箱根にニコライ・バーグマン「庭園」”映え”より自然体験型

プリザーブドフラワーを箱に詰めたアレンジメントで知られるニコライ・バーグマンさんが、箱根の自然を生かした庭園を作りました。4月15日のオープンに先駆け、「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」を訪ねました。色鮮やかなフラワーボックスは、SNSで“映え”アイテムとして人気ですが、その華やかなイメージとはまったく異なる、ありのままのナチュラルな姿が広がっていました。

東京から1 時間、ありのままの自然

庭園は標高約600メートルの山の中にあります。内覧会時点では、約2 万8000 平方メートルの敷地の約半分が公開されていました。植生も土地の勾配も元々の自然の環境を生かしたそうです。

メインエントランスに立つと、クマザサ、ケヤキ、モミジなどが森を作り、野鳥のさえずりが耳に響きます。思わず深呼吸をすると、すがすがしい緑のにおいを感じました。この地を選んだ理由について、バーグマンさんは「東京から車で1時間ちょっとでこの自然を楽しめる。特別ですよね」といいます。故郷デンマークにはない標高の高い環境も魅力的だったといいます。

バーグマンさんの案内で園内を巡ります。新緑にはまだ少し早い時期でしたが、落ち葉が敷き詰められた遊歩道は歩くたびにサクサクと軽やかな音を立てます。

バラやチューリップなどを整然としつらえた「庭園」とは一線を画し、「まずはありのままの自然を楽しんで。皆さんが想像するガーデンとは一味違いますから」とバーグマンさん。坂道の途中には、アイビーをからませた球状のオブジェや枝を組み合わせた鳥の巣のようなオブジェが姿を表し、「箱根の自然の中に、ポンポンと私の色、作品を置いていきたくてね」。洗練されたデザインは、彩りを放つのではなく、周囲の自然に包まれるように溶け込んでいます。

ニコライ・バーグマンさん
「ここに来ると自然が一番だと実感する」と話すニコライ・バーグマンさん

8 年の「実験」250 種を観察

その言葉で思い出したのは、2015年秋に取材したときのこと。バーグマンさんは庭園の構想について「自然の力を借りながら時間をかけて『作品』を作るイメージ」と語っていました。

オープンまでの約8年の間に「実験」を繰り返しました。どんな花がどの時季に咲き、開花期間がどれくらいか、園内のアトリエで約250種の植物を観察していったといいます。

山の過酷な環境では「どれも育ちにくい」ことが分かり、「モバイルガーデン」というコンセプトを打ち出すことにしました。ツゲ、ツバキ、アジサイなど箱根に自生していた植物は、地植えをし、それ以外の花はプランターやポットで、四季折々の一番美しいタイミングに庭園で飾るという趣向です。訪れた日は、チューリップ、ムスカリ、ペチュニアなどがかれんな花を咲かせていました。

「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」に咲くムスカリ
「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」に咲くムスカリ

一方、箱根の自然も季節に応じて優しい色合いを生み出します。もう少し暖かくなればケヤキが芽吹き、柔らかな新緑を楽しめるほか、初夏に向けて色とりどりのアジサイが庭園を彩り、秋にはススキの群生が銀色に波打つといいます。「何度来てもそのたびに新しい景色を楽しめるようにしたい」とバーグマンさん。

庭園そのものが巨大なアート

園内には、自然光がたっぷり入る北欧スタイルのカフェやショップ、イベントやワークショップを行う建物が点在しています。庭園の最上部に位置する「バレービューパビリオン」は見晴らしがよく、晴れた日には富士山も眺められます。

バーグマンさんもお気に入りの場所。「バスケットづくりのワークショップをしたり、子供向けにフェースペイントをやったりしてもいい。冬にはクリスマスマーケットもやりたいね」とワクワクした表情で語ってくれました。

ノムカフェで提供されるメニュー
「ノム カフェ」で提供されるサラダやサンドイッチには箱根の食材がふんだんに使われている

バーグマンさんは、「時間をかけて庭園を育てていく。もちろん、季節やトレンドに合わせて変化する庭園をね」と話していました。庭園はさながら巨大なアート作品。その創作の過程を体感しに、箱根に足を延ばしてみてはどうでしょうか。

ニコライ・バーグマンさんが手がけた箱根の庭園
箱根の大自然を満喫できる「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」 (提供写真)

(読売新聞メディア局 野倉早奈恵)

ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ
住所 神奈川県箱根町強羅1323-119
電話番号 0460-83-9087
休園日 毎週月曜
入園料 事前予約 大人1500円、中学生以上の学生1100円
詳しくは公式サイト

 

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