オミクロン株流行、家庭内の対策を専門家に聞いた

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が流行し、子どもの感染者が急増している。家庭で感染を広げないための対策や、感染をどう理解したらいいのかなどを専門家に聞いた。

子どもの感染急増

東京都内の女性会社員(33)は、保育園に通う長女(2)が1月21日、PCR検査で陽性と判明した。女性と夫(33)は陰性だが、2月上旬まで自宅待機が求められているという。

長女に症状はなく、「部屋は分けられず、くっついて甘えてくる。感染が心配だけど、運命共同体だと思うしかない」と女性は困惑する。

陽性が判明しても、重症化することが少ない子どもは自宅療養が基本になる。新潟大教授の斎藤昭彦さん(小児感染症学)によると、自宅療養でも特別な準備は必要ないという。オミクロン株では喉が痛くなることも。脱水予防の水分補給には喉ごしのよいゼリーやプリンも重宝する。

家庭内感染を広げないため、斎藤さんは自宅でもマスクを着けることや、手洗い、換気など、基本的な感染対策の徹底を呼びかける。

感染した子どもにもマスクを着用させたいが、「つらそうなら無理のない範囲で」と斎藤さん。2歳未満は窒息の恐れがあるため、着用は勧めていない。

感染した子どもが触った物に家族が触れた時は手を洗おう。自宅内でも携帯用のアルコール消毒液を持ち歩き、こまめに手指を消毒するといい。排せつ物にはウイルスが含まれる可能性があり、子どものおむつ替えが必要なら手袋をし、交換後には手を洗う。

換気も重要だ。冬場に窓を常時開けるのは難しい。斎藤さんが勧めるのはメリハリのある換気だ。子どもが大泣きしたり、たくさん話をしたりして、 飛沫ひまつ が多く飛んだ恐れがある時には窓を開ける。

子どもが幼いと完全な隔離は難しい。斎藤さんは「できる範囲の対策で、家庭内感染のリスクを下げましょう。家族などに感染しても、責任を感じすぎないで」と話す。

イライラや恐怖感 受け止める

全国の10歳未満の新型コロナウイルス新規感染者は1月19~25日の1週間で4万1863人で、累計で15万人を超える。感染は珍しくない。

全国の10歳未満の新型コロナ新規感染者数の推移を示したグラフ

国立成育医療研究センター(東京)共同研究員の半谷まゆみさん(小児科医)は「子どもたちの間で、コロナに関する差別や偏見が深刻化することが心配だ」と懸念する。

同センターが2020年11~12月、全国の小中高校生(回答者924人)にコロナに関するアンケート調査を行ったところ、「自分や家族がコロナにかかったら秘密にしたい」が63%に上った。「コロナになった人とは治っても遊びたくない」も22%いた。

半谷さんは、〈1〉感染対策をしても誰でも感染する可能性がある〈2〉治れば問題ない――を子どもに伝えることが重要だと指摘する。「感染しても誰も悪くない。大人が子どものイライラや恐怖の気持ちを受け止めた上で、正しい知識を伝えてほしい。自分も周囲の人も大切にするよう家族で心がけましょう」と話す。

子供に新型コロナ感染のストレスを緩和する方法
国立成育医療研究センターらが作成した「こどもが考えた 気持ちを楽にする23のくふう」から=提供画像

同センターのホームページには、子どもがストレスを発散できるようにするヒント集「こどもが考えた 気持ちを楽にする23のくふう」が掲載されている。

■家族が感染した時の家庭での対策■(斎藤さんへの取材から)
  • こまめに手洗いをし、タオルは共有しない。アルコール消毒も有効
  • 適切に換気する
  • 感染者と接する際には距離を十分に取る
【新型コロナを含めた子どもの差別やいじめの相談先】
    • 法務省「子どもの人権110番」(平日午前8時半~午後5時15分) 0120・007・110
    • 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」 0120・0・78310

(読売新聞生活部 林理恵、矢子奈穂)

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