ふんわりした食感…クリスマスに味わうイタリアの伝統菓子「パネットーネ」

イタリアでクリスマスシーズンに食べられる伝統菓子「パネットーネ」。近年、日本でも作る店が増え、手に入りやすくなっている。今年のクリスマスに、家族や友人と味わってみてはいかが。

独特の甘い香りとふんわりとした食感

ドーム形が特徴のパネットーネは、ミラノが発祥地とされる。本場では直径約20センチ、高さ15~20センチ、重さ1キロほどのものが多い。小麦粉や果物からおこした酵母を使って乳酸発酵させ、レーズンやかんきつ類などのドライフルーツを入れて焼く。発酵による独特の甘い香りとふんわりとした食感が特徴だ。

イタリアでは、お世話になった人に年末に贈ったり、パーティーでデザートに食べたりする。朝ご飯やワインのつまみにもなるという。

東京・麻布十番のイタリア料理店「ピアットスズキ」オーナーシェフの鈴木弥平さん
「作るのに手間はかかるけどそれが面白い」と話す鈴木さん(東京・麻布十番の「ピアットスズキ」で)

東京・麻布十番のイタリア料理店「ピアットスズキ」では、この時期パネットーネ作りが最盛期を迎える。オーナーシェフの鈴木弥平さんはパネットーネを作り続けて25年以上。コロナ禍前の2019年には、イタリアで開かれた五つのコンテストに参加し、金賞などを取った。

パネットーネは、店でデザートとして提供するほか、通信販売もしている(3960円)。コロナ下の巣ごもり需要もあり、今年は昨年の1.5倍から2倍の注文が入っているという。酵母を育てながら使い、生地作りからできあがりまで3日かかる。「手間はかかるけど、奥深さが魅力」と話す。

四季通じて販売も

パンの研究所「パンラボ」を主宰する池田浩明さんは「輸入品が中心だったが、徐々に国内にも作る店が増えてきた」と話す。

マンダリンオリエンタル東京が販売する3種類のパネットーネ
マンダリンオリエンタル東京が26日まで販売する3種類のパネットーネ

東京・日本橋のホテル「マンダリンオリエンタル東京」では、今年春からパネットーネの通年販売を始めた。春はイチゴ、夏はトロピカルフルーツなど季節の味を用意。26日までは、伝統的な「クラシコ」に加え「ブレンドティー」と「栗とカシス」の3種類を販売している。シェフベイカーの中村友彦さんは「日本の四季に合わせて様々な味を提供していきたい」と意気込む。

東京・祖師ヶ谷大蔵のイタリア料理店「フィオッキ」でも、昨年秋から季節限定で「無添加パネットーネ」の販売を開始。大(750グラム、4320円)、中(500グラム、3456円)の2種類ある。

パネットーネの魅力を伝えようと、昨年、イタリア食文化に詳しい有志が任意団体「パネットーネ・ソサエティ」を発足させた。「作り手と食べ手をつなぐ」を目標に、パネットーネの食べ比べイベントを開催したり、料理人向けにオンライン講座を開催したりしている。

代表理事でPR会社を経営する八木理江さんは「作る人によって味や食感が異なり、合わせるドリンクによっても味わいが変わるパネットーネの楽しみ方を多くの人に知ってほしい」と話す。今後もイベントを企画する予定だ。

池田さんは「パネットーネは分け合って食べるのにぴったり。家族や友人と集まるきっかけにするなど、気軽に試してほしい」と話している。

別のデザートに変身

パネットーネは日持ちもするが、おいしいうちに食べきりたい。東京・代々木上原のイタリア料理店「イル・プレージョ」のオーナーシェフ岩坪滋さんが、パネットーネを使ったデザート「ブッディーノ」を教えてくれた。

岩坪さんは「フルーツなどが豊富に入っているので、アレンジするとまた違ったおいしさを楽しめます」と話す。

「イル・プレージョ」オーナーシェフの岩坪滋さん
岩坪滋さん

パネットーネのブッディーノ(作りやすい分量)

〈1〉パネットーネ250gを3cm角に切る。ラム酒70ccに5分ほど浸す。
〈2〉ボウルに卵黄3個、全卵2個、グラニュー糖80gを入れて泡立て器で混ぜる。
〈3〉牛乳と生クリーム各200ccを鍋で沸かし、〈2〉に加える。〈1〉も加える。
〈4〉パウンド型などに〈3〉を流し、湯煎にして、150度に予熱したオーブンで25分ほど焼く。粗熱を取り冷蔵庫で一晩冷やす。
〈5〉型から取り出してカットし、器に盛り付ける。

ブッディーノ
ブッディーノ

(読売新聞生活部 木引美穂)

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