オンライン寄せ書きが人気…コロナ禍で利用増

コロナ禍の影響で、大人数による送別会を行うのが難しい中、「オンライン寄せ書き」が注目されている。同じ場所に集まらなくても、感謝の気持ちを手軽に一つの形にできるのも魅力だ。

「大勢のメッセージ集めることできた」

「こんなこともあったなあ。懐かしい」。2月下旬、東京都品川区のIT会社のオフィスで、奥出直樹さん(29)は、同僚ら約70人からの「贈る言葉」が並んだ2枚の色紙を眺めてはにかんだ。

新卒で入社し4年勤めたが、別のIT会社に転職する。奥出さんの門出を祝おうと、上司だった柳晋平さん(38)が利用したのが、オンライン寄せ書きサービス「yosetti(ヨセッティ)」だ。

仲間からもらった寄せ書きを眺める奥出さん(手前)(東京都品川区で)
仲間からもらった寄せ書きを眺める奥出さん(手前)(東京都品川区で)

寄せ書きのデザインを選び、同僚らにURLを送信する。そこにメッセージなどを、それぞれが書き込めば、寄せ書きは完成する。色紙に印刷して希望の住所に届けることができる(税込み2948円から)ほか、ウェブ上で見ることなども可能だ。

サービスの運営会社によると、2019年の色紙の作成数は約6万枚だった。新型コロナウイルスの感染が拡大した20年は約15万枚、昨年は約27万枚と利用が伸びている。

柳さんは、在宅勤務者のほか、退社した元同僚など約70人に声を掛けた。「オンラインだから、こんなに大勢のメッセージを集めることができた」と笑顔を見せた。

印刷・配達可能、書籍タイプも

「贈り物」としての特別感を重視したサービスもある。ITサービスを手がける「iUM(アイム)」(東京)の「スゴヨセ」は、最大246人の寄せ書きを1冊の本にまとめられる。「色紙は保管しにくい」という社員の声から書籍タイプの寄せ書きが誕生したという。アルバムのようにページごとに写真を入れることもできる。製本の場合は1冊税込み1980円から。

製本して贈ることもできるスゴヨセ
製本して贈ることもできるスゴヨセ

動画を通じて感謝の気持ちを寄せ合うサービスも人気だ。企業のブランド戦略を支援する「I&CO Tokyo」(東京)が提供する「Gifvie(ギフビー)」は、1人10秒程度の動画を最大64人分までつないで、1本の「ギフトムービー」に編集して贈ることができる。

2月以降、卒園や卒業のお祝い、送別目的の利用が増えているという。料金は税込み550円から。担当者は「学校生活の大半をコロナ下で過ごした人もいる。節目のお祝いを形にして残してもらえれば」と話す。

複数の動画をつなげ、集合シーンのように表示できるギフビー(提供写真)
複数の動画をつなげ、集合シーンのように表示できるギフビー(提供写真)

第一生命経済研究所主席研究員の柏村祐さんによると、オンライン授業が続く中、「オンライン寄せ書き」は、顔を合わす機会が減った仲間同士や組織の一体感を感じる効果などが期待できるという。「デジタルの便利さもあり、手軽に完成度の高い寄せ書きの色紙を作ることができる。今後も幅広い世代に広がっていくだろう」と話している。(読売新聞生活部 山田朋代)

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