人の幸せを素直に喜べない。そんな自分がイヤです…

「人の幸せを喜べない」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。友達の恋愛・結婚・妊娠出産などの報告を聞いたときに、「人の幸せを素直に喜べない」というトピ主さん。その場では「おめでとう、私もうれしい」などと伝えるものの、本心では「なんで私には彼氏できんのやろう」「いいなあ」と感じてしまうのだとか。家族の幸せは願えるのに、「どうして他人にはそう思えないのか」「こんな自分が嫌でたまりません」とつづり、アドバイスを求めています。

「成功した人生」に見えて、競争心が刺激されるのかも

「本当は心から人の幸せを喜びたいし、みんなの幸せを願いたい」というトピ主さん。今回はまず「幸せ」について考えていきましょう。

「何を幸せと感じるか」は人によって、かなり違いがあります。たとえば、他の人から見れば「そんなことをして楽しいの?」「そんな物を集めて楽しいの?」と思われるような趣味でも、幸福感いっぱいに楽しんでいる人はいますよね。交際や結婚でも同様です。たとえ周りから「なぜその人にしたの?」「本当にその人でいいの?」と言われるような場合でも、本人がそれを幸せだと思えるならば幸せ、ということになります。逆に、周りに羨まれるような結婚をしている人が、内心では幸せだと感じられずに悩んでいる……なんてことも珍しくありません。発言小町内にも、そうしたトピは複数見られます。

要するに本来、「幸せ」とは非常に個人的なもの、ということです。そう考えれば、トピ主さんが指している「幸せ」は、むしろ「成功」に近い印象を受けます。恋人ができた、結婚や妊娠をしたなどの報告を聞くと、「人生に成功した」というふうに聞こえて、羨ましく感じるのではないでしょうか。恋愛や結婚、出産などは、多くの人が「それを手にしさえすれば、人生は成功と言えるに違いない」と信じているものだからです。

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投稿には「自分大好きというか目立ちたがりというか、世界の中心にいたいタイプなのかな」という自己分析もありますが、そうであれば、友人の話を聞いて「競争心」が刺激されていることも推測できます。たとえるなら、自分が受験生で必死に勉強をしているときに、先に推薦入学を決めた友人に対して「自分も負けたくない」という思いが刺激され、素直に「おめでとう」と言える心の余裕を持てない、という感じでしょうか。競争心ゆえのモヤモヤだと理解すれば、「人の幸せを心から願えなくても仕方ない」と多少は割り切れるかもしれません。

「成功した人生」と「幸せな人生」、どちらを目標にする?

世間的に「成功した人生」をつかむには通常、本人の努力に加えて、生まれもった幸運、成育環境の幸運、出会いの幸運など、さまざまな運も必要で、それこそ「ガチャ」と言われるような要素も関係してきます。加えて「成功」には幅広いランクがあり、上を見れば際限がありません。「成功した人生=幸せ」だと考えていると、幸せな人生を送ることはどんどんハードルが高くなってしまいます。

トピ主さんは、他人や世間から見て「成功した人生」を送ることが希望ですか? もしそうであれば、どんな要素があれば「成功した人生」と思えるのかを書き出し、受験と同様、その目標をクリアするために必死に努力をしていくのが最善かと思います。

そうではなく、「成功した人生ではなくても、幸せな人生を目指そう」と思うならば、「私は何をしているときにうれしいだろう? 幸せを感じるだろう?」といった自己分析から始めてみましょう。「好きなもの」や「それをしていれば幸せだと思えるもの」をピックアップしてみると、案外「今でも結構、幸せを感じられることをしているかも?」と気づける可能性があります。

そうなれば、恋愛や結婚の有無に関わらず、「私はそれなりに幸せな人生を送っている」という自己認識に変わっていき、その副次的効果として、友人の喜びの報告なども素直に祝える「心の余裕」も生まれることが期待できるでしょう。

できるだけ「幸せを感じられる環境」を作っていこう

普段はサービス業の施設で調理師として働いている、というトピ主さん。お客様の喜ぶことをしようと思えない、といった記述が見られますが、この悩みも「私はそれなりに幸せな人生を送っている」という自己認識を持てると心に余裕が生まれ、改善する可能性を感じます。「幸せ」を考える上では、以下の3点をぜひ心に留めておいてください。

(1) 幸せは主観的なもので、「当人がどう思うか」で決まる
(2) 「成功」を手にしていなくても、「幸せ」を感じることはできる
(3) 自分が幸せを感じていなければ、人の幸せを祝う「心の余裕」も持ちづらい

最後になりますが、投稿の「家族や親族などには本当に心の底から幸せを願っていて、自分を犠牲にしたことも何度もありました」という一文が少々気になりました。「身内には競争心を刺激されないから、シンプルに幸せを願える」ということならば問題はないのですが、自己犠牲的な献身を求められるような家族関係にあるならば、そのことがご自身の幸せの実感を阻害している可能性も感じます。

もしも「今の家庭環境、あるいは職場環境では、私は自由に幸せを感じられる状態になれないかも」と思うのであれば、仕事や住まいの環境を変えてみることも検討してみてください。100%満足ではなくとも、できる限り「自分が幸せを感じられる状態」を作っていきましょう。そのことによって、さまざまな悩みが改善につながっていくと思います。応援しています。

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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