関ジャニ∞ 逆境乗り越え、新しい格好良さ追求するライブ

関ジャニ∞が、新アルバム「8BEAT」を引っ提げ、1年9か月ぶりとなる全国ツアー「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」をスタートさせました。記者は、11月28日に行われた横浜アリーナ公演を取材。グループが同会場で公演を行うのは13年ぶりといい、そこには真摯しんしにファンや音楽と向き合い、格好良さをアップデートする5人の姿がありました。(※演出のネタバレがあります)

関ジャニ∞は、2019年10月に横山裕さん、村上信五さん、丸山隆平さん、安田章大さん、大倉忠義さんの5人体制になり、その翌月から47都道府県をまわるツアーを実施しました。しかし、新型コロナの感染拡大でツアーは途中で中止。それから1年9か月が経過し、様々な困難を経てようやく開催できただけに、メンバーもファンも待ち望んだツアーであることは言うまでもありません。

5人で前進するため歌唱力をレベルアップ

取材した公演は歌、踊り、バンド演奏、笑いがバランスよく詰め込まれた、満足度の高いものでした。

驚いたのは、歌唱力の高さです。「関ジャニ∞、歌、うまくない?」。終演後、記者席からはそんな感想が聞こえてくるほどでした。関ジャニ∞はボーカルをメインに担当していたメンバーが相次いで脱退し、SNSでは「歌唱力がダウンした」という言葉を目にすることもありました。しかし、今回は随所で5人の力強いハーモニーを見せつけられ、そんな発言を吹き飛ばすほどの熱唱が会場を包みました。メンバーたちは、特に5人体制になって以降、ボイストレーニングに励んだといいます。歌唱力の向上は5人で前進するために必要な要素の一つであり、それに真摯に取り組んだことが伝わってきました。

そして、序盤から踊る!踊る! こんなにも踊る関ジャニ∞は、久々に見た気がします。定番曲や新アルバム「8BEAT」の楽曲まで、軽やかに、セクシーに、ポップに踊り、振り幅の大きさを見せる5人。ベテラングループにふさわしい、成熟した表現力の高さを感じずにはいられませんでした。

特に、安田さんは2018年に背中と腰を骨折し、満足にパフォーマンスができない時期がありました。MCで村上さんが、「歌って踊るアイドルヤスくんを見られて、安心されたと思います」とファンに語りかけていましたが、まさにその通りではないでしょうか。

関ジャニ∞のコンサート

関ジャニ∞の強みといえば、息の合ったバンド演奏。コンサートでは、見せ場の一つとして披露されました。ステージ上のセットが回転し、ドラムなどの楽器が出現。楽器を手にした横山さんと安田さんがステージ上部、高さ12メートルの位置から現れ、スタイリッシュでダイナミックな場面転換に目がくぎ付けになりました。そして「これぞ関ジャニ∞のバンド曲」といった楽曲を次々に披露し、会場を盛り上げます。

これまでトランペットとパーカッションを担当していた横山さんがセンターに立ち、ギターに挑む場面もありました。ブラッシュアップし、進化したバンド演奏でファンをうならせました。横山さんは今年40歳。「人生に遅すぎるということはない」ということを体現しているようで、なんだか勇気づけられました。

一体感を作り出す仕掛けも素晴らしかったです。新型コロナで観客は声が出せないことを受け、事前にファンから声援を募集。開演前は「エイト!エイト!」とコールが会場を包み、ある楽曲ではお決まりの合いの手がこだまするなど、雰囲気の盛り上げに一役買っていました。

開演前は、「大(大倉)eighter(エイター、関ジャニ∞のファンの愛称)元気かい?」「丸(丸山)鬼ファンサ(ファンサービス)覚悟しなさい!」などLINEのトーク画面のようにメンバーからのメッセージがモニターに映し出されます。開演前もファンに楽しんでほしいという気持ちが伝わり、すてきな演出だと感心しました。

ファンに本音で向き合う、それも魅力

本編最後のあいさつでは、5人それぞれが、決してハッピーとは言えないここ数年の歩みに触れながら、本音やファンへの感謝を述べました。まず、村上さんが満員の会場を感慨深げに眺めながら、「僕たちしか経験できないことがこの数年はたくさんありましたけど、今の関ジャニ∞なら糧にして先に進んでいける」とあいさつ。横山さんは「この景色を見るために1年9か月頑張ってきたんやなって思います。全てが報われたような気がします」と語りかけました。

大倉さんは、「ここ数年『俺ら、なんか間違ってたんかな』っていうくらいつらい時間や悲しい思いがあった」としながら、「色々な形のエンターテインメントがありますが、ジャニーズ事務所にできないことはないと思っています。それを後輩たちに伝えていくためにも、自分たちの活躍が素晴らしいものでなければいけない」と決意を語りました。大倉さんは、ネットニュースなどで「脱退するのでは」と報じられたことがあります。しかし、こうした力強い発言から、ジャニーズ、そして関ジャニ∞の一員であることへの誇りを感じ、頼もしく思いました。

関ジャニ∞のコンサート
関ジャニ∞のコンサート

ちょっと格好悪いことも、不安や悩みも、包み隠さずファンに打ち明ける――。こうした人間臭さも、実は彼らの魅力につながっている気がします。

各自のあいさつで印象に残ったのは、今後も進化していくという覚悟です。横山さんは「関ジャニ∞はステージに立っている時が一番格好いい。これからもどんどん格好良くなるつもり」と述べ、安田さんは「もっと光ろう、磨こう、もっとスキルアップしよう、もっとできること増やそうって常々考えています」と笑顔を見せました。

ベテランになっても甘んじることなく、貪欲に挑戦する姿は本当に格好いい! 同時に、「ファンに悲しい思いをさせた」と努力を重ね、その結果がハイレベルな公演に結びついたのは明らかですが、彼らこそ本当につらい思いをしたのではないかとも感じました。常に「今」が一番格好いい――。魅力を更新していく彼らを応援するファンも「エイターでよかった」と多幸感で満たされたライブだったことは間違いありません。

2022年1月23日午後6時から行われるファイナル公演は、生配信されます。視聴チケットは、ジャニーズネットオンラインで。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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