冷凍食品、コロナ禍で需要増…ラーメンやギョーザも自販機で

新型コロナウイルスの影響で買いだめをする人が増え、便利な冷凍食品が人気を集めている。スーパーなどが品ぞろえを充実させているほか、街中でも自動販売機が増えており、今まで以上に身近な存在になりつつある。

長期保存利く

冷凍食品を中心に品ぞろえしたスーパー「みんなの業務用スーパー Lynx(リンクス)」が昨年5月、福島県に誕生した。同県会津若松市の店舗は約500平方メートルの店内に冷凍ショーケースがずらりと並ぶ。

冷凍食品が並ぶリンクスの店内(福島県会津若松市で)
ずらりと冷凍食品が並ぶリンクスの店内(昨年12月、福島県会津若松市で)

収穫したての野菜などは置いていない。様々な肉や魚、カット野菜のほか、調理済みの加工食品など約1300種類の冷凍食品が並ぶ。他は日持ちする飲料や菓子などだけという割り切りぶりだ。

家族6人の食材をまとめ買いしていた同市の主婦(45)は「ここで全てそろえられる。解凍すればすぐに食べられるし、保存もきくから冷凍食品は便利」と話す。

人気はピザやギョーザといった定番のほか、1年近い長期保存も可能なパンやデザート。地元企業と開発したオリジナル商品のパスタソースなども評判だという。

リンクスは福島県内に4店舗あり、今月、5号店が誕生する予定だ。同県を中心にスーパー約70店を展開するリオン・ドールコーポレーションが運営する。執行役員の大沼孝さんは「冷凍食品の売り上げは伸びており、コロナ禍でのライフスタイルの変化を感じている。今後も需要は高まっていくのでは」と期待する。

また、フランスの冷凍食品専門スーパー「ピカール」は14年に進出し、東京を中心に約20店舗を展開している。おしゃれなイメージがあるフランスからの輸入品が豊富だ。

店の廃棄減少

コロナ禍で買い物の回数を減らしたり、飲食店の利用を控えたりする動きが広がり、長期保存できる冷凍食品をまとめ買いする人が増えている。総務省の家計調査によると、「冷凍調理食品」の年間支出額(総世帯)は2020年は6563円で、前年から約14%増えた。

販売側としても食品の廃棄を減らせる利点があり、冷凍食品売り場を拡張するスーパーやコンビニが増えている。

ローソンは冷凍食品の陳列を既存の約2倍にする改装を順次進めている。デザートや弁当、刺し身など冷凍の新商品を投入するなど、25年度には冷凍食品の売り上げを20年度の5倍に引き上げる目標を掲げる。イトーヨーカドーなども冷凍食品売り場を拡張した店舗を増やしており、オリジナル冷凍食品の品ぞろえを強化している。

駅で有名店の味

小売店以外にも冷凍食品を販売する動きが広がる。東京メトロは昨年11月、南北線飯田橋駅の改札内に冷凍ラーメンの自動販売機を設置した。有名店のラーメンやギョーザが1000円前後で販売され、持ち帰り用保冷キット(200円)もある。同社の担当者は「世代を問わず人気があり、単身や共働きでも便利な商品を選んだ」と話す。同駅以外の設置も検討中だ。

東京メトロ飯田橋駅の改札内に設置されたラーメンの自動販売機
東京メトロ飯田橋駅の改札内に設置されたラーメンの自動販売機

飲食チェーン店やラーメン店では、店舗前に自社の冷凍ラーメンなどの自動販売機を設置することも多い。

ニッセイ基礎研究所上席研究員の久我尚子さんは「共働きの増加で冷凍食品の需要は高まっていたが、コロナ禍がそれをさらに後押しした」と分析。その上で「商品開発が進んだうえ、手軽に購入できるようになった。小分けに保存できるなど使い勝手もよく、今後も需要は高まっていくだろう」とみている。(読売新聞生活部 及川昭夫)

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