ペットと暮らしやすい家…習性や安全面を考えた快適な部屋作りとは?

室内で犬や猫を飼う人が増え、ペットと暮らしやすい家に関心が高まっている。猫が上り下りするためのステップ、汚れに強い床や壁など、各メーカーは開発に力を入れる。リフォームや新築の際は、ペットの習性や安全面を考慮して検討したい。

大津市の女性(28)は、夫と2人暮らしで、猫2匹と犬3匹を室内で飼っている。昨年11月に自宅を新築した際、リビングの壁に、住宅設備大手リクシルが開発した猫用ステップ「猫壁にゃんぺき」を取り付けた。

全体が強力マグネットになっているパネルを壁に貼り付け、その上にステップとトンネル、ボックスの3種類の機能パーツを設置する。パネルの貼り付けは施工が必要だが、パーツはマグネット着脱式で自由に配置換えできる。

ペットとの快適な暮らしのため、自宅の壁に猫用ステップ「猫壁」などを設置した女性(大津市内で)=提供写真

女性は「パーツの位置を変えても壁に穴が開かないのはうれしい。猫も飽きずに遊べると思う」と話す。

ほかにも、壁の高い位置に窓とキャットウォーク(通路)を設けて猫が外を眺められるようにしたり、傷や汚れに強い床材を使ったりした。犬は床などで、猫は壁で過ごすことが増え、共存が楽になったという。「家族全員が気持ちよく暮らせる」と満足そうだ。

同社開発担当の藤原未帆さんは「家族の一員であるペットのために住環境を快適にしてあげたいという飼い主は多く、ニーズは高い」と話す。

ペットフード協会(東京)が2021年に実施した全国犬猫飼育実態調査によると、飼育場所は「室内のみ」と「散歩・外出時以外は室内」を合わせ、猫は91.3%、犬は86.7%が室内だった。

リフォーム事情に詳しい、「東京ガスリノベーション」の1級建築士、松本美穂さんによると、室内でペットを飼う人の悩みには、主に壁や床などの傷や汚れ、臭いがある。松本さんは「リフォームや新築の際は、傷や汚れに強く、脱臭機能などがついた製品を選ぶといい」と助言する。猫は高い所が好きで犬は穴蔵のような天井の低い場所を好むなど、ペットの習性に適した住環境にすることも勧めており、同社のホームページでリフォームのポイントなどを紹介している。

床や壁に傷・汚れ対策 、 習性考えた設備

各メーカーは、ペットとの暮らしに役立つ製品を次々発売している。

パナソニックは2月、花粉やペットのフケなどに含まれる物質の働きを抑制する効果があり、汚れや傷が付きにくい床材「アーキスペックシリーズ」を発売。抗菌や抗ウイルスなどの成分を配合した塗装を施している。

リクシルは、ダニなどのアレルゲンの働きを抑制するタイルを開発。玄関用の床タイルや屋内壁タイルを発売した。

大建工業は、専門家の監修で、ペットの安全に配慮した製品を開発する。犬の歩行に配慮した滑りにくい床材「ワンラブフロア4」や、ペットの飛び出しを防ぐ格子状のドア「ねこゲート」などがある。

猫の飛び出しを防ぐ「ねこゲート」=提供写真

同社は、カタログ「ペットと暮らす」を作成。犬や猫の習性をふまえた住まいづくりのヒントを紹介する。同社ホームページからも閲覧できる。(読売新聞生活部 矢子奈穂)

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