夫の家事に妻はイライラ! 夫婦仲をこじらせない対応策とは

かつて、「夫が家事をしてくれない」というのが妻の悩みの一つでした。最近は、夫婦の家事や育児の分担は当たり前に。ところが、相変わらず、妻は夫の家事のやり方にイライラ、夫は妻の小言にムカムカ。家事が夫婦仲をこじらせることも。読売新聞の運営する掲示板サイト「発言小町」に「夫の炊事にイライラしてしまいます」という投稿が寄せられています。

やりっ放しの夫

トピ主の「ぱやい」さん夫婦は共働き。結婚当初、夫は家事をまったくせず、「俺の飯は?」と発言するタイプでした。度重なるケンカを経て、ようやく少しずつ家事をしてくれるように。ところが……。

料理をすれば、早めに使ってほしい生ものではなく、冷凍庫の食材を使う。もちろん、賞味期限など確認しない。キッチンは汚しっぱなし、調理器具は放置。大きさを考慮せず、小さい皿の上に大きい皿を重ねて収納します。洗濯をすれば、妻の帰宅直前に浴室乾燥を始めるので、しばらく風呂に入れません。そもそも乾燥を忘れることが多く、洗濯物がかび臭い!

何度注意しても、「そういうのはわからない」「忘れていた」と言うばかり。そのたびにトピ主さんは絶句したり、イライラしたり。どうしたら夫にわかってもらえるのか、「発言小町」にアドバイスを求めました。

夫の進化を評価すべき

夫の教育は長期戦というのは「ウィンク」さん。まず、優先順位の高いものから教え込む。例えば、夫が新しい卵から使うなど、「ま、それくらいじゃ(死なない)」と思うことはスルー。イライラしなくなるまで8年かかったそうです。「共同生活は、鈍感力も大事」とアドバイスします。

「moon」さんは、夫に完璧な家事を求めるのは無理といい切ります。「ウィンク」さんも優先順位を決めて徹底させ、あとは大目に見て、上手にできたら褒めてあげる。子供と向き合う気持ちで取り組むように提案します。「結婚生活を続けるなら、ものの見方を変えることも大切。そして、時には息抜きをして心を潤して」と励まします。

トピ主さんが干渉しすぎという意見もありました。「ジークフリード」さんは、自分のやり方を100%通したいなら、自分でやるしかないとコメント。「家事をやるようになった夫の進歩を評価すべき」と書き込んだのは「みか」さん。「もっと信頼して任せた方が、さらに進化できるはず」と夫の可能性に期待します。「うまい棒」さんは、家事を分担してほしい、自分のやり方も通したい。欲張るから両方に不満が出るのだと指摘します。

夫に気持ちよく家事をしてもらうか、自分が満足できる家事をするか。なかなか難しい選択かもしれません。

片付けを終わらせるまでが料理

同棲どうせい中の彼氏にイライラしている人も。「料理しながら洗わない人」というトピを投稿した「You」さん。2人の決めたルールは「作ってもらった人が食器を洗う」こと。彼氏は料理中に片付けも洗い物もしません。食べるときにはキッチンはカオス状態。食器も含め、洗うのはトピ主さんです。一方、トピ主さんが料理を作る時は作りながら同時に洗うので、彼氏がやることは食器を洗うだけ。「だんだん、不公平に感じてきました」といいます。

彼氏いわく、「料理は時間勝負、片付けている暇はない。料理が冷める」。ゆでたり焼いたりしているとき、いくらでも洗えるだろ……と、トピ主さんは納得できません。料理中に片付ける習慣を身につけてほしいそうです。

夫の家事に妻はイライラ!
写真はイメージです

これに対して、ルール変更を提案するコメントが多く見られました。交互に食事を作り、作った人が後片付けまでやる。そうすれば、後片付けの大変さがわかり、料理しながら片付ける工夫を考えるはず……という意見は「はるはる」さん。他にも「こけもも」さん、「しんちゃん」さんも「片付けまでが料理」といいます。

「ルール変更は目からウロコ、彼に提案してみます」とトピ主さん。そして、彼氏への感謝の気持ちより、不満が募るようになったことを反省。他人と暮らすことの大変さを痛感したそうです。はたして、彼氏はルール変更に応じてくれるでしょうか。

家事は夫婦のコミュニケーションツール

家事は時間のある方、得意な方がやればいい……という考え方はもはや通用しません。「家事をやってくれない不満から不仲」→「不仲だから相手の分も家事をするのが不満」と負のスパイラルに陥り、夫婦関係が悪化することも考えられます。お互いが気持ちよく家事をする方法がないものか、NPO法人「tadaima!」の代表を務める家事シェア研究家の三木智有さんに聞きました。

「男女を問わず、家事をメインでやっている人には独自のルールがあります。パートナーの家事スキルが低いことより、相手が自分のルールに合わせてくれないことが問題なんです。そして、ルールを押しつけられた側は反発します。例えば、『食器を大きい方から重ねて』と言われたら、夫は『そんなのどっちでもいいじゃん』と思う。大きい方から順に重ねる必要性を感じてないから、『そういうの(意味が)わからない』と答えるんです。あなたの決めたルールを私が守る理由はない……となってしまう」と三木さん。

では、どうしたらわかってもらえるのでしょう。

「ルールは2人で決めるものです。『重ねた食器が倒れて、お皿が割れそうなの。どうしたらいい?』と相談すればいい。相手は、『じゃあ、バランスよく重ねよう』とか『違う場所に収納しよう』とか解決案を考えてくれるはずです。お互いにアイデアを出し合って決めれば、相手も納得してくれる。『あなたが勝手に決めたルール』ではなく、『2人で決めたルール』になる。他人事から自分事にするプロセスが大事なんです」

三木さんは、「家事はコミュニケーションツール」だといいます。「何よりも、普段からコミュニケーションを取ることが大切。家事を通して夫婦の在り方や関わり方を考える絶好の機会と捉えてください。夫に家事をやってもらうのではなく、『2人で家事を共有する』という共通認識が重要なんです」。

さらに、三木さんは「話し合いの基本は課題を提示して、いっしょに解決案を考えること。やみくもに自分の言い分を通そうとすると、『私の言い分、彼の言い分、どっちが正しい?』になってしまう。双方に正義があって、どちらも譲らないので、いつまでたっても平行線。問題は解決しません」と指摘します。

家事の割合は不平等でも構わない

2021年版の厚生労働白書によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、夫婦ともに家事・育児の負担が増加傾向にあり、とくに女性へ偏って負荷がかかっているそうです。この結果について、三木さんは「例えば、妻が8割、夫が2割の家事負担を平等ではないと、一概に決めつけられない」といいます。

「家事は分担割合より、不満の解消が大事なんです。実際の作業量を5:5にするのではなく、お互いがフェアだと思えることです。『家事は私が7~8割やっているけど、育児は彼が積極的にやってくれる』など、対等感があれば不満はなくなります。それが、8:2でも6:4でも構わないんです。夫婦間が対等であれば、関係はぎくしゃくしないものです。それを作り上げていかないと、不満は解消しません」

「料理を作りながら洗わない」彼氏に、ルール変更を提案した「You」さんは、どうなったのでしょう。「彼は私の気持ちにまったく気づいてなかったらしく、とても驚いていました」とのこと。そして、ルールの変更に応じてくれたそうです。2人の話し合いの様子は、まさに、三木さんの提案した「課題を提示して、いっしょに解決案を考える」になっていて、とても参考になりました。ぜひ、一読してみてください。

(読売新聞メディア局 後藤裕子)

【紹介したトピ】
夫の炊事にイライラしてしまいます。
料理しながら洗わない人

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三木智有
三木智有(みき・ともあり)
家事シェア研究家

 リフォーム会社でインテリアプランニング、施工管理、営業販売などの業務を経て独立。フリーのコーディネーターとしてマンションオプションの販売、内装工事、個人宅のコーディネートなどを行う。2011年に“ただいま!”と帰りたくなる家庭であふれた社会の実現を目指すNPO法人・tadaima! を設立。日本唯一の家事シェア研究家として、家事シェアを広める活動を行う。 現在、オンラインでお片付けをサポートする「お片付けBoot Camp!」運営中。

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