたが、最近では、家族や友達を撮影に呼ぶケースもあります。招かれたゲストは、どのような服装で行けばいいのか、ご祝儀はいくら持っていくのか、撮影に加わっていいのか……、結婚式の新たなスタイルのマナーを専門家に聞きました。

友達を招くのはアリ?ナシ?

読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に30代の女性から「フォトウェディングに友達を呼ぶ場合」という投稿がありました。経済的な理由から結婚式をあきらめ、せめて記念にとフォトウェディングを企画しました。夫と相談して女性の友達を1人だけ招くことにしましたが、「私たち2人が写真を撮っている中、手持ち無沙汰にならないか心配」だそう。撮影の後の会食は両家の顔合わせを兼ねているため、友達は呼ばない予定だといいます。

フォトウェディングに友達を招くという投稿に対して、批判的な声が相次ぎました。

「フォトウェディングにお友だちを呼ぶという選択肢があることを初めて知りました。あれは新郎新婦だけか、親族だけで行うものだと思っていたんですが……」(「Bon」さん)

迷惑ですよ。写真は写真で自分達だけで撮ればいいのに。あなた達は芸能人夫妻みたいにびっくりするほどの美形ならみたいけど普通の30代の夫婦のウェディング姿なんてあとで写真でみるのでじゅうぶん」(「パイナップル」さん)

「トピ主さんは友人を舞台装置か小道具だと思っているみたい。『私をお祝いするために友人が駆けつけてくれました』という演出の写真を残したいだけのよう」(「うら」さん)

親族や友達を招く結婚披露宴と2人の記念写真を撮るフォトウェディングは別物と指摘する声が多数派でした。

ウエディングパーク(東京都港区)が運営するフォトウェディングのクチコミサイト「Photorait(フォトレイト)」の事業責任者、小林司忠さんも「確かに、フォトウェディングというと結婚式の前撮りというイメージが強いですが、コロナで形式は多様化しています。友人を招待するプランもあります」といいます。

撮影の後に少人数のパーティーができるプランやオンライン結婚式を加えたプランなどがあるそうです。フォトウェディングにかける費用も年々上がっていて、同社の調査では、2020年4月~21年3月にフォトウェディングを実施した人(1515人)の平均費用は約21万円でした。中には100万円以上かける人もいるそうです。

フォトウェディングが人気
写真はイメージです

東京・神宮前にスタジオを構える「aim(エイム)東京原宿店」は昨春から、スタジオを6時間借り切ることができるプランを新設。10人まで招待でき、人数分の飲み物を用意。ウェディングケーキのオプションもあります。新郎新婦がゲストと談笑するシーンなども写真に収めてくれるそうです。大橋永店長は「新郎新婦の価値観やパートナーへの思いなどを事前に聞き、どんな写真を撮るか決めていきます」と、カップルそれぞれの気持ちを大事にします。

2人だけの思い出」から「イベント」へ多様化

「フォトウェディング」といっても、撮影後にパーティーや食事会を設ける披露宴さながらのプランも登場しています。ただ、フォトウェディングに招待されたゲストはどうしていいものか、マナーや作法に戸惑ってしまいます。

全国16か所にスタジオを持つワタベウェディング(東京都千代田区)のフォト企画チーム長、網倉文子さんは「ご友人を招待して撮影される方は増えていますが、結婚式、披露宴のように招待状を送るわけではありません」と言います。メールやラインなどで気軽に撮影の場に誘うケースがほとんどだそうです。

ゼクシィ関西版編集長の日置香那子さんは「イベント感覚で撮影するケースが多いのでは」と指摘します。普段着で集まった友達が、新郎新婦の撮影風景を見守るケースもあるそうです。

コロナ禍で挙式をためらっているカップルが、セレモニー気分をあじわいたいとフォトウェディングを活用するケースも増加。「2人の撮影の様子を見るだけなら、呼ばれた友人が正装をしたり、ご祝儀を用意したりする必要はないのでは」というのが日置さんの見解です。

所要時間、費用負担は明確に伝える

とはいえ、最低限の「気遣い」は必要です。婚礼文化研究家の鈴木一彌ひとみさんは、「撮影にご友人を呼ぶ場合は、まず両家のご両親に一声かけた方がよいでしょう」と助言。フォトウェディングに招く側、招かれる側の双方が心がけるポイントを次のように指摘します。

新郎新婦が気をつけること

〈1〉一緒に写ってほしいのか、晴れ姿を見てほしいのかを決める。一緒に写ってもらう場合、服装について希望を伝える
〈2〉撮影当日のスケジュールを明確にして、所要時間を伝える
〈3〉撮影場所まで自分で来てもらう際は、車代など費用の負担を考え、相手に伝える

招待されたゲストが気をつけること

〈1〉開始時間と終了時間を確認する
〈2〉何を着ていけばいいか服装を確認する
〈3〉ご祝儀を渡すなら披露宴に招待された場合と同じ3万円が目安(新郎新婦の希望を聞いて相当額のプレゼントでも可)

招待者から時間や服装について何も連絡がない場合、「『当日スムーズにお祝いできるように準備したいから』と詳細を聞いてかまいません」と鈴木さん。

鈴木さんは「冠婚葬祭は、こじれると後々まで嫌な記憶として残ってしまいます。招待する方も、招待される方も気持ち良く過ごせるように気遣いを」と助言しています。

(読売新聞メディア局 野倉早奈恵)

【紹介したトピ】
フォトウェディングに友達を呼ぶ場合

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鈴木一彌さんプロフィル
鈴木一彌(すずき・ひとみ)婚礼文化研究家

ブライダル業界に携わり38年。民俗学の観点から婚礼文化を研究している。時代劇やドラマの婚礼シーンの監修やウェディングプランナーの指導なども行う。日本ブライダルスペシャリスト協会代表も務める。協会のサイトはこちら

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