「ファンタビ」シリーズ最新作、最強の魔法使い2人が激突

「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」は、冒頭から違和感があった。「大人のハリー・ポッター」と呼ばれるシリーズ第3弾は、いよいよ最強の魔法使い2人が全面的に激突する。人間界に攻め込み支配するよう魔法界を導くグリンデルバルドと、それを阻止しようとするダンブルドア(ジュード・ロウ)。かつて固い絆で結ばれていた2人が相対し、お互いの思いを語り、決別する場面から物語は始まる。だがグリンデルバルドが前2作と違う。役者がジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに変わっているのだ。元妻との裁判などでデップが降板させられる「大人の」事情があったようだ。

しかし、違和感はすぐに消えていく。ミケルセンは「存在感」という強力な魔法で、ずっと以前からこの役を演じていたように思わせる。それに多少のことではシリーズの世界観は揺るがない。見事な美術と世界最高峰のVFX(視覚効果)、そして「ハリー・ポッター」シリーズから見続けてきたファンの「歴史」が支えているからだ。

「歴史」は物語への新しい観客の参入を困難にすることもあるが、この作品に限れば心配はない。物語はある意味シンプル。不正な手段で国際魔法使い連盟のリーダーとなり、魔法界を牛耳ろうと計画するグリンデルバルドとその軍団に対し、ダンブルドアが率いる6人のチームが立ち上がる。大将同士は事情があって直接的には戦えない。そこで6人が作戦を遂行する。

チームには魔法動物学者のニュート(エディ・レッドメイン)やその兄(カラム・ターナー)ら魔法使いのほか、普通の人間のパン店主(ダン・フォグラー)も加わる。未来が見えるグリンデルバルドと強力な軍団に対し、「魔法力」で圧倒的に不利な弱小チームがいかに戦うかが見どころだ。

映画「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」
(C) 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.

中国、英国、米ニューヨーク、ドイツ、オーストリア、ブータンと世界を舞台にスケールの大きな戦いが展開する。クライマックスはブータンの迷路のような街。多勢の軍団に追われながらニュートの兄らが戦う場面は、銃を魔法のつえに変えた西部劇のガンファイトのようだった。神獣キリンや様々な甲殻類を合体させたような怪物マンティコア、ニュートのカバンから出てくるおなじみの面々などの魔法動物も面白い。

物語世界の設定は前2作でほぼ説明されているので、アクション映画として伸び伸びと話を展開できたのが成功の理由だろう。監督は前2作に続きデイビッド・イェーツ。

読売新聞編集委員 小梶勝男)

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(米) 2時間23分。有楽町・丸の内ピカデリーなど。公開中。

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