オミクロン急拡大、自分用を持ち運べる「紙石鹸」が人気

手を洗う機会が増えたコロナ禍で、紙石鹸せっけんの人気が復活しています。コンパクトに持ち運べるため、外出先でも便利に使えます。かわいいパッケージや好みの香りのものを選べば、気分よく手洗いできそうです。

紙石鹸は、水に溶ける紙に石鹸成分を塗布したもの。乾いた手で1枚ずつ取り出して使い、手のひらの上で水を含ませ、両手でこすると泡立ちます。昭和生まれの人にとっては、駄菓子屋や文具店などで目にしたことがある懐かしいアイテムですが、当時を知らない若い世代には新鮮に映っているようです。

文具・雑貨メーカー「ハイタイド」(福岡市)が2021年3月に発売した「ニューレトロ 紙せっけん」は、かわいい絵柄が紙のパッケージに描かれ、懐かしい雰囲気が漂う商品。5種類あり、パッケージに子どもが描かれた商品はシャボンの香り、ハトのイラストは無香料で米ぬかエキス配合、食事のイラストのものはレモンの香りなど、それぞれ香りや配合成分が異なります。40枚入りで、税込み462円。

ハイタイドの広報担当者によると、コロナ禍で消費者の衛生観念が高まる中、懐かしい紙石鹸へのニーズが高まると予想して商品化。SNSなどで話題になり、発売から3か月で1万2000個以上売れ、しばらく品切れが続くほど人気商品になったそうです。

コロナ禍で紙石鹸が人気。銀座ロフトで取り扱うレトロな雰囲気の商品や、ロールタイプ。大手小町 読売新聞
「銀座ロフト」では、「ニューレトロ紙せっけん」(上段)のほか、ロール紙タイプ(右下)なども取り扱う

「銀座ロフト」(東京都中央区)でも、コロナ禍の昨年から紙石鹸を取り扱っています。徐々に種類が増え、「ニューレトロ 紙せっけん」など10種類を販売しています。「ペーパーソープ ハーブの香り」(50枚入り、税込み308円)という商品は、ハーブの香りがさわやか。ポケットサイズのプラスチックの容器入りで、1枚ずつ、取り出せて、使いやすくなっています。必要な分だけを切り取って使うロール紙タイプの商品(税込み880円)や、ポーチ付きでミッキーマウスなどディズニーのキャラクターをかたどった紙石鹸(30枚入り、税込み770円)などもあります。

「公共の液体石鹸、触りたくない」

「『公共の場で、誰が触ったかわからない液体石鹸を触りたくない』『外出先にハンドソープを持ち歩きたい』という人に支持されています」とロフト広報の田中寛子さん。店では携帯できる液体タイプのハンドソープも売れていますが、軽くてかさばらず、液漏れの心配がないのが紙石鹸の良さだといいます。

紙石鹸は、和紙の産地など日本各地で作られています。岐阜県美濃市の和紙関連品メーカー、米長こめちょうでは、25年ほど前から紙石鹸を製造。近年は観光地のお土産用など細々と作り続けていましたが、新型コロナで注文が殺到。2020年は発注数が前年の30倍にもなったそうです。雑貨店などで販売する商品に加え、企業がノベルティー(販促品)として使いたいと、注文するケースが目立ちます。

若い世代からは「どうやって使うかわからない」との声も寄せられ、会社のホームページで使い方を動画とともに紹介しています。

【使い方】
1、必ず乾いた手で1枚取り出す。
2、手のひらにのせてから、水またはぬるま湯をたっぷりと含ませる。
3、両手でよく泡立てて洗い、流す。

同社の紙石鹸は殺菌や薬用効果はないものの、丁寧に泡立てて使うため、時間をかけて手洗いできるといいます。米長の営業本部長の戸田賢治さんによると、紙は軽いため、「子どもでも持ち運びしやすい」との声が寄せられるほか、石鹸として使うだけでなく、香り付きのものを名刺入れや手帳などにはさんで、移り香を楽しんでいる人もいるそうです。

感染力の強さが指摘されるオミクロン株の市中感染が国内で確認されるなど、「第6波」の到来が心配されています。お気に入りの紙石鹸で丁寧に手洗いをして、感染予防に努めたいものです。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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