堤真一、「妻、小学生になる。」が前進のきっかけになれば

妻、小学生になる。(TBS系)金曜午後10・00
事故で亡くなった妻・貴恵(石田ゆり子)が、小学生の万理華(毎田暖乃)の姿で10年ぶりに圭介(堤真一)の前に現れる。ふさいでいた圭介と娘の麻衣(蒔田彩珠)は受け入れ、家族としての時間を取り戻して新たな人生を歩もうとする。

シリアスからコメディーまで、人間味豊かに演じ分ける実力派が選んだのは“情けない、甘えた”夫。「共感できないッス」。はっきり言い切った。

堤真一さん

演じる圭介は、10年前に最愛の妻・貴恵(石田ゆり子)を事故で亡くし、娘の麻衣(蒔田彩珠)とともに生きる気力を失っていた。「娘の人生まで駄目にせず、悲しみを越えていかなきゃいけないのに」とダメ出しし、こうも続ける。「俺の人生、全部君(妻)のためにって感覚はない」。それ故、情けない男と思わせる芝居を心がけた。

ただ、自身にも妻と娘がいる。家庭環境は圭介と変わらず、心境は複雑だ。もし彼と同じ境遇に陥ったら「頑張って生きなきゃ、笑顔見せなきゃって思うだろうな……」。しみじみと語る。

そこに貴恵の生まれ変わりという10歳の女の子(毎田暖乃)が突然現れ、圭介は失った時を取り戻していく。

「大切な人を失って希望をなくす人はいる。僕は『頑張りましょうよ』とは言えないけど、少し目線を変える、前に進むきっかけの作品になればうれしい。人間の再生の話です」。家族のあり方も考えさせる作品となっている。

ドラマの中心は妻役の毎田だが、「お芝居に関しては子どもだからって遠慮せず話していく」。現場では“父親”としても接しているようだ。

「山買いたいんですよ。手つかずな荒れた山が」。今年やりたいことを聞くと、笑顔を見せた。「ブランコを作ったり、キャンプをしたりして子どもをのびのび遊ばせたい。そんなことばっかり考えてます」

強い心と人への優しさ。その人柄が実力派たるゆえんだ。

戻りたい過去はない

Q もし小学生に戻れたら。

A 人生で戻りたい過去はないんです。自分が変わらないと人間って変わらないもんです。この先も成長できるチャンスがあるんだったら、戻らずに人生をやりたい。

Q 最近叱られたことはありますか。

A 家でビールを飲んでると、娘に「もうトトはビールばっかり」って言われます。

Q 年下の共演者とは現場でどんなお話を。

A 子どもと1対1だったら普通にしゃべるんですけど、子ども同士のゲームや漫画の話には……ついていけないです。

(文・読売新聞文化部、道下航 写真・佐藤俊和)

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堤真一(つつみ・しんいち)

1964年7月7日生まれ。兵庫県出身。映画「クライマーズ・ハイ」やフジテレビ系ドラマ「やまとなでしこ」など出演多数。「ALWAYS 三丁目の夕日」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞。5月からは舞台「みんな我が子」が始まる。

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