在宅ランチは台湾カステラ?腹八分より少ない「0.7食」グルメ

1日の1食分を「おやつ以上食事未満」で軽く済ます動きが広がっている。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、活動量が減った結果、コロナ禍以前と同じ食事量では食べ過ぎだと感じる人が多いためだ。そんな「腹七分」に向けた「小容量」「0.7食」の商品が登場している。

コンビニ「ちょい」や「一膳」

2020年3月から在宅勤務を続けているという都内の女性会社員(29)は昼食の量を減らしている。出勤していた頃は同僚とランチを楽しんでいたが、在宅勤務では小さな弁当や焼き芋などで済ませる。「通勤しないと体を動かさないので、おなかがすかない。昼食は腹八分だと食べ過ぎ。六~七分ぐらいにしています」と話す。

ローソン「ちょいシリーズ」のパスタ(左)と通常サイズのパスタ

コンビニエンスストアの弁当にも「少なめ」が登場している。ローソンは「小容量の商品がほしい」という声を受け、容量が通常商品の7~8割程度の「ちょいシリーズ」を20年11月から展開している。現在は天津飯、カレーうどん(いずれも税込み399円)などが販売中だ。購入者の約7割が女性だといい、広報担当者は「小容量にしたことで、女性からの支持が新たに増えた」と言う。

セブン―イレブンも小容量の弁当「一膳ごはん」シリーズを21年5月に売り出した。様々な具材がのったご飯は約150グラムと少なめで、「鶏と玉子のそぼろ」(税込み270円)などが販売中だ。ほかにも、「カップデリ」や「カップ寿司」など小容量の総菜があり、組み合わせても楽しめる。

マリトッツォやカレーパンが流行した理由

ホットペッパーグルメ外食総研(東京)が昨年9月、20~30代約2000人に行った調査によると、コロナ禍で「通勤やスポーツなどを含め、1日の平均的な運動量は減った」と約半数が回答。約4割は「1日3食を毎食しっかり食べることは食べ過ぎ」と感じているという。

少なめの1食が広がっており、同総研はこれを「0.7食」と名付けた。上席研究員の有木真理さんは「運動量が減って空腹感も少なくなり、1食を健康的な腹八分より少ない七分に抑える流れが生まれた。軽食とはいえ、おやつ以上の食べ応えがあるマリトッツォやカレーパンなどが流行した」と分析する。

実際、東京・新富町にあるイタリア菓子店「リートゥス」では、シチリア島の郷土菓子「カンノーリ」(税込み800円)を1食の代わりにする人もいるという。筒状に揚げた生地の中にリコッタチーズがたっぷり詰まり、両端にピスタチオがまぶしてある。店主の塩月紗織さんは「食べ応えがあるので、これ一つだけでかなり満足感がありますよ」と話す。

シチリア島の郷土菓子「カンノーリ」
イタリア菓子店「リートゥス」で一番人気というカンノーリ

また、同総研が着目するメニューのなかから、今後食べてみたい「おやつ以上食事未満」の軽食について聞いたところ、以下のような結果になった。

5位 焼き小籠包
4位 台湾カステラ
3位 フルーツサンド
2位 マリトッツォ
1位 フルーツ大福

「0・7食」の広がりについて東京聖栄大准教授の福留奈美さんは、「よく体を動かし、しっかり3食取るのが基本だが、在宅時間が増え、活動量不足が気になって摂取エネルギーを制限しようと考える人も多い。ただ、1食は軽くしても、残り2食は栄養素をしっかり取る必要がある。米を中心に、魚や肉、野菜など多様な食材を使ったおかずや汁を組み合わせた和食を積極的に取り入れるなど、栄養バランスに留意することを忘れないようにしましょう」と話している。(読売新聞生活部 梶彩夏)

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