日本では神戸の動物園でしか会えない、野性味あふれるボブキャット

ボブキャット

前回は個性的な猫のいる熱海のバーをご紹介しましたが、今回は「ボブキャット」。こちらもかなり個性の強いネコです。なんといっても野性のネコですから。猫(イエネコ)と同じネコ科に属する「ボブキャット」は日本の動物園では神戸市立王子動物園でしか見ることができません。国内唯一の貴重な「ソラ」(メス・7歳)です。初めてソラを見たとき、とてもイエネコに近い印象を持ちました。大きさはイエネコの約2倍なので、大きい猫種のメインクーンを思い浮かべますが、ソラには猫にはない独特のかわいらしさがあります。強いまなざしとはつらつとした雰囲気。これが野性の魅力でしょうか? 王子動物園の中でも人気者なのもうなづけます。

ボブキャット

自然の空のようにきれいに、大きく育ってほしいという願いを込めて名づけられたソラは、その名のとおり、のびのびとした性格です。2016年、ソラは2歳の時にアメリカ・ミネソタ州から王子動物園にやって来ました。一般的にネコ科の動物は警戒心が強く、新しい環境に慣れるには時間がかかるそうですが、ソラはすぐに慣れたそうです。

ボブキャット

飼育員さんに聞くと、甘えてあおむけに転がりおなかを見せたり、おり越しにすり寄り、触ってほしいとアピールしたり、とてもなつこい性格。といっても、飼育員さんは一定の距離を保つように心がけているそう。おりに近づき過ぎると鋭い爪で攻撃されることもあり、野性であることを片時も忘れていないようです。
(観覧時、動物たちを興奮させると体調をくずすことがあるため、優しく見守ってください)

ボブキャット

ボブキャットとは北アメリカ大陸のほぼ全土に生息する野生ネコ。森林や草原、半砂漠地帯から都市近郊に至るまで多様な環境に適応しています。個体数が多い割に目撃情報が少ないのは夜行性で単独行動をとることが影響しているらしく、人の知らないところで、ウサギやネズミなど小型の哺乳類などを捕って暮らしているそう。ちなみに名前の由来は短い尾(ボブ)です。

シベリアオオヤマネコのベル
シベリアオオヤマネコのベル

実はソラの隣の展示場では、同じネコ科のシベリアオオヤマネコがいます。ボールで遊んだり、のんびりしたりと、日光を浴びてうとうとしている姿は一般のネコと変わりない、ボブキャットとは同じ属の仲間。シベリアオオヤマネコもしぐさはネコと同じ。この日はベル(メス)がボールを転がして遊んでいました。ボブキャットのソラのふわもこ感に対し、動きも機敏でシャープな印象を受けます。

シベリアオオヤマネコのアル
シベリアオオヤマネコのアル

シベリアオオヤマネコはカップルで同居しています。2頭はラブラブというより、しっとりした距離感で大人な雰囲気。オスとメスの顔や体や動きに違いがあって、見ていて飽きません。なにより表情が“エモい”と評判で、アル(オス)のこの表情、どこか心に訴えかけるものがあります。シベリアオオヤマネコの隣はマヌルネコ。オオヤマネコもマヌルネコも公開している国内動物園は少なく、三つの猫の仲間たちを並びで見られる王子動物園は猫好きさんにオススメです。

発売中の拙著『美しすぎるネコ科図鑑』(小学館)でも、ネコ科の特徴、生態、ネコ科に会える動物園などを詳しく紹介しています。

神戸市立王子動物園神戸市立王子動物園
住所:兵庫県神戸市灘区王子町3-1
電話:078-861-5624
休園日:水曜日(祝日の場合は開園)
公式サイト http://www.kobe-ojizoo.jp/

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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)
グラフィックデザイナー&写真家

盛岡市生まれ。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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