牛乳廃棄を防ぐ大量消費レシピとは? 風呂上がりにサイダー割り

年末年始に、牛乳などの原料となる生乳がかつてない規模で余り、大量に廃棄されそうだとして、国や業界団体が「できるだけ牛乳を飲んで!」と呼びかけています。メーカーも生乳を多く使う商品の販売や、牛乳を使ったレシピを発信するなど、「みんなで廃棄を防ごう!」との機運が高まっています。

農林水産省は12月17日、学校給食がなくなる年末年始に生乳約5000トンが廃棄される可能性が出ていることを明らかにしました。1リットルの牛乳パックに換算すると約500万本分に相当します。岸田首相も、「年末年始に、牛乳を飲んで!」と訴えました。

今年は夏が涼しかったため、生乳の生産量が増えているそうです。一方で、生乳を原料とする土産用の菓子の売り上げは低迷し、乳製品の消費が落ち込んでいます。さらに牛乳の消費は学校給食がなくなる年末年始に少なくなるため、余剰が出る恐れがでています。乳牛は病気を防ぐために毎日搾乳する必要があり、需要が落ち込んでいるからといって、生産量を調整することはできません。

例年この時期は余剰を使い切ろうと、乳業メーカーは保存できるバターやチーズへの加工を進めますが、長引くコロナ禍で、外食向けの乳製品の需要も回復していない状況で、これ以上在庫を持つことが難しくなっているそうです。

年末年始の需要低下による牛乳の廃棄を防ごうとの機運が高まっている。大手小町 読売新聞
写真はイメージ

メーカーも商品を企画するなど、工夫しています。JA全農は12月1日、国産牛乳をたっぷり使用した「ミルクティー」を数量限定で発売。国産の茶葉を使用し、一般的なミルクティーよりも、牛乳の分量を多くしており、50%以上を占めます。関東地方のAコープなどで順次販売しているほか、全農が運営するECサイト「酪市酪座」で予約販売しています。24本入りで税込み3900円。カネカ食品が今年1月に発売した「パン好きのミルクティー」(500ミリ・リットル、税込み311円)も北海道産の生乳を70%と多く使っています。

明治が12月13日に期間限定で発売した「明治北海道十勝ナチュラルチーズ4品」は、北海道の新鮮な生乳を100%使用。この時期の酪農家を支援する商品として企画されました。

コンビニ店も協力。ローソンは12月31日と1月1日の2日間、全国の店舗でホットミルクを半額の1杯65円(税込み)で販売すると発表しています。

レシピの提案も相次いでいます。料理レシピサービス「クックパッド」は、この年末、牛乳を使ったレシピを集中的に発信。自家製ホワイトソースや焼きプリンなど、牛乳を一度に1リットル以上使うレシピを特集したり、作った料理の写真に、「#牛乳大量消費」を付けて投稿するように呼びかけたりしています。レシピには、グラタンやミルクスープパスタ、フレンチトーストなどがあります。

クックパッドでは、牛乳大量消費を特集している 大手小町 読売新聞
クックパッドでは、「牛乳大量消費」メニューを特集している

雪印メグミルクも「牛乳をもっと飲んで!もっと食べよう!」と題し、ホームページに牛乳や乳製品を使ったレシピを掲載。ちゃんこ風ミルク鍋、白い麻婆マーボー豆腐など和風、洋風、中華、デザートまで、ジャンルも多彩です。

新しい牛乳の飲み方って?

牛乳好きで、これまでに全国500種類以上の牛乳を飲み歩き、魅力を発信している「ミルクマイスター高砂」さんに、簡単で新しい牛乳の飲み方を紹介してもらいました。

【牛乳×サイダー】

サイダーの甘味と牛乳の甘味がマッチしたバランスのいい組み合わせ。炭酸の刺激が牛乳によって和らぎ、ごくごく飲めます。サイダーの爽やかな香りと、牛乳のミルキーな香りが相まって、リラックスできる優しいテイストに。特に、お風呂上がりに飲む1杯は最高! シュワッとした刺激プラス、牛乳の優しさでホッとひと息つけます。

【牛乳×トマトジュース】

トマトの酸味を牛乳の甘味で包み込み、まろやかになります。味はポタージュっぽくなるので、冬は電子レンジで少し温めて飲むのがオススメ。仕上げにオリーブオイルを垂らすのも◎。朝食や夕食のスープ代わりにもなります。

【牛乳×豆乳】

牛乳派、豆乳派がいらっしゃると思いますが、この二つは実は仲良し! 豆乳の甘さと牛乳の甘さがミックスされ、味に奥行きが出ます。大豆のなめらかさが加わり、まろやかでうま味のある飲み口です。起床後、最初の1杯や、朝食と共に飲むのもいいですね。甘さ控え目で食事にあわせてもおいしく飲めます。

高砂さんによると、牛は暑さに弱く、水分を飲み過ぎてしまうなどの理由で、夏の牛乳は乳脂肪分が低くなるそうです。「冬になると乳脂肪分が高くなるため、甘味や旨味を感じやすくなって、牛乳もおいしくなります。牛乳の新しい楽しみ方を発信することで、酪農家の支援や食品ロスの削減につながれば」と話します。ひとりひとりの行動は小さくても、その1杯が、もったいないを減らす大きな力になるかもしれません。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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