新生児が泣き止まない「魔の三週目」医師が教える対処法と乗り越え方

おむつもぬれていない、おなかも減っていないはずなのに、なぜ泣きやまないの――。赤ちゃんが泣いている原因がわからない! 読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、赤ちゃんが生後3週間あたりに泣き続ける「魔の3週目」に悩む母親たちからの投稿が寄せられています。専門家に話を聞きました。

生後1か月の男の子を抱える「ちょこ」さんは、「生後22日頃から昼夜問わず寝ぐずるようになり、授乳・おむつチェックをしてもギャン泣きが止まらず睡眠不足の毎日。夜間にぐずられると本当にキツい」と投稿しました。「ゆみ」さんも「生まれてすぐはよく眠る子だったのに、ちょうど3週目から、飲み終わっても寝ない! いつもなら飲んだらそのまま寝るのにギャン泣き」と「魔の3週目」のつらさを吐露します。

外界に慣れる過程

6人の子供を出産、育児している産婦人科医師の吉田穂波さんは、「赤ちゃんがギャン泣きすることはコリックという名で知られており、黄昏たそがれ泣きという言い方もある」と説明します。生後2週目から目立つようになり、6~8週にピークを迎え、困惑する母親たちから「魔の3週目」と呼ばれています。

コリックには「3の法則」があるそうです。はっきりとした原因がない赤ちゃんのギャン泣きは、1日に3時間以上、1週間に3日以上、3週間以上にわたって続くとされていますが、生後3~4か月で次第に改善していきます。

腸内環境の変化やガスがたまるなど、赤ちゃんのおなかに変化が表れ、泣くようになるのではないかという研究結果があり、母親の胎内から出てきた赤ちゃんが、外の世界に慣れるためのプロセスと考えられています。

コリックか病気か見極めるポイント

赤ちゃんが「どうしても泣きやまない」ことは珍しいことではありません。病気ではないとはいえ、まるで痛みを感じているような様子で真っ赤な顔をしている赤ちゃんを見ると、「どこか悪いのでは」「どこか痛いのでは」と心配になるのが親心です。

赤ちゃんが泣き叫ぶ「魔の三週目」に戸惑うママたち
写真はイメージです

そこで、泣きやまないのがコリックの症状かどうかを見極める「PURPLE CRYING(パープルクライング)」という確認方法があります。

P:Peak 生後6~8週にピークがある
U:Unpredictably 予測がつかない、突然泣き出す
R:Resistant どんなになだめても効き目がない
P:Pain 痛みを感じているような様子
L:Long periods 長い間
E:Evening 夕方に多い

「痛みを感じているような様子」だけであればコリックと思われます。血の混じった便、噴射するように吐くといった、ほかの症状も表れる場合は病気の可能性も疑われます。「赤ちゃんは泣かないほうが心配。元気に泣くのは元気な証拠です」と吉田さんは説明します。

赤ちゃんは泣く生き物

赤ちゃんが最もよく泣く生後6~8週間の時期は、母親も産後の疲れが残っています。赤ちゃんの激しい泣き声に、動揺したり、不安に思ったりする母親もいます。黄昏泣きとも言われるコリックは、家族が疲れている夕方から夜に泣くことが多いことでも知られています。

コリックの対処法は、普段赤ちゃんをあやすのと同じやり方です。赤ちゃんに話しかけたり、歌を歌ったり。吉田さんは「その子が好きな抱き方などをして、赤ちゃんの心地よい環境を作ってあげるといいです」とアドバイスします。

吉田さんが第4子を出産したアメリカでは、コリックの対処法について動画で指導を受ける機会がありました。「泣き止まない赤ちゃんを前に、おろおろするお父さんが映し出されていました。『赤ちゃんは泣く生き物』ということを前もって知っておくのも重要です」

さらに吉田さんは、赤ちゃんの面倒を見る親へのケアが重要だと強調します。赤ちゃんを転落・転倒しないような場所(ベビーベッドなど)に寝かせ、親が心と体を休めること。イライラしても、赤ちゃんを揺さぶったり、泣きやませようとして口をふさいだりする危険なことは絶対に避けなければいけません。

「乳幼児突然死症候群(SIDS)に注意していれば、安全なベビーベッドで、多少の時間、泣かせておいても大丈夫。コリックはいつまでも続くのではなく、必ず終わりがあります。自分のリフレッシュ方法を探しておくとよいでしょう」とアドバイスしています。(読売新聞メディア局 渡辺友理)

【紹介したトピ】
▽魔の三週目の乗り切り方

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吉田穂波プロフィル写真
吉田 穂波(よしだ・ほなみ)
産婦人科医師

医学博士・公衆衛生学修士、神奈川県立保健福祉大学教授。日・独・英で約20年の臨床経験ののち、行政機関での勤務を経て現職では公衆衛生学を教える。4女2男を国内外で妊娠・出産・子育てする傍ら、母子保健領域の専門家として、また子育て当事者として、人生の基盤となる乳幼児期の健康サポートに情熱を傾ける。『社会人に最も必要な「頼る」スキルの磨き方』(KADOKAWA)をはじめ、著書多数。

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