国際ロマンス投資詐欺に注意…被害が急増、実態は不明

出会い系サイトやマッチングアプリを通じて親密になり、恋愛感情を持った相手から金銭をだまし取られる被害の相談が相次いでいる。中でも目立つのは、外国籍を名乗る相手から投資を持ちかけられる「国際ロマンス投資詐欺」の被害だ。被害回復は難しく、関係者が注意を呼びかけている。

マッチングアプリで出会った自称韓国人経営者にだまされ、500万円を投資

国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に昨年11月、30代女性から相談が寄せられた。女性は、結婚相手や恋人を探すマッチングアプリで、自称韓国人経営者の男性と出会った。男性はアプリを退会。女性は無料通信アプリに誘導され、やりとりを続けると、次第に「妻」、恋人を意味する「baby」と呼ばれるようになった。

男性は「2人の将来のため」と好意をにおわせ、自身が紹介する投資サイトで投資を勧誘。女性は断り切れず少額を投資し、利益が出て出金したところ、「元金が多い方がもうかる」と男性に勧められ、消費者金融などから約500万円を借りて投資した。出金しようとしたところ、保証金名目で180万円の支払いを求められ、男性に相談していたら連絡が途絶えた。

マッチングアプリなどに関する相談件数の表

国民生活センターによると、CCJに寄せられた出会い系サイトやマッチングアプリに関する相談は、2019年度は25件だったが、20年度は109件、21年度は214件と急増。相談を寄せた当事者は21年度、男女とも30、40代の割合が高かった。担当者は「新型コロナウイルス感染拡大の影響でリアルな出会いができず、アプリを利用する人が増えたからでは」とみる。

相談で目立つのが、外国籍を名乗る人物から暗号資産や銀行振り込みで投資を持ちかけられる事例だ。20、21年度の相談件数のうち、投資に関わるものは約85%を占めた。紹介される投資サイトは実態が不明のため、被害を回復するのは困難という。

甘い言葉で勧誘するが、実際には会わない

国際ロマンス投資詐欺びスマホでのやり取りのイメージ画面

実際に会うことを拒否する理由付けのため、外国籍を名乗っているとみられる。国民生活センターの担当者は、「アプリなどで出会った外国籍を名乗る相手から、甘い言葉で勧誘され、投資を指示されるのは国際ロマンス投資詐欺と考えられる」と指摘。「様々な名目で入金を要求され、相手と連絡が取れなくなる。投資しないでほしい」と注意を促す。

アプリの運営会社も対策に乗り出した。「タップル」は昨年12月、過去の不正利用者の行動特性をもとに、人工知能(AI)で利用者の悪質度合いを判定するシステムを導入。実際に出会う前に無料通信アプリの連絡先を交換することも禁止した。一般社団法人「結婚・婚活応援プロジェクト」は、事業者同士が手法や知識を共有し、不正会員対策を進める。

立正大教授の西田公昭さん(社会心理学)は、「人間には、好意を示してくれる人を好きになる原理があり、相手の好意に対して好意で返したい心理が働く」とする。その上で、「好意を得てから金銭を要求してくるのがロマンス投資詐欺の特徴。手口を知り、そうした勧誘には一層警戒してほしい」と話す。(読売新聞生活部 松本彩和)

こんなメッセージにご用心
・実際に会うことを拒否する
・マッチング後すぐに連絡先の交換を迫る
・投資やビジネスへの勧誘 日本語がおかしい
・投資サイトに移動、送金するよう求める
※タップルへの取材に基づく

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