木下ゆーきに聞く…いいとこ取り育児の夫にいらつく妻、どうする?

SNSに投稿した、アパレル店員風に赤ちゃんに話しかけるおむつ替え動画が約18万いいねとバズった、タレントで子育てインフルエンサーの木下ゆーきさん(32)。現在0歳児を含む3児の父親で、シングルファーザーの経験もあります。ユーモアを交えてくすっと笑える、126個の子育て情報を2冊目の著書「世界一楽しい子育てアイデア大全」(KADOKAWA)で紹介しています。そんな木下さんに、共働き夫婦によくある、イクメン夫への不満解消法を教えてもらいました。

――SNSや著書で、たくさんのユニークな子育てアイデアを披露していますが、アイデアはどこから?

木下ゆーきさん、著書のイラスト
おむつ替えをアパレル店員風にやってみよう!(「世界一楽しい子育てアイデア大全」より)©モチコ

 子育てをしていて、子どもが言うことを聞いてくれないっていうのはもう日常茶飯事のことです。ヤダヤダっていう子どもに対して、無理やり言い聞かせようとしても、うまくいかないことが多かったり、こちら側にも多大なストレスがかかったりしますので、もう一種のあきらめみたいなところがあります。

例えば、ご飯を食べてほしいときに、いやがって食べない。そんな時、「言われたときに食べなさい!」っていう方向じゃなく、「そっか、食べたくないんだね」って、向こう(子ども)の要求に1度乗っかってあげて、「そっか、食べたくないときもあるもんな」と共感する。そこで、子どもに「何したい?」って聞いて、「遊びたい」と言ったら、「じゃあ、クイズをしようか」ってね。

「『キ』から始まる首の長い動物な~んだ?」ってクイズを出して、子どもが「キリン!」と答えたら「正解した方にはごはんをプレゼント!」みたいな感じで。本当は遊びたいという子どもの要求に1回乗っかってあげるっていうことを、一種のあきらめからアイデアを見つけ出したことがありました。子どものちょっとした要求に1回乗っかってあげると、子どもは自分の要求が満たされたみたいな錯覚を起こして、楽しくなります。そこで、どさくさ紛れにご飯を食べさせてあげられたという成功体験が過去にありました。「そうだよね」って、1度同意してあげて、相手に合わせて乗っかってあげると、結構うまくいきます。

いいとこ取りの自称「イクメン」にアドバイスを

――読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、いいとこ取りの自称「イクメン」の夫に対する不満が日々投稿されています。「たまに子どもをお風呂に入れたり、ご飯を食べさせたり、遊んだりしただけで、子育てをやった気になるな!」ということだと思います。母親は、24時間365日ですもんね。

たぶん子育てが楽しいと思っているうちは、全てはできていないと思います。本当に子育てをフルでやったら、もう大変ストレスがたまります。

例えば、ご飯を食べさせるとかっていう「点」だけで見るとまだ楽だし、楽しいし、余裕のある行動になると思うんです。けど、ご飯を準備するところ、調理するところから片付けまでするという、ちゃんと「点」じゃなく一連の「線」でやるっていうことは、すごく大事なんですが、どうしても「遊んだ」「おむつを替えた」「お風呂に入れた」の「点」だけをやって、子育てをできた気になってしまっている人が多いっていうのは、やっぱり、「点」じゃなく「線」でやるっていう意識がすごく大切なのかなと思っていますね。そういう人の意識って変えられるんですかね(笑)。

子どもをお風呂に入れて、遊んで、体を洗い終わって、「はい、お風呂に迎えに来て!」とか母親を呼んで終わり。ただ、子どもを湯船に漬けるだけの本当に楽な楽しい部分でしかないですけど、実際はお風呂の掃除をして、お風呂にお湯をためてその間に子どもたちの着替えを用意して、洗い終わった後には体を拭いて、保湿して着替えさせて髪の毛乾かして終えるまでが「線」の子育てです。最初から最後までやると、本当に時間もかかるし大変な作業なので、やっぱり何事も「点」じゃなく「線」でちゃんと最初から最後までやるっていうのが大切なことなんじゃないのかなっていうふうには思いますね。

「焼きそばでいいよ」で炎上も

木下ゆーき

――妻へのちょっとしたひと言で地雷を踏んで、大炎上することもありますね。

子どもにつききりで、夕ご飯を作れなかった妻に対して「じゃあ、簡単に焼きそばでいいよ」とか「野菜炒めでもいいよ」と言う人がいると聞きます。妻からしたら「よけい面倒くさいよ。でいいよじゃねえよ。焼きそばも野菜炒めも簡単じゃねえよ!」ってなりますよね。2歳児じゃないんだから、口動かさないで、手を動かそう(笑)。

僕が日頃から意識しているのは、自分よりもパートナーの方が、ちょっとだけ大変だというふうに思うようにしていて、そうすると、自分がめちゃくちゃ頑張ったぞっていうときでも、自分よりパートナーの方がちょっとだけ大変なんだっていうふうに思うと、ちょっと何か頑張ろうっていう気持ちにはなるんです。

――SNSを見ると楽しそうな家庭です。どんな反響が多いですか?

「ここの家に生まれたかった」みたいなのは、結構コメントとかでも書かれている方いますけど、でも、実際は結構厳しいですよ。楽しそうなところだけ切り取ってSNSには出ていますけど、たぶんみなさんと同じように、部屋を片付けても散らかっていきますし、忙しいときは、今日はもう、昼ご飯はカップラーメンでいいねっていう日なんてしょっちゅうありますし、雨の日なんて一日中パジャマのまま過ごす日だってありますし、他の家庭とあんまり変わらないと思います。子どもに対しても楽しそうに接しているっていうシーンばかりSNSに上がっていますけど、食事のときに「いただきます」を言わないとか、お茶わんを持って食べてないとか、くちゃくちゃ音を出して食べているとか、そういうのもいちいち事細かにピシッと指摘をしているので、なかなか子どもに対して厳しい家ではあるかなと思います。

――子育てにもメリハリが重要ですね。

そうですね。ずっと楽しいだけだったらダラダラダラダラ甘やかしにもなってしまいますし、そこの線引きというか、けじめというのはすごく大切だと思っているので、しっかりとしつけをするところは、ピシッと言うし、そうじゃないところはもう本当に全力で子ども以上に楽しもうっていう気持ちがありますね。

――SNSで子育て情報を発信しようと思ったきっかけは?

長男がまだ幼かった頃、寝かしつけをしていたのですが、夜泣きがすごくて、夜中に2時間真っ暗な部屋の中を抱っこして歩き回ったことがあったんですね。それでも、全然寝なくて、ようやく寝かしつけた後に開いたSNSで、当時独身の同級生が、友達と居酒屋で肩組んでビールジョッキを持って「いえーい!」って楽しそうにしている写真を見て、すっごく孤独感にさいなまれたことがあったんです。同じように子育てで悩み苦しんでいる人たちがSNSを開いたときに、何かクスッと笑って「また頑張ろう」って思えるようなものを発信できればいいなっていう思いが根底にありました。笑いを交えた発信というのをSNS上で行っているんですが、僕の投稿を見て、「子どもを出産して数か月たちますが、ずっと笑っていなくて、木下ゆーきさんの投稿を見て、久々に笑うことができました」とか、「木下ゆーきさんの投稿見て、ふふふって笑えて、また明日から頑張れます」みたいなコメントをいただくことがちょくちょくあって、そういうのは、僕自身がやりたいなと思っていた部分でもあるのですごくうれしいです。自分自身もまた頑張ろうっていう励みになりますね。

――特に動画で木下ゆーきさんがおむつを丸める動作の手際の良さに感心しました。

(笑)それは、おむつメーカーさんの努力のたまものです。

――パートナーと、子育てについて意見が対立することはありますか?

子育てについて対立することはあまりないですね。全く対立したことがないというのは、ものすごくいいか、悪いかのどちらかだと思うので、もう本当に夫婦で同じ目標に向かって考えているっていう状態なのか、それとも僕に対して何か言いづらい雰囲気を出しているからパートナーが意見を言ってこないっていう可能性もあるかもしれないので、日頃から「何かある?」とか、「何か嫌なこととか不満とかある?」と伝え合っておくっていうのは大事なことなのかなと思います。

――今や「子育てインフルエンサー」になりました。それに対してパートナーは?

パートナーは全然いじってきますけどね(笑)。子どもを寝かせようと思っても、全然寝てくれなくて、やっと寝たと思って布団に置いたとたん「うえーん」って泣いちゃう、子育てあるあるのときとか、僕に「あれぇ? 子育てインフルエンサーなのにね~」とか言ってきます(笑)。

ガッキーからの電話にドキドキ

――大手小町では働きながら子育てをしているお母さんのユーザーが多いのですが、アドバイスはありますか?

木下ゆーき

そうですね。シングルファーザー時代に普通の会社員として働いていたので、働きながら子育てをされている方の気持ちはすごく分かるんですけど、仕事中に保育園から呼び出しの電話がかかってきて、「お子さんが熱を出したので迎えに来てください」という電話に、すごく胸がズーンと重たくなるような経験をしてきました。それを回避するためのテクニックを伝授しますね。

僕はスマホ上の保育園の登録名を新垣結衣さんに変えていました。そしたら保育園から電話かかってきたときに、「○○保育園」じゃなくて「新垣結衣」って出てくるんで、ちょっとだけ違うドキドキ感を味わえます。

その後の対応は何も変わらないんですけど、ただ迎えに行って、その日の夜に家族とか友達とかに、「いやガッキーから迎えに来てほしいって電話かかってきちゃってさ」っていう話をすると、「え、いやいやどういうこと!?」って言われると「実はこうでね」って。迎えに行かなきゃいけないとか、発熱したとかいうそのマイナスな気持ちが、ちょっと時間がたつとプラスの楽しいエピソードに変わるので、自分の心も楽になるし、周りを楽しませることができるかもしれません。著書にも載っているので、もしよかったらやってみてください。

――著書を手に取る方へのおすすめを

お風呂とか歯磨きとかご飯のシーン別で、全部で126個のアイデアを収録していますが、やっぱり子どもは100人いれば100通りの性格がありますし、その子によって、合うアイデア、合わないアイデアもあると思いますし、タイミングによっても合う、合わないがあると思います。子どもは、今日食べてくれたものも、次の日はいらないって食べてくれなかったりするような、本当に気が変わりやすい生き物です。 

126個収録している中から、全部やらなきゃいけないんだっていうふうに思わずに、「これ面白そうだから今度やってみようかな」と、ちょっとした実験みたいな感覚で楽しんでもらえたらいいかなと思います。中には、「誰がやるんだよ、これ」っていうような、ふざけたアイデアをちりばめてはいるので、読みながら子育てをもっとうまくやらなきゃなんじゃなくて、「なんだよ。こんなふざけたの誰がやるんだよ」っていうような、肩の荷が軽くなるような一冊として楽しんでほしいなと思います。

(聞き手・読売新聞メディア局・遠山留美)

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木下ゆーき
タレント 3児の父。

笑いをまじえた子育て情報を発信するインフルエンサー。アパレル店員風おむつ替え動画が人気。著書に「#ほどほど育児」(飛鳥新社)、「世界一楽しい子育てアイデア大全」(KADOKAWA)がある。

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